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名もなき異世界奇譚  作者: Section chief
3章 錬金国家アルケミー
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3章 錬金国家アルケミー36 -17日目・ペナルティーの重さ-

一瞬で返り討ちにしたのはいいが、ギルドは閉まってる。こいつらをどこに引き渡せばいいんだ?

とりあえずおっさんに聞くか。


状態確認(ステータス)でおっさんの位置を探索し、城の中にいる事はわかった。30分経っても出てくる気配がない。それならモーブに聞こうと思ったが、彼も城の中にいる。

流石に城の中に侵入するわけにはいかないので、城の入り口の兵士に聞くことにした。


見えない手(イビジブルハンズ)で3人を引きずりながら、城の入り口までやってきた。



「あの、すみません。この人達に襲われたんですが。今日は冒険者ギルドが休みで引き渡せないんです。その場合どうすればよいのでしょうか?」



こいつらの所持品に冒険者ギルドのギルドカードがあった。間違いなく全員冒険者だ。



「こちらで預かる。それで君は何者だ?」



俺は姫様から頂いた名誉男爵の身分を証明する書状を見せた。冒険者ギルドのカードを見せるより、こっちの方が効果的に思えるからこっちを提示した。



「これは失礼いたしました!こいつらをさっさと牢へぶち込め!」



いりぐちの兵士がそう叫ぶとと、中から兵士が出てきて、3人を城の中へと連れて行った。



「後日、冒険者ギルドから詳しい事情を聞かれるので、滞在場所をお教えください」

「冒険者ギルド運営の宿に滞在してます」

「貴族の方が冒険者ギルド運営の宿とは珍しいですな?」



そう言われたので、冒険者ギルドのカードを見せた。

兵士は驚いていたが、すぐに我に返り、「承知しました!」と言った。



何故、兵士が驚いたのか理由を聞いた。

この兵士が言うには、貴族には商人ギルドに所属できる権利がある。もちろん名誉貴族にも。貴族になったら冒険者を辞めて商売を始めるのが一般的らしい。稀に兼業をする者もいるが、まずそんな奇特な奴はいないそうだ。

ちなみに、商人ギルドに所属していないと外国と貿易できない、ってのも聞いた。


俺には、物を運ぶ方法も強さもある。

大会が終わったら商人ギルドへ行って登録しようと思った。どうにかして契約違反分の硬貨(金貨5枚)を稼がないとならないしな。


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