8章 錬金国家の貴族169-残りの条件と候補地の問題-
「最後に、商会を設立する土地の貴族家に許可を得るにゃ。より具体的に言うなら商会の建物がある場所の貴族にゃ」
「今から購入できる土地か建物ってありますか?」
「土地も建物も無いね」
「それなら、フ・リーダムの工房を商会の所在地として登録しても大丈夫ですか?」
「問題は無いが…」
ギルドマスターは存在しないはずの工房があるという、俺の言葉に困惑していた。
フ・リーダムの工房は存在しなかったが、錬金術師ギルドに登録しなければならなくなった時に、工房の所在地をしっかりと記載する必要がありとある場所を記載した。
「ただでさえ、他人との関わりを避けてる人だ。工房を商会として使われる事に賛同するは思えないのだが…」
「まぁ、フ・リーダムの事なら何とかなるんだけど、登録した場所がちょっと問題のある場所なんですよね」
「工房の場所をどこにしたんだい?」
「男爵邸です」
「ん?聞き間違いかの?今、男爵邸と聞こえたが…」
「男爵邸って言いました」
「錬金術師の工房の機能にゃんてないはずにゃ」
「それが、あるんだよ。地下にね」
「どういう事じゃ?」
「錬金術師ギルドに提出する書類に、フ・リーダムの工房は男爵邸って記載されてるんです」
「…よく錬金術師ギルドが通したの」
貴族の邸宅を工房にしてはならないという法律はないし、フ・リーダムは男爵邸に住んでいる(事にした)ので、工房兼住居として登録するのに問題は無いですよね?と、錬金術師ギルドに言って書類を提出したのである。
「それよりも男爵邸は誰の領土になるんですかね?」
「難しい問題じゃな。前例がないからの」
それなら、この国で1番偉い人に聞くとしよう。




