1章 ジャポネーグ国23 -センニンショウ親子と国主親子-
次の日
「親方様。申し訳ございません。此度の事は、私がクジャクの事を相談しなければ起らなかった事。此度の事、我が子に非はございません。私のみに罰を…」
「親方様。父上はこう言っておりますが、父上は悪くありません。セッテ様を守れず重度の怪我を負わせてしまったうえ、6人の子息に攻撃をした私が悪いのでございます。罰するなら私のみに…」
この場には、親方様、セッテ、父上、俺の4人いる。
「セッテ、儂はどうしたら良い?」
「難しい事は分かりません。ですが、2人は悪い事をしていないという事は、分かります」
「だそうだ。よって2人ともお咎めなしだ」
そう言うと、親方様は笑った。
父上が、「それでは周りに示しがつきません」と言った。
「当事者のセッテと国主の儂が良いと言っておるのだ。それに…」
あの6人は、親方様を暗殺する計画を企てていたそうだ。他には、麓の町に行って顔を見られないように若い女を襲っていた。顔を見られた時は、金を渡して黙らすか、金を受け取らない者は口封じをしていた。
などなどその他諸々、裏で色々やらかしていたようだ。
これらの事は、目を覚ましたセッテが自分1人の力で集めまわってたようだ。国主の息子6人に疑いを向けて後で何されるかわからないから協力できない、センニンショウ一族は見張られているため動けないという理由から、協力者を得られなかったらしい。
「昨日までの3日間、見張りをやっていた女の人も、被害にあった人なんだ」
セッテから聞いた話だとあの女は、6人から乱暴な行為を受け口封じにあう前に逃げて生き延びたそうだ。相手が国主の息子じゃ言ったところで信じてもらえないだろうと諦めていたらしい。
セッテがあいつらについて調べてる事を知って、協力を申し出たそうだ。それでセッテが彼女を俺の見張りするよう親方様にお願いして送り込み、伝言を頼んだそうだ。
「今聞いた事は、ここだけの話にしといてくれ」
表向きには、親方様を暗殺する計画を企てて処刑される、ということになっている。
あのクズ共がやらかした事が表にでたら、親方様の立場が悪くなる。そうなってはならない。
このお方がいなくなったら、我こそが次の国主だ!と皆が言い、争いを始める。
この方が国主だからこの国は争いもなく平和なのだ。
だからこそ、それだけは回避しなくてはならない。
「「承知致した!」」
セッテは、何で言っちゃいけないの?という顔をしていた。
「クジャク、後でセッテに説明してやってくれ」
親方様は俺に丸投げしてきた。




