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マリンガールズ〜思いを乗せた方舟〜  作者: ハナビ
海の学校
22/70

昼下がりの休み②

「そうね。私も何か買おうかしら。」

鎖霧ちゃんは買い物籠を持って野菜の方へ向かい。香里さんはお惣菜を見つめ始めました。

「えっと。私は。」

私はカートと籠に付いた専用のカートを取り、携帯に二次元コードを読み込ませて、香里さんと一緒にお惣菜コーナーへ向かいました。

「ヒナさんは何を買うのですか?」

「そうですね…。」

私は携帯電話の電卓を出して、計算をしながら食品を選んでいきます。

「マカロニサラダとから揚げ」

籠に入れた商品の値段は三〇〇円と四〇〇円程。少し高いものの。二種類の商品を入れて買い物を済ませました。

「他には買わないの?」

香里さんはお惣菜を籠に幾つか入れており、私に尋ねてきました。

「私。家にご飯がありますので。」

私は香里さんに事情を話、買い物を終えました。

「鎖霧ちゃんは、どこに行ったのかな?」

私は籠を持って鎖霧ちゃんを探します。

「ヒナ。どうしたの?」

鎖霧ちゃんは魚が売られている場所に居り、選んでいました。

「どれがいいかしら?」

鎖霧ちゃんは美味しそうな生魚を見回し、サケの切身を取りました。

「…この、真っ赤な魚、何ですか?」

「何かしら…。」

私と鎖霧ちゃんは魚コーナーのプラスチック容器に入っている真っ赤な刺身用の魚を見て、名前を探しました。

「…マグロ。…」

「これがマグロなの?初めて見たわ。美味しいのかしら…。」

鎖霧ちゃんは、興味津々に刺身用のマグロのパックを手にして見つめました。

「買ってみようかな」

「衛生面に厳しい日本で食あたりなどはないでしょう。」

私は鎖霧ちゃんに安心であることを紹介しました。

鎖霧ちゃんはマグロを籠に入れて、私と一緒にレジへ向かいました。

「碇さん。ヒナさん。何を買いましたか?」

「私は珍しい魚が売られていたので、買います。」

鎖霧ちゃんは香里さんに籠を見せて言いました。

「赤い魚は鮪ですか。真っ赤ですね。」

香里さんは動じることなく普通に話を進めました。

「珍しいですか?」

「私もヒナも知らなかったから。」

鎖霧ちゃんと私は二人で不思議に思いながら、香里さんの方を見ました。

「陸では普通に売られますよ。でも海では私たちと魚両方が動くので、時期や位置によっては、獲りにくい魚がいるんですよ。さらに鮪は動かないと死ぬ魚としても有名ですから、入手することが難しくなっているのでしょう。」

香里さんは私たちに魚の動きについて分かりやすく解説して下さりました。

「まあ。私たちにしたら珍しいのだから。食べてみないと。」

鎖霧ちゃんと香里さんはレジに向かい、籠が収まるほどの箱にそのまま籠を入れ、蓋をして密閉しました。

原理は暗くなると、箱の中で、バーコードを読み取り、会計をすぐにできるようになっています。

鎖霧ちゃんと香里さんは会計を済ませ、持ってきたエコバッグに入れました。

「ヒナ?お金を払わないの?」

鎖霧ちゃんは不思議そうに私を見つめていました。

「私は入るときに二次元コードを読み込ませたので。」

最近、本格的に導入された会計方法を私は試してみました。

方法は籠に付いている店舗限定のバーコードを読み込ませて、専用の会計サイトに飛び。商品バーコードを会計サイトで翳して購入リストに読み込ませます。買い物を終えたら、レジの横にある二次元コードを読み込ませて、支払いを済ませるだけとなっています。

私は携帯に映し出されているレジのような表示から会計と書かれた所を押し、支払いました。

「新しい方法があるのね」

「私も初めて知りました。」

買い物を終えると、お店を出ました。

「暑いわね。」

鎖霧ちゃんは日に当たりながら言いました。

「私はアイスバーを買いました。チョコ味です。」

「私はチョコミントを買ったわ。」

鎖霧ちゃんと香里さんは少し話をして、木陰でアイス食べ始めました。

「碇さんは歯磨き粉ですか。」

「歯磨き粉…言うな。このスッキリした味とチョコの甘いのが良いのよ。」

私は話している二人の横でバニラモナカを食べます。

「ヒナは普通ね。」

「ヒナちゃん。らしいです。」

二人は日に焼かれて汗を掻きながら、話していました。

「そうですか?」

太陽の熱は私たちが持っていたアイスも溶かし始めました。近くにあった温度計では三〇度を超えており、夏日と勘違いしてしまうほど暑くなっていました。

「早く食べるわよ。」

アイスを食べ終え、私たちは少し元気が取り戻して、家まで歩いて帰りました。

「私は、こっちなので。」

香里さんは大通りの方へと歩きだしました。

「香里さん。また明日。」

「気を付けなさいよ。」

鎖霧ちゃんは香里さんに一言出すと、家の方へと歩き始めました。

「はい。気を付けます。」

香里さんは少し遅く返事をしました。

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