叫んでも叫ばなくてもどうしたってきっと、
夢の終わりに気づく。
おもむろに浮上する感覚に。
痙攣しているかのように小刻みに動く瞼に。
ああ。
あれは夢だったのだと気づく。
ふと、喉に添える手の存在にも気づく。
喉が渇きを訴えていたようだ。
叫んでいた。
うたた寝していたのか、腰を据えて寝ようとしていたのかは今はもう覚えてないが。
肘掛がない中で、よく倒れずに済んだものだと感心しながら、椅子から腰を上げて、冷蔵庫へと向かい、億劫だったが、麦茶をコップに注いで喉を潤した時に、思い出した。
そうだ。
叫んでいた。
内容はさっぱり覚えていないが。
ひどく取り乱していた。
後悔、か。
口元に笑みを湛えて、椅子に腰を下ろした。
「後悔、するよな。叫んでも、叫ばなくても」
椅子の傍らに在る寝台の上で眠っている人の頬に手の甲を添えようとして、はたと、止めて。
ああ。
建築家に文句を言わなければ。
工務店に文句を言わなければ。
眼前の人間に文句を言わなければ。
「後悔してるよ。叫んでも、叫ばなくても、一緒に行かなくても、一緒に行っても。何をしたって。どうしたって」
どうしたってきっと、現実とは違う夢を見る。
現実でも、夢でも、苦しむ羽目になる。
「おまえといると後悔しかない」
だけどどうしたって、離れられない。
「泣くな」
「泣いてねえ。おまえが降らせてんだろうどうにかしろ寒いのか温いのかわからん」
もう力はないから降らせられるわけないだろうあほう。
言おうとして、
やめた。
(2020.12.29)




