2章 西の大陸18 -ギルドマスターの強さ-
「どうしてよ⁉︎」
「お前達は虚偽の報告をしたからな」
「この部屋がワイバーンで埋め尽くされてもいいんだったら、すぐにでも出すぞー」
「ちょっと、それもう全部狩りましたって、言ってるようなものじゃない。しかも空間魔法で全部持ってきたのも自分で言ってるし」
「牢にぶち込まれるよりマシだろ?」
「それはそうだけど…」
「ちなみに冒険者ギルド同士の大会の出場を、拒否した場合どうなる?」
「ワイバーンをこの部屋で出すのはやめてくれ。拒否しても罰則は特にないが、この国の冒険者から因縁をつけられるようになるだろうな」
ギルドマスターに対して、状態確認を使った。ギルドマスターの強さ次第では逃げる気でいるからだ。
「やめとけ。俺に対してその手の能力を使うのはオススメしない。良くて気絶、下手すると死ぬぞ」
能力を使用したのがバレているようだが、気にせず状態確認を使った。
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トワノ
Level 99 状態:普通
体力:999/999
魔力:999/999
攻撃力:999
防御力:999
素早さ:999
精神力:999
能力:解析不可能【解析不可能】Level:?
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ステータスを表示した瞬間、俺は雷に打たれたような感覚がし、その場に倒れた。
「まずいわ…」
そう呟きルーシェは、すぐに光の結界を自分と俺に張り、俺に回復魔法をかけた。
「忠告したろ?冒険者にとって、こういった情報は秘匿したいものだからな。俺みたいに対策してる奴もいる。不用意に覗き見るもんじゃないぞ」
「はぁはぁ、なるほどな…それが…あんたの…能力の一部ってわけか…」
「まさか意識のある人間がいるとは…」
今のは正直危なかった。俺は立ち上がり言った。
「このおっさんから逃げるのは無理だ。全ての値が999と非常に高い。あと能力の解析ができないから、対処のしようがない」
「化け物じみたあんたが、『逃げられない』って言うんだったら無理ね…」
ルーシェを置き去りにすれば何とか逃げられる。そんな酷い事をする気はない。彼女がいなかったらまた危ない状態だったしな。
そんな事を思っているとギルドマスターが叫びだした。
「人の情報をペラペラ喋るんじねぇ!」
このあとめちゃくちゃ説教された。




