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EVOLVE〜エヴォルブ〜 Season13 Le un《ル・アン》― 安心する場所 ―  作者: 柊梟環
EVOLVE〜エヴォルブ〜 Season13 Le un《ル・アン》― 安心する場所 ―
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Epilogue 安心する場所

[ぽかぽか邸/休日の午後14時頃]



少し遅めの昼食をとり、柊(しゅう)はソファでくつろぎ、その横で凪(なぎ)はテーブルでパソコンを開き、キッチンで片付け終わった環(たまき)に、凪(なぎ)が小声で手招きをする。


「環(たまき)さん!環(たまき)さん!柊(しゅう)先輩、ソファで寝ちゃってます。」


「え?」


環(たまき)はそっと近づき小声で


「ホントだ。めずらしいですね。柊(しゅう)がうたた寝なんて……ここのところ忙しかったですからね」


「なんかイタズラしたくなっちゃいますね。」


凪(なぎ)が言うと環(たまき)はすぐに乗る。


「それ!いいですね〜!やりますか!」


リビングのクローゼットを開け

「あ!コレどうですか?ヒゲ、つけちゃいます?」

「こっちは?ハロウィンの時の三角帽!」

「サンタさんのおヒゲありましたよ!」

「あ!鼻がついてるメガネどっかにありましたよね?」


2人で、楽しそうに探していると


「おまえら……そんなところで何やってんだ?」


柊(しゅう)があくびしながら、2人の後ろから声をかけた。


「え!あー柊(しゅう)先輩!起きちゃったんですか?」

「あれ、柊(しゅう)……起きたんですか?」


「あぁ……ちょっとうとうとしちゃったな……で、おまえたちは何をやってたんだ?」


「ははは……なんでもないですよ〜ね、環(たまき)さん!」

「え?はい……なんでもないですよ〜ね、凪(なぎ)くん」


「んー?さては……凪(なぎ)!俺にイタズラしようとしただろ!」


柊(しゅう)は言いながら凪(なぎ)を羽交い締めにした。


「うわ~イタイ!イタイ!僕が柊(しゅう)先輩にそんなことするわけないじゃないですか〜」


「いいや、凪(なぎ)、おまえならやるね!イタズラしようって環(たまき)をけしかけたな?言い出しっぺはおまえだろ?はけ!」


環(たまき)は笑いながら


「柊(しゅう)〜凪(なぎ)くんがかわいそうですよ〜はなしてあげてください〜」


「柊(しゅう)先輩、ギブギブ〜」


凪(なぎ)は柊(しゅう)から、ようやく解き放たれた。


「ふふ。でも惜しかったですね~いろいろつけようとしてたのに……」


「ですよね〜環(たまき)さんノリノリだったのに」


「おまえら……まったく油断も隙もないな……」



◇



[柊(しゅう)と環(たまき)の寝室/明け方]



「……柊(しゅう)……」


柊(しゅう)は環(たまき)に呼ばれた気がして目を覚ました。

隣で穏やかな顔をして眠る環(たまき)の髪をそっとなでる。

環(たまき)は寝返りをうち、ゆっくり目を開けた。


「……柊(しゅう)?……あれ?……起きてたんですか?」


「うん。少し前にな……環(たまき)に呼ばれた気がして」


「え?わたしなんか言ってました?」


「ははは……寝言だな……」


「え〜なんて言ってたんですか……はずかしい……」


「ははは……今に始まったことじゃないからな、環(たまき)の寝言は」


「え〜そうなんですか〜もう柊(しゅう)、早く言ってくださいよ〜いつも黙って聞いてたんですか?」


「ああ……聞いてるよ……かわいいな〜って思って……」


「もう……柊(しゅう)……」


そう言いながら環(たまき)は柊(しゅう)の胸に顔をうずめる。


柊(しゅう)は環(たまき)を抱き寄せ


「環(たまき)、夢見てたのか?」


環(たまき)は顔を上げ頷き


「はい……なんか、不思議な夢でした……」


「わたし、ずっと誰かの手を掴もうとしてて……

 でも届かなくて、届いたって思ったら離されて

 それを何度も繰り返して、ちょっと諦めかけたんだけど……


 これが最後って思って手を伸ばしたら、誰かが掴んでくれて、

 驚いて……『環(たまき)』って呼ばれて……

 声のほうを見たけど、姿がハッキリ見えなくて、

 ぼんやりしてて、でもこの手を離しちゃダメだって思って


 そしたらグイッて引っ張られて、

 怖くて目をつぶったらぎゅ〜って包まれたんです。

 『誰?』って聞いても答えてくれなくて……


 ゆっくり目を開けてみたけど、やっぱり誰だかわからなくて。

 『柊(しゅう)?』って聞いたら、急にぱぁって目の前が明るくなって

 眩(まぶ)しくて目を閉じたけど、ゆっくり目を開けたら、

 ホントに目の前に柊(しゅう)がいたの」


「ははは……それは目が覚めたときに、目の前に俺がいたってことだな……」


環(たまき)の髪をなでながら柊(しゅう)が言う。


「わたし、前にも同じような夢を見た気がします。」


柊(しゅう)は環(たまき)をぎゅっと抱きしめ


「そうか……俺は環(たまき)の手は離さない。

 ずっと隣にいる。だから安心していい。」


環(たまき)は柊(しゅう)の胸に顔をうずめたまま頷いた。

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