勇者魔法とオカマのお酌
よろしくお願いします
「俺は今日も闘技場に行くけどどうする?」
「今日は私はパスするわ」
「すいません、ご主人様今日は私もそうさせていただきます」
カトレアはもう完全に飽きたんだろうな
ミラは...あぁタケトを見たくないんだな、表情に出てるよ
「じゃあ2人はどうする?」
「んー、私は屋敷の工房に行きたいかな少し作れたいものがあるの」
「わかった、ミラは?」
「そうですねずっと屋敷を開けてますし屋敷の掃除をしたいと思います」
これで今日の予定は決まりか
「わかった、じゃあ今行くか?」
「そうするわ」
「お願いします」
俺はふたりを「ワープ」で屋敷まで送る
「じゃあ夜に迎えに来るから」
「よろしくね」
「ではご主人様」
俺はまた王都へと戻る
「さて、じゃあ俺は闘技場に今来ますかな」
俺はひとりで闘技場に向かっていると
「あ、お兄ちゃん!」
「お兄ちゃんです!」
闘技場にはアンとレアがいた
「おう、二人とも。いつも闘技大会見てるよな?仕事はいいのか?」
「大丈夫、大丈夫怒られるだけだから」
「怒られるだけです」
いや、それがダメなんだろうが
「ふたりは今日も試合を見るんだろう?一緒に見ないか?」
「見たい!」
「見たいです!」
「なら行こうか」
俺は二人と手を繋ぎ観客席へと向かう
「さぁさぁ皆さんお待たせしました!闘技場大会本戦ファーストラウンド後半がはじまるよ!!」
今日も今日とて司会の元気な声が響く
「今日も解説にはクイッケンに来ていただいてます」
「よろしくお願いします」
いや、あの人は執事の仕事はいいのかよ
「さぁさぁ五試合の対戦相手はAランク冒険者クラウドとこの国の英雄勇者タケトだぁ!」
ワァーーーー!!観客の歓声が上がる
そして、クラウドとタケトがやってくる
「それじゃあ準備はいいかな?試合開始ぃ!」
2人は武器を構える
クラウドは二つの剣を構える
「おぉ二刀流か」
二刀流か初めて見たな、やっぱりかっこいい
俺も重力魔法使って剣を千本くらい操って
「無限剣舞!」
とかやってみたいな
(何を馬鹿なこと言ってるんですが...)
「悪かったな、でもやってみたくはあるな」
対するタケトは一本の白い剣を構えている
なかなかの業物だな
(あぁあれは聖剣ですね)
どうやらとんでもないものみたいだな
俺は気になって鑑定をかける
聖剣フラガラッハ
んー、聞いたことある名前だな
(地球の伝説でも名前が出ますからね)
「じゃあエクスカリバーやデュランダルもあるのか?」
(えぇありますよ)
それは面白いな、いつか見てみたいものだ
俺がそんなことを考えていると戦いが始まる
クラウドが一気にタケトに接近し二つの剣で攻撃を繰り出す
「なかなかの速さだな」
クラウドの攻撃は一撃一撃は重くないが速さと技術があった
予選では実力を隠していたみたいだな
「はやい!」
「かっこいいです!」
2人もクラウドの二刀流にはまっていた
一方タケトはクラウドの瞬速の太刀を一太刀一太刀しっかり対応していた
表情を見てるあたり余裕もありそうだな
なおも激しい攻防が続く、攻防といってもクラウドが攻め続けタケトがそれを防いでるだけなんだが
「ずっと同じだね」
「同じです」
2人もその同じ攻防に少し飽きてきているらしい
ちょうどその時戦いに変化が生まれる
クラウドがこのままじゃ拉致があかないと思ったのか一旦距離をとり魔力を高めている
どうやら魔法を使うみたいだな
「「グランドハンマー」!」
突如タケトの両脇の地面が隆起し、タケトを挟もうとする
タケトはそれを跳躍で避ける
「魔法だ!」
「すごいです!」
ふたりは魔法を見て大はしゃぎだ
しかしタケトはまだ攻めないのだろうか
俺がそう思っているとタケトが魔力を高めていた
なにかやるみたいだ
「「ホーリーバースト」!」
フラガラッハから白い光線が出る
「あれはライデ〇ン!」
「ライデイ〇です?」
「いや、あれはギガ〇インだ!」
(何ふざけてるんですか)
いや、いいじゃん悪ノリしたって
ほら、アンとレアだって「ギガデ〇ン!」
ってテンション上げてるじゃん
「それにしたってあれは何魔法なんだ」
(あれはこの世界に転生された勇者のみが使える魔法ですね)
「あー、勇者魔法みたいな」
(そんな名前ではないと思いますが、そんなもんです)
ふーむ、勇者魔法か。やはりあれは〇ガデイン的なやつでいいのか
クラウドはタケトの勇者魔法を剣をクロスさせて防いでいるがそろそろ限界だろう
「ぐ、ぐ......グアッ!!」
とうとう耐えきれなくなってクラウドは光流に飲み込まれる
そして光がおさまるとクラウドは気絶して倒れたいた
「試合終了!勇者タケトの美しい魔法がクラウドを倒した!!」
ワァーーーー!!観客の歓声が上がる
「タケト様ー!」
「かっこいいー」
やはり今回も黄色声援が飛んでいる
「すごい魔法だったね!」
「かっこよかったです」
「まぁ俺はあれの100倍はかっこいい魔法が使えるがな!」
「「!!」」
(なに張り合ってるんですか...)
いや、だってねやっぱ嫌じゃん
その後も試合が続くが一番はじめの試合が一番派手だったのでその後の試合は少し味気ないものになってしまった
「はー、面白かったね!」
「面白かったです!」
「そうだなー」
俺はアンとレアと手を繋ぎながら2人を遊郭に送っていた
「カグヤお姉ちゃんにも話さないと!」
「話すです!」
「そういえば、カグヤはどうしてあの部屋から出られないんだ?」
俺はつい気になることを二人に聞いてしまった
「わからない」
「その話をするといつも悲しい顔するです」
「そうか、聞いて悪かったな」
どうやらかなり深い事情があるみたいだな
「アン!レア!」
「「ビクッ」」
突如2人を呼ぶ声がする
「レ、レイラ?」
「レイラです?」
「そうだよ、どこほっつき歩いているのよ!」
遊郭についてそうそうレイラに見つかる
アンとレアは俺の後に隠れている
「いや、すまない。俺が連れ出してたんだ許してくれないか」
「あら、アレウスさん。事情はわかりましたけど、そういうのはあまり褒められないですね」
「いや、すまない。だから俺が今から一人の客として遊郭に行くよ」
時間は夕方くらいだ、少し早いがまぁ問題ないだろう
「あら、なら私がお相手をしますね」
「あぁ頼むよ」
ふたりをかばうためにオカマにお酌を継いでもらうことになるとは
「ふふふ、別に飲むだけじゃなくて、本番のお相手をしてもいいのですよ?」
「やめてくれ、それだけは...」
本番ってなんだよ、怖すぎるだろ
俺たちは遊郭に入りレイラに席を案内された
アンとレアは途中で連行されてどこかに連れてかれた
この時間でも客は何人かいて、女性にお酒をついでもらっている、どう見てもキャバクラだ
「レイラさんが...」
「あの男はなんなんだ...」
なぜか所々で俺を妬む声が聞こえてくる
レイラは男ってことを知らないらしいな
「アレウスさん、いらないことは言わないでくださないね?」
「わ、わかってるよ」
レイラが綺麗な顔を近づけて言ってくる
男じゃなければな...
「アレウスさん、どうして2人をかばったんですか?」
レイラがお酒をつぎながら俺に聞いてくる
(あら、バレちゃってますね)
「いや、何のことだ?」
俺はとりあえずとぼけることにした
「ふふふ、そういうことにしときます」
その後もお酒を飲みながら話した
俺は初めて酒を飲んだがちょっと苦い炭酸みたいな感じだろう
しかし、大事なのはそこじゃない
レイラは話を聞くのがめちゃめちゃうまいんだ
「ほんとにいきなり侯爵だな、S級だのってこっちは結構困ってるんだよ」
「ふふふ、侯爵様なんて今日知ったわ。アレウスさんはすごいのですね」
俺はいつの間にか愚痴を言っていた
レイラは意見を言うわけでもないのにとても居心地がよかった
一つ問題があるとしたら、俺の膝の上に乗っているレイラの手をどけて欲しい
その後も俺は愚痴とか世間話を色々して
今はカグヤの話をしている
「カグヤはここ最近とても楽しそうですよ」
「それはよかったよ、楽しんでもらえてるならこっちも嬉しいよ」
俺の話を聞いてるカグヤはまるで小さな子供みたいだったのを思い出す
「あの子はここに来てからずっとあの部屋から出られませんからね」
俺は理由を聞きたかったが、どうしても聞けなかった
「アレウスさん」
レイラが姿勢を正して真剣な顔で俺を見てくる
「アレウスさん、私からは何も話しません。それでも、もしカグヤがあなたに助けを求めたらどうか力になってもらえないでしょうか
?」
その言葉にはレイラの思いが詰まっていた
「あぁ俺ができることなら何だってするよ」
「ありがとうございます」
そういってレイラがお辞儀をすると、一人の女性がこちらにやってくる
「レイラ様、少しお話が」
そして、レイラの耳元で何かを話している
レイラは驚いた顔をし、ひどく真剣な顔をしている
どうやら問題が起こったみたいだな
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