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掌編小説シリーズ  作者: 藤泉都理
2019.12.
102/2272

晩白柚




 黄蘗色。

 ずっしりと重みがある。

 自分の顔と同等の大きさ。

 甘酸っぱい香り。

 果汁は少なく、サクサクとした食感。

 酸いと甘みの調和が素晴らしい味。



 ごくり。

 昨年食べた味を思い出し、無意識に生唾を飲み込み、いざ参らんと、腕を高々と上げる。

 皮をむかんと、中央に勢いよく親指を突き刺さん。




「親指がぁあああああ!」 




 手でむくのは、いささか無謀。

 外果皮が厚くて、人の手では太刀打ちできなし。




 悲劇があった日の夜。

 包丁を使ってむいた晩白柚の外果皮を天日干しして、ネットに入れて、お風呂の湯に浮かべる。

 大きさに反して楽々と一個丸ごと食べた実にも、甘酸っぱい匂いが優しく広がる外果皮にも、痛い目を見る場面もあったが、結果全身癒される一日となった。 


「あー!みんなで食べようと思ってたのに!」

「…大変おいしゅうございました」

 

 訂正。

 痛み分けである。






(2019.12.24)




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