27 月夜の秘密。ダイフクが向かう『いつもの場所』
「オレッチ、男店員も、女店員も大好きなんだニャン」
今日、チャイロが相談したかった事を口に出した。リーダーとムーンは、チャイロが聞きたいことが何となく分かっている感じで、話を聞いていた。
「ニャンダバーは、悪の秘密結社だニャン。悪の限りを尽くし、敵対する人間に牙を剥くニャン。だけど、男店員も女店員も敵とは思えないニャン」
「チャイロ、全ての人間が敵ではないなもし。俺も潜入先の人間が大好きなもし」
「ムーンさんも同じなんだニャン」
「ムーンだけじゃないにゃ。クロッチ、ダイフク、ちょっと来るにゃ」
「何ダニ?」
「お前たちは、人間が好きか?それとも嫌いか?どっちにゃ」
「うーん、俺は好きニャン」
「正直なところ、人間は怖いダニ。でも、大好きな人間もいるダニ」
「チャイロ!大好きで良いにゃ。俺たちは、人間の世界で生きるしかないにゃ。だけど、全ての人間が、お猫様に優しいわけではないにゃ」
「オレッチ、大好きでも良いのかニャン?」
「大好きで良いにゃ。だからこそ、優しい人間とお猫様に悪意しか見せない人間を区別するから必要があるにゃ」
「悪意?オレッチ、よくわからないニャン」
「お猫様も幸せになる権利があるにゃ。強いて言うならなら、優しい悪の限りを尽くすにゃ」
「むむっ!優しい悪!よくわからないニャンけど、かっこ良く聞こえたニャン」
「そのうちわかる時が、来るなもし」
チャイロは、難しい顔をしていたが、人間を大好きで良いと言われ、心が少し軽くなったのは事実だ。
「オレッチ、人間が大好きニャン」
「それで、良いなもし」
その後、お庭に男店員と女店員がやってきた。お庭にお猫様がいっぱいいる様子を見て、二人とも興奮気味だった。
高級猫缶や高級煮干しがリーダーたちに振る舞われた。
そして、お外がだんだんと暗くなり、リーダーたちは、3丁目の喫茶店から帰って行った。
「クロッチ、ここは安心して、他のお猫様を連れて来て問題ないにゃ」
「連れて行くお猫様を、選定して連れて行きますニャン」
その後、3丁目の喫茶店は、ニャンダバーにとって、切っても切れない関係になる。それは、まだまだ先のお話となる。
ニャンダバーの拠点で、5匹は解散した。今日もお月様がとっても綺麗だ。
「クロッチ、俺、ちょっとお散歩して来るダニ」
「いつものところだニャン」
「おう、俺のこと待っていると思うダニ」
ダイフクは、夜のお散歩が大好きだった。また、お月様が綺麗な日は、必ず行くところがあった。
ダイフクは、人間が怖い。それは、仔猫の時のトラウマからだ。仔猫で、ちからも弱かった時、長毛種のダイフクは、人間の子供たちに、毛を引っ張られたり、落書きされたり、嫌なことをいっぱいされた。そんなダイフクでも、大好きな人間がいた。
「今日は、お月様が綺麗な日だにゃ。ダイフクは、今日も行ったのかにゃ?」
「はいニャン。いつものところに行きましたニャン」




