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白い世  作者: 古井雅
3/80

ゴミ

ゴミ箱ってなんでか捨て忘れちゃうんですよね。そんなモノです。



撮りためた番組に軋む泣き声 振り返ると憂いと空虚の束

残された足あとと外の景色 意味もなく交わる人波たち

まるで意味はないはずなのに 必ずそれらは美しく交わる

行く宛すらもわからないまま すれ違う人にさよならの言葉もかけない

彷徨った挙句手放した出逢い達は 確かにそこに存在したのでしょうか


留めておきたかった奏でと 見きれずに消したドラマ

やめておけばよかった旋律と 消化不良の吐瀉物

言えずに後悔した声明(おと)と ベランダに放置したゴミ

紡いでも意味のない和音と 傷めた血小板(かひ)たち

それはきっと いつの日か流れていくものたちでしょう


触れて途絶えた皮膚の破片 見つけて懐かしんだ映像

郷愁さも顧みずに行き過ぎた出逢いは 間違えでしょうか

白線を歩くように続いていた人生なんて 同じ道の連なり

振り返って確かめてみても そこには決まりきった軌跡しか残っていない

でもそれは 正しいものなのでしょうか


いつの日にか愛が変わる人と いつの日にか恋が変わる人

僕は望むべきではなかったのでしょうか 僕は捨て去るべきだったのでしょうか

いつの日にか悲哀に変わる人と いつの日にか憎悪に変わる人

僕は見捨てるべきだったのでしょうか 僕は喜ぶべきだったのでしょうか


僕は 自分が悲しくてたまりません

だから僕を 捨て去ってください


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