カンフーマスター
よろしくお願いします
闘技大会本戦の朝
「「眠い。」」
オレとカトレアはふたりして声をあげた
ミラはいつも通り...じゃないぞ瞳から色が消えている
「ミラ、しっかりしろ」
「はっ!」
俺がミラの肩を揺らしてミラが目覚める
俺たちは実質2日間寝ていなかった一昨日は俺の説教、そして昨日はカトレアへの謝罪だ
「二人とも寝た方がいい、今日は宿で休んだらどうだ?」
「いえ、そういうわけにはいきません」
「そうよ!アレウスを応援したいわ!」
2人がそういうならいいんだろう
「今日から本戦ね!」
「あぁもう前回みたいなミスはしないよ」
「ふふふ、あれはすごかったわね」
俺は予選でイライラのあまり殺気を飛ばしすぎて出場者をほぼ全員気絶させている
「ご主人様、本戦は魔法がありですがどうされるのですか?」
「いや、俺は今回素手だけで行こうと思ってる」
「なぜですか?」
「いや、月光とか魔法使っちゃうと相手にならないからさ」
強すぎるってのもなかなかの悩みである
「闘技場についたな、じゃあ俺は控え室に行くから」
「えぇ頑張って」
「頑張ってください」
カトレアは目をしょぼしょぼさせながら
ミラも少し眠そうにしながら俺と別れた
控え室に入ると控え室の空気は殺伐としていた、本戦出場者16人が全員ココに集まるんだ
そりゃピリピリもするだろうな
「ふぁ〜それにしても眠いな」
俺が間の抜けたあくびをしてると
「どうやら僕が最後だったみたいだね」
タケトが控え室に入ってくる
「これで全員集まりましたね。ではルール説明を始めます」
係員が本戦の説明を始める
毎試合ごとにランダムで組み合わせが決まるため、自分の出番がいつかわからないということだ
魔法は使用してよく、武器も自由ということだ
俺はいつものスタイルの内側にドラゴンの鱗のインナーを着て黒ローブ羽織る
「ーーさんとーーさんは来てください」
一試合目の組み合わせが呼ばれる
俺は少し顔を洗いたかったので水場へと向かった
「ぷはっ!」
俺は水で顔を洗い、目を覚まさせた
「眠気がやばかったな」
(アレウスさん...私もう眠いんです。アレウスさんも寝てくれないと感覚が伝わってくるので寝れないんですよ...)
「それはすまないな」
俺は自分の試合が終わったらすぐに寝ることを決意する
「ちゃんと本戦にも来てるじゃないか」
俺が控え室に戻ろうとすると
またあのイラつく声が聞こえてきた
「僕のあの戦いぶりを見て逃げないなんて大した根性じゃないか」
どうしてこうも上から目線なんだろうか
「ミラとカトレアがかかってるんだ、逃げるわけがない」
「ふっ、あのふたりは昨日の僕の戦いぶりを見て惚れたとしてもおかしくないだろうね」
こいつ本気で言ってるのか?
「そうだな、惚れた惚れた」
「軽口をたたけるのは今のうちだからね、見逃してあげるよ」
そういってタケトは言ってしまう
「はぁなんでこんなにタイミングが悪い時に来るんだ」
俺は疲れがどっと増していた
「早く俺の番来ないかな...」
そして、今日ラストの四試合目になって俺が呼ばれる
対戦相手は騎士風の男だ、まぁ鑑定するまでもないだろうな
だんだん試合会場に近づくと解説や観客の声が聞こえてくる
「さぁさぁお待ちかね!本日ラストの試合だ!組み合わせは王家騎士隊若手筆頭バジルとS級冒険者候補アレウスだ!」
ワァーーーー!!
観客の歓声が上がる
「さぁさぁ両選手の入場だ!」
俺は係員に促され試合場へとあがる
「バジル様〜」
「こっち見て〜」
「アレウス!そんな男やっちまえ!」
「顔だ!顔を潰せ!」
バジルには女の黄色の声援が、そして俺には嫉妬のこもった野郎たちの声援がとぶ
なんという格差だろうか
そんな歓声の中
「お兄ちゃーん!」
「お兄ちゃーんです!」
聞き覚えのある声が2つ
そちらの方を見るとアンとレアが手をぶんぶん振っている
その2人の横にミラとカトレアがいる
カトレアは堂々寝ているしミラは微動もしない
あれは完全に寝ているな
俺はアンとレアに手を振り返す
そしたら今度は2人の尻尾が大回転した
「なんだあれ」
俺は少し笑身をこぼしながらバジルの方を見た
「アレウスといったか、対戦前に笑っているとは余裕だな」
「昔じいさんに余裕のある男はモてるって教わったもんでね」
俺はたっぷり皮肉を込めて返す
「さぁさぁ準備はいいかい?試合開始ぃ!!」
ゴーン!!試合開始の鐘が鳴る
バジルは王道の騎士スタイル
少し大きめの剣に盾、非常にオーソドックスである
対する俺は...
「おい、どうした武器を構えないのか」
「いや、俺の武器はこれ」
俺はバジルに手をグーパーさせながら見せる
「おっと、アレウス選手は素手戦う気かぁ!剣相手に一体どうするつもりだ!」
司会の声が上がり
少しそちらを見ると、クイッケンが執事とは思えない獰猛な笑みを浮かべて俺を見ていた
あれはバトルジャンキーの目だな
「舐めた真似を!」
バジルは上段構えで俺に剣を振るう
俺はそれを半身だけずらして避ける
避けられたバジルは振り下ろした剣を切り上げてくる
俺は剣の流れに逆らわないようにスレスレのところでバク転して避ける
「なかなかやるようだな」
「どうだろうな」
「面白い、はぁっ!」
バジルが今度はスピード重視の攻撃に切り替え俺に連撃を放ってくる
俺はひとつひとつ丁寧に避ける
「ま、こんなものか」
俺はポツリとつぶやき、振るわれる剣を親指と人差し指ではさむ
「な!?」
俺が指で剣を止めたので驚いている
「く、くそ!離せ!」
バジルは俺から剣を抜こうとするが抜けない
鎧の音がカチャカチャとなる
「こ、これはすごい!アレウス選手指2本で騎士バジルの剣戟を止めたぞ!」
ワァーーーー!!
観客は興奮したかのように歓声を轟かせている
「もう終わりにするか」
俺は指に少し力を込めて
バキッ!!バジルの剣が砕ける
「な!?」
バジルは驚いてるが俺はその好きを見逃さない
俺は正拳突きを食らわせ、さらにそこから連撃を加えていく
俺の足は地面を滑るようにして動く
俺がやっているのはカンフーだ
俺の連撃はゲームのように流れるように続く
「ぐっ、あっ、くそっ、うっ」
バジルは攻撃を加えられる度に声を上げる
俺の連撃が終わるとバジルは鎧が凹み、剣は既に根元から折れていた
「く、くそっ!うぉぉぉぉ!」
バジルは盾を構えて俺に突っ込んでくる
俗に言うシールドチャージだ
俺は避けることもせず正拳突きの構えを取り
拳を打ち抜く
バキッ!!盾が砕ける音が響く
そして俺の正拳突きの衝撃がバジル本人に伝わりバジルは倒れる
「し、試合終了ぉーー!!アレウス選手の流れるような怒涛の攻撃、そして最後の強力な正拳突き、彼はほんとに何者なんだぁ!!」
司会が煽りに煽ってくる
ワァーーーー!!!!
観客が今日一番の歓声を上げる
俺はバジルに回復魔法をかけて会場をあとにし、ミラたちのところへ向かった
向かっていく途中で色々声をかけられたが
予選の時とは違う結構フレンドリーに話しかけられて俺は少し嬉しかった
「あ、お兄ちゃん!」
「お兄ちゃんです!」
ふたりが俺に気づく
「応援ありがとな」
「お兄ちゃんかっこよかった!」
「パンチすごかったです!」
ふたりは興奮したように俺に話す
気分を良くした俺は
「ふふふ、では次の試合はライ〇インを見せてやる!」
「ほんとに!」
「やるですか!」
「あーやってやろう、やってやろう」
俺が2人に悪ノリしていると
「あれ?アレウス?なんでここに?」
「はっ!私は寝ていません、全く寝ていません」
ミラとカトレアが目を覚ます
ミラさん誤魔化しても無駄だよ?
そして俺たちは闘技場でアンとレアと別れる
「お兄ちゃん今日も来てくれる?」
「来るですか?」
「あぁ行くよ、楽しみにしとけ」
「「やったー(です)!」」
そしてふたりは帰っていく
「あーあー、アレウスの試合結局見れなかったよ」
「すいません、ご主人様」
「いや、気にしなくていい。俺は今日もカグヤたちのところに顔を出すけど、2人は休んでていいよ」
「女としてはあまり行かせたくないけど
眠いから寝るわ」
「ご主人様...そろそろ私たちの相手もしてくださいね?」
そういえば最近忙しくてそういうことをしてなかった、ふふふ、闘技大会が終わったらたっぷり楽しんであげよう
(アレウスさんも寝不足でテンションおかしくなってますね)
その夜
「ライデ〇ン!!」
「「「きゃー!!」」」
今日もドラ〇エ8は大人気だった
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