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短歌師  作者: 弓月翼
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初夏



安全な

世界でいつづけ光り射せ

白い笑顔が満ちる初夏なら



早朝に

透明なフリしていると

家の庭まで小鳥が来る初夏



庭に立つ

金木犀はまだ咲かず

そっと黙って風に吹かれて



あの夏に

ふたり揺蕩う海面で

目をつむったのは太陽のせい



太陽の

光りをいっぱい浴びていた

戻れるのならあの日がいいな



真っ白な

日傘でもダメじわじわと

にじむものにはなすすべもなく



信号を

待つあいださえスマホみて

しまうじぶんがなんだか嫌い



神さまが

与えてくれた命なら

なにに使えば意味があるのか



ただひとり

この部屋にいる悲しみを

神のせいとかにはしないよう



ただじっと

寝転んでると窓の外

ちいさな雨音だけが聴こえて



ただ歌う

気持ちが途切れないのなら

初夏の小鳥とともにはなうた






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