38
「くはっ…やっぱり速いなぁ〜
風をよく読んでる…
久しいなぁ、エルヴィス」
その人物はシャインをエルヴィスと呼び、昔からの知り合いだということを察する。
するとシャインはあからさまな溜息を吐くと抱えていたわたしをそっと下ろす。
「…僕は君に会うつもりはなかったけどね
…ジョシュア、何か用なの?」
彼はジョシュアと言うらしい、ジョシュアの容姿は高身長で、背中からは鷲のような羽が生えている。
そして湖が空を写したような水色の短髪をし、切れ長で一重の瞳は澄んだ蒼色をしている。
なかなかのイケメンだが、この人物はゲームでは一度も見かけたことはない。
(妖精…?精霊…?)
ゲームでは出てこなかったキャラクターの登場に戸惑っていると、いつの間に近付いてきたのか、品定めするような視線で見つめてくる。
そんなジョシュアから庇うように、シャインはわたしを完全に背に隠す。
その様子をニヤニヤとしながら見つめるジョシュアを、シャインの後ろから見やる。
「このガキ、俺らが見えるみたいだなぁ
今世ではいないと思ってたが…」
いつの間にかまた後ろに回り、わたしをまじまじと見つめる。
驚き声にもならず、後ろを振り返るのも正直怖い。
(な…何なのこの人…)
思わず目の前のシャツを掴むと、シャインはくるりとこちらを向いたと思ったら、正面からわたしを抱き締めるような形でジョシュアに向き直る。
あまりの出来事に顔を赤くする余裕もない。
(何が起こった)
ギュッとわたしを屈んで抱き締めると、さも面倒くさそうにジョシュアを指さす。
「…僕の主人をあまり不躾な目で見ないでもらえる?
それにジョシュア…君子供は嫌いでしょ?
ほんとに何の用?理由によっては怒る」




