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転生法  作者: 881374
130/139

第130話、【これぞ最強のチートスキルだ!】㉚『即死チート』は別に『最強』では無く、『弱点』もちゃんと有るのだ☆【前編】

「──知○佳、大変よ! 高遠君が柔道部の部長と、あなたを賭けて勝負して、コテンパンにやられてしまったわ!」




「………へ、何ソレ⁉」




 去年の修学旅行以来すっかり友達となった、篠○綾香(おそらくは最新鋭の機械人形)のご注進を聞くや、慌てふためいて柔道場へと駆けつける、壇ノ浦知○佳であった。




 だが時既に遅し、そこには満身創痍となり、道場の畳の上に仰向けに倒れている、夜○の姿が有ったのだ。


 当然のように、道着を着た柔道部部長へと食ってかかる、知○佳。


「──ちょっと、剛志、何してくれちゃっているのよ⁉」


「……むっ、それはこっちの台詞だ、知○佳よ」


「はあ?」




「道場が隣同士の幼馴染みで、家族ぐるみの付き合いをしてきて、おまえが年頃になっても全然男っ気が無いから、すっかり安心していたのに、修学旅行から帰ってきた途端、この優男と何だか親密な間柄になりやがってッ! 知○佳をこんなヒョロガリに渡してなるものか! そこでどちらがおまえの相手にふさわしいか、正々堂々と柔道で勝負をつけることにしたんだ!」




「柔道部の部長と一般生徒で、柔道勝負って、どこが正々堂々なんだよ⁉」




「でもこの男は、受けて立ったぞ?」


「──高遠君、どうしてそんな、柄でも無いことを⁉」


「……『いざと言う時に、知○佳を守れないような男に、あいつを渡しはしない』なんて言われたら、勝負を受けざるを得ないだろ?」


「高遠君♡」


「壇ノ浦さん♡」


「──こらあ、敗者のくせに、何をいい雰囲気を醸し出しているんだ⁉ 知○佳、こっちに来い! おまえはもう、俺のものだ!」


 そう言って、か細い少女の手首を掴もうとした、その刹那。




「──私は誰のものでも無いわ! 勝手に決めるな、この脳筋柔道オタクが!」




「──うごおッ⁉」


 難なく手首を返して、逆に巨漢の襟元を掴み取るや、あっさりと投げ飛ばし畳へと叩きつける。


「……昔から言っているでしょ? 私は私よりも強い男にしかなびかないって。まあせいぜい、修行をし直すのね。──永遠にねw」




「そんな⁉ だったら、その男はどうなんだ⁉ この俺に負けたくせに、おまえよりも強いと言うのか⁉ 何か有ったら、おまえのことを守れるのか⁉」




「うん、私なんか比べ物にならないほど、強いよ? 『修学旅行(=異世界転移)』の時も、何度も私のことを守ってくれたし」


篠○綾香(実は最新鋭の機械人形)「うん、強いね」


二宮諒○(実はサイバー忍者)「強いです」


キャ○ル・S・レーン(実は某『機関』のエージェント)「強いデース」


花○大門(実は元勇者)「強いでござるよ」


鳳春○(実は将来の獣人の総元締め)「強いな」


壇ノ浦もこ○こ(知○佳の守護霊)『強いぞ』




「──何なんだ、おまえらは⁉」




「「「「「高遠君と壇ノ浦さんの、クラスメイトです」」」」」




『……我は、神霊クラスの「守護霊」じゃがな』




「──何か、変なのも混じっているし⁉ いやいやいや、現に俺に負けて寝っ転がっているのに、どこが強いと言うんだ⁉」




「……剛志、たかが学校のお遊びの柔道レベルでイキっている、あんたにはわからないと思うけど、この世には──否、どこか『別の異なる世界』では、私たちの年齢で既に、『命のやり取り』をやっている所も有るんだよ。もしもそんな世界にいきなり放り込まれたとして、あんたはちゃんとやっていけると言えるわけ?」




「な、何を、馬鹿げたことを言い出しているんだ? そんな『仮定の話』で、納得できるか⁉」


「『仮定』じゃ無いよ、高遠君や私たちは、『本当』にそんな世界で、戦い生き抜いてきたんだからね」


「──この男は、暗殺者か少年傭兵とでも、言うつもりか⁉」


「「「「「「……暗殺者か少年傭兵程度なら、良かったんだけどねえ」」」」」」




「何ソレ、どういうこと⁉ ちょっと恐いんですけど、そいつって何者なの⁉ ちゃんと説明してくれよ!」




 今更になって、えも言われぬ恐怖心に囚われた柔道部部長が、何かわめき散らし始めたものの、完全に無視して立ち去っていく、知○佳一同。


「しかし高遠君てば、私なんかのために、柔道部と勝負だなんて無理しちゃって、もう駄目じゃない♫」


「オー、知○佳、何だか嬉しそうデスねえw」


「キャ○ル、黙りなさい! ──壇ノ浦さん、どうぞお続けください」


「い、いや、続けてくださいって、言われても………」




「ああ、うん、実はもこ○こさんに、焚きつけられたんだよ。『姉の千○のほうは、言い寄ってきた幼馴染みの小僧を、想い人の男子生徒が、きっちりと勝負して撃退したぞ?』って」




「──すべての元凶は、もこ○こさんだったのかあ⁉」




『ちょっと、待て! 我は別に、嘘は言っておらぬぞ⁉』


「……あの、『もこ○こ体型』の姉を取り合って、男子生徒がガチ勝負、だと?」


『何じゃ、「もこ○こ体型」って⁉ しかもおぬし、姉に対しても辛辣じゃな⁉』


「……大方、『取り合い』と言うよりも、『押し付け合い』じゃ無かったのお?」


『──なぜわかった⁉ い、いや、少なくとも幼馴染みのほうは、ちゃんと本気だったんだぞ⁉』




「でも意外よね、異世界であんなに無双していた高遠君が、学校の柔道部なんかに、あっさり負けてしまうなんてw」




「……そりゃそうだよ、何かネットとかで、僕の『即死チート』のことを、『最強だ』とか『そうじゃ無い』とか、勝手に言い争っているけど、僕自身は『最強』とか思っていないし、そもそもこの力を『チート』とも思っちゃいないんだから」




「へえ、あんなに異世界では、『無双』していたと言うのに?」


「実感としては、『自分の力』とは思えないってことだよ。誰かが僕のことを守ってくれていて、僕の危機の際には、必ず敵を退けてくれるって感じなのさ」


「でもさっきは、守ってくれなかったじゃ無い?」


「『研究所』の人たちが言うには、命の危険──もっと正確に言うと、『僕と言う存在』が脅かされる時だけ、発動する力と言うことらしいんだ。だから基本的に平和なこの現代日本においては、おいそれと力は発動しないし、異世界の時のように、壇ノ浦さんのことを守ってやれないと思うよ」







「──だったら今度は、私が守ってあげようか?」







「え」







「異世界では、ずっと守られてばかりいたから、今度からは私が高遠君のことを、守ってア・ゲ・ル♡」


「……壇ノ浦さん♡」


「だから、これからも、よろしくね♫」


 そう言って、ごく自然と、手を取り合い歩んでいく二人。







「……ホント、我々は一体、何を見せられているのデスかねえ」


「──キャ○ル、お黙りなさい! あの二人がラブラブでいる限り、この世界の平穏が守られるのですよ⁉」




   ☀     ◑     ☀     ◑     ☀     ◑




転生法ちゃん「……何よ、これって?」


ちょい悪令嬢「『何よ』も何も、かの超傑作アニメ化作品『即死チートが最強すぎて、異○界のやつらがまるで相手にならないんですが。』の、世界観とキャラクターをお借りした、【突発短編】じゃないですか?」




転生法ちゃん「──いやだから、何でそんないろいろな意味で危ないものを、いきなり作成して公開しているのよ⁉ しかも私は別の作品の登場人物なんだから、巻き添えにしないでくれる⁉」




ちょい悪令嬢「あ、いえ、実はこの【突発短編】て、前回までの続きでもあるのですよ」


転生法ちゃん「──これが⁉」




ちょい悪令嬢「前回の結論的に、『唯一絶対の最強』なぞ存在せず、どんな『最強級のチートスキル』にも『弱点』が有るのだ──と申したではないですか? それで今回は、その『実例』を示そうかと思いまして」




転生法ちゃん「……ああ、それで『即死チート』か? 確かに『最強』談義には、もってこいかと思うけど、よりによって最初にこれを選ぶとはねえ」


ちょい悪令嬢「ちょっと、転生法ちゃん、あなたちゃんと【突発短編】を読んだんですか⁉」


転生法ちゃん「えっ」




ちょい悪令嬢「いいですか、少なくとも『即死チートが最強すぎて、異○界のやつらがまるで相手にならないんですが。』と言う作品における『即死チート』は、『最強』でも何でも無いんですよ?」




転生法ちゃん「──はあああああああああああ⁉ ネット上の『最強談義』においては、常に上位に名前が挙がる高遠夜○君の『即死チート』が、『最強』じゃ無いって、そんな馬鹿な⁉」







(※次回に続きます)

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