1章 ジャポネーグ国22 -クジャクとハオウジュの殺意-
「クジャク姉危ない!」
俺はセッテに突き飛ばされた。セッテは右腕から血を流した。俺に渡そうとした刀を落とし、ウノに捕まった。
「セッテ!」
「動くんじゃねーぞ。動いたらこいつを殺す」
そう言ってあのクズ野郎は、クナイをセッテの首元にやった。
チクショウ、また護れないのかよ…。
そう思った時、奴の後ろに男が突如現れた。さっきセッテが落とした刀を拾っていて、即座に奴の背中をその刀で切りつけた。
「うぁぁー!」
ウノは、あまりの痛みにセッテから手を離し、背中を手で押さえ後ろを振り向いた。
「俺の子に対しての仕打ち、忘れたわけではあるまいな」
奴を切りつけた男は、父上だった。
父上はかつてない程の殺意を放っていた。
ウノは、その殺意を感じとったのか恐怖のあまり、失禁していた。
「ハオウジュ、殺すでないぞ」
「その命令はお受けいたしかねます、親方様」
「やれやれ」
親方様は仕方ないかという顔をしていた。
「やめてくれ!気がすむまで謝る、何でもするから許してくれ!」
「だったらセッテ様とクジャクが受けた事を、お前自身が受けてもらおうか?」
「お助けてください、父上!」
親方様は父上のしようとしている事を、止めようとしなかった。
「父上、何故助けてくれないのです?父上!」
「さっきお前は言ったよな?『こいつは国主を語る不届きものだ』と。儂を偽物呼ばわりしたよな?……お前らなんざぁ、もう儂の息子ではない!」
俺はこの時はじめて親方様が、声を荒げて怒っているのを初めて見た。そして親方様は言った。
「国主の名の下に、クジャク・センニンショウは無罪とし、この6人を処刑とする。こやつらの罪状は反逆罪じゃ。儂を偽物呼ばわりし、亡き者にしようとした。ここにいる皆が証人じゃ!」
この国では、国主になりすましたものは死罪となる。
これを利用し、やつらは親方様を葬る事にしようとしたのだろう。まぁ、国主を亡き者にしようとしたのだから反逆罪は妥当だ。
この騒動の幕は降りた。




