2章 西の大陸16 -冒険者ギルド-
丘を下りたら、まず冒険者ギルドに行く事にした。ワイバーンを買い取ってもらうためである。俺達は無一文だしな。
この街には商人ギルドもあるが、「あそこは商人しか売買できないわ。買取をしてもらうとなると、あとは冒険者ギルドぐらいね」とルーシェが言ったので、冒険者ギルドに行くのだ。
冒険者ギルドに入ると、立派なメロンを2つ持った美人な受付嬢がいる!
そう思っていた時期が俺にもありました。
現実は非情である。目の前にいるのはスキンヘッドで筋肉隆々のおっさんだった。
「ボウズ、こんな朝早くに何の用だ?」
「魔物の亡骸を売却したい」
俺はテンションが下がった状態で、道具空間を発動させ、ワイバーンの亡骸を1つ取り出した。おっさんは驚いた顔をした。
「お前らここで、ちょっと待ってろ」
と言い、おっさんは慌ててどこかへ行った。
数分後おっさんは、眠そうな表情をしたモブ顔の男を連れてきて受付をやらせた。
「そいつをしまって、ついて来い」
道具空間へ亡骸をしまい、おっさんについていった。俺達はおっさんに連れられ、応接室のような部屋に入った。
「とりあえず、座ってくれ」
俺達とおっさんは椅子に座った。
「俺の名前はトワノだ。錬金国家の冒険者ギルド・ギルドマスターをやってる」
「え?おっさんギルドマスターだったのかよ⁉︎」
「なんでギルドマスターが受付やってんのよ⁉︎」
「そこは気にしないでくれるとありがたい。あと、おっさんって言うな。ギルドマスターと呼べ。」
たぶん人手不足なんだと思った。そう思いつつ俺達は自己紹介をした。
「ルーシェよ」
「ハナトリ・リョウだ。それで何の用だ?」
祖国からの追ってに居場所をつかまれたくないので、こちらでの名ではなく、元の名前を使う事にした。
どっちも俺の名である事を状態確認で証明してるしな。
「確認したい事がある。まず、二人とも偽名だな。冒険者には少なくとも名を隠したい奴がいるからそれは咎めん」
「…その方が俺たちとしても助かる」
何故分かったのだろうか?この人の能力なのだろうか?
そう思っても今この人に状態確認を使う気は無い。偽名の事を気にしないと言ってくれた人の情報を、無闇に探るのはどうかと思うしな。
「次に嬢ちゃんは俺と何処かで会ったことがあるか?」
「会ったこと無いわ。知り合いにスキンヘッドはいないわよ。いたら覚えてるだろうしね」
「…口が悪くて申し訳ない」
俺はすぐに謝った。ルーシェも言ってから気がついたようで謝った。
「まぁここ数年で急激に抜けちまったから、いっその事剃ってしまおうと思ってやったんだが…」
結構気にしてるようだ。この世界でスキンヘッドは初めて見た。確かに忘れることはないだろう。
「それはそうと、質問の続きだ。ワイバーンはお前達が倒したのか?」
「そうだ」「そうよ」
どうやら疑われているようだ。
俺たちはワイバーンの群れをどのように倒したのか説明した。
「…嘘はついてなさそうだな。話を聞く限り嬢ちゃんは魔法使い、いや複数の上級魔法が使えるから、魔道士と呼ぶべきなんだろう。ボウズの方は、もしかて…魔族なのか?」
「正真正銘人間だよ」
まぁ、ワイバーンのいる高さまで飛んで殴り落としたり、素手で牙を引きちぎって投げ飛ばすような人間はいないだろうからな。
「もう一つ聞きたい事がある。ボウズが何も無いところからワイバーンを出したように見えたが…」
「空間魔法を使ったんだよ」
「そうか。噂にはそういう魔法があると聞いた事があるが…なるほどな。ボウズも魔法が使えるのか。しかも相当な使い手のようだ…」
おっさんは少し考えてから俺達に言った。
「お前たち、冒険者になる気はないか?」




