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63 さて、これからどうするか

「とまあ、こんな感じの場所だったわけですが、このダンジョン、区分けするため上の施設を地下遺跡、下の地下洞窟以下の部分をダンジョンと表現しますが、これの使い道を検討したいわけです」

「そんな場所が森にあったなんて初耳にゃ、確かに利用価値は大きいにゃ」

「うちの、集落の下にそんな場所があったんですか・・・地下洞窟には何人か入ってますが、誰も地下第二層の事は知りませんでしたね。それとfake(偽物)と言うのも初めて聞きました、倒すと魔石になるんですか? 今までにそんな魔物を見たものはいませんよ」


殿下はまだしも、シュテンたち鬼族がfake(偽物)について、全く知らないとはどういうことだ? 二階層に到達していないのは仕方が無いとしても、何度かあの洞窟に入って入れはfake(偽物)に遭遇していたはずだ。


「鬼族が最後にあの洞窟エリアに入ったのはいつ頃なんだ」

「まだ、1~2年前ですよ。あの穴から下に行き一通り回ってみたものの、めぼしいものが無かったので、それを最後に地下に行かなくなったそうです」


ほんの二年程度でダンジョンが変わった?そんなことがあるのか?・・・・・・・まさか。


「すまん、一寸メールを打たせてくれ」


本文

前略、今私たちが話題にしています地下ダンジョンにつきまして、何かご存知でしょうか?

ピロンピロンピロン


本文

前回の褒賞を中々選んでいただけないようですので、こちらでサンプルを提示させていただきました。以前からありました一階層に手を加えて、二階層以降を増設させていただきました。ご利用いただいた上で、早急に褒賞2品をお選びください。

サンプルにつきましては、今後も継続してご利用いただけますので、安心して存分にご利用ください。


なるほど、謎はすべて解けた。


「・・・・・・あ~さっきのダンジョンですが、神様の介入があったようです。詳細説明は省きますが、自由に使えとのことです」

「神様ですか? では鬼族としては、ケント様に全権をお譲りいたします。元々、私たちが認識していた部分以外は、神様からケント様への贈り物なのでしょう。ならば私たちに主張できる権利などありません」

「良いのか? 鬼族の集落の真下にあると思ったから、今日は来てもらったが、鬼族はうちの国に属したわけじゃないんだから、そちらか権利を主張されるなら、俺たちは借地なり権利の買取なりさせてもらうが」

「いえ、むしろここで権利を主張するのは神のご意思に逆らうようなものでしょうから、主張するつもりはありません。ですが、まあ、うちとしては、その辺りをご配慮いただけるのであれば、嬉しい限りです」

「にゃらば、折角のダンジョンにゃ、移住を希望する種族に土地を分けてもらえるにゃら、村を作らせてもらえにゃいかにゃ」

「あ、それなんですが、あのダンジョンとは別に、提示された褒賞から2品を選べと言われまして、折角なので敷地拡張と店の産物を生み出すダンジョンをいただこうと思います」

「それはどういうものです?」

「敷地拡張は街の人口に応じて、店と同じ効果が付与される土地が増えるんだ。まあ、その敷地内であればゴミ箱効果が利用できるとか、道が修復されるとかかな。所有権を委譲した家はたぶん従来通りだと思う。建前として、俺の所有物を借りているという賃貸契約でもすれば、結界がつくかもしれない。後はいざと言う時、拡張した敷地ごと送還が可能なので、この褒賞を得ておけば、戦争になった時に店だけでなく街をごと引っ越すことも可能になる」

「いいな、それ。ゲートを利用すれば一瞬で、街を別の大陸に持っていく事もできるってことだろ? それを選んでもらえるなら、街に住むものとしては絶対的な安心が得られるんじゃないか」


モーブが賛同の意を表してくれる。基本俺の褒賞なので何を選ぶのも俺の自由なわけだけど、選んだ結果が街にプラスになることを言ってもらえるのは、態々この場で言ったかいがあるな。


「まあ、一応引越しは保険だけどな。問題なくここに住み続けられればそれで良いんだが、例の宗教のことがあるから保険があれば、俺も安心なんだよ」

「おぬしが作れるダンジョンと言うのは? いや、それ以前に褒賞とは何じゃ」


ドルトンから褒賞のダンジョンについて尋ねられるが、これは俺にもよく分からないんだよな。というか、褒賞について説明しなかったけか?


「褒賞については説明しなかったか?」

「いや聞いておらんぞ。まあお主個人に与えられるものなら、ワシらが口出しすることではないが」

「じゃあこの場で説明しよう」


自身のステータスアップ

店舗機能の強化:食品生活雑貨店併設。

店舗機能の強化:衣料品店併設。

店舗機能の強化:店舗外領有権の設定(店舗能力の及ぶ範囲の増大 人口×100㎡)

店舗機能の強化:商品の補充設定機能追加。

人造ダンジョン(永続)。ダンジョン内で指定した店舗商品を産出します。

トールハンマー使用権(一回)


「以上7項目だな」

「最後は、なんですか」

「俺のいた世界にいる神様の一人でトール神と言われる方の使う槌の俗称だな。伝説では殆どの生物を一撃で屠り、大陸をぐるりとその体で囲うことの出来る巨大な蛇を三度の攻撃で倒したが、トール様は毒を受け合い打ちになったとされている」

「何ですか、その化け物は!巨大とか言う次元じゃありませんよ」

「まあ、他の神と巨人族と間に生まれた、蛇の姿をした神子だからな。邪神とかそんな感じのあれな超生物か?」

「そんな化け物を倒せる武器の使用権ですか?流石にそれは過ぎた力ではありませんか」

「うん。だから俺もこれは無いと思ってる。地上のどの国家にしてもどんな生物にしても、使うには大き過ぎる力だよ。他の項目についても、努力で何とかなるものは必要ないし、消去法で“店舗外領有権の設定”と“人造ダンジョン”かなって考えてた」

「ステータスはそのままで良いのか?」

「例えば、俺のステータス数値が2倍になっても、モーブより速く動けて力が同等になるだけだぞ。俺がどこかの国に仕えていて、立身出世を考えているなら兎も角だ、俺が少し強くなったぐらいじゃこの先、国の問題は何一つ解決しないだろ、だからステータスアップは不要だ。ついでに言えば魔力は10倍になっても0.01だぞ、何の足しにもならねえ」

「まあ確かにその通りじゃな。むしろゴーレム捕獲では魔力が無くて助かったと思えるしな」

「まあな。無ければ無いで一週回って逆に何かしらメリットがあるもんなんだよ」

「それで、ダンジョンはどこに作るんじゃ」

「一応この街の真下というか店の下に作る予定だ。サンプルがアレだからたぶん地下に地上のような空間を作れるんじゃないかな」

「移住はどちらにするにゃ?」

「俺のダンジョンですね。同じダンジョンでもフロアごとにカスタマイズできるなら、冒険者も入れるかもしれませんが、俺のダンジョンにはこの街の複製を作ろうと思います。敵が来た場合などの緊急事態に、戦えない国民が全て収容できて、不自由ない暮らしが出来る避難用の町です。人を避けたい種族は、最初からそこに住んでもらいます。ただし国民に人間がいる事は理解してもらいます。そして今あるダンジョンに冒険者を入れるために、ケット・シーと鬼族の協力をお願いしたい」

「なにするにゃ?」

「具体的には何をすれば良いのです?」


「南町でのゲートの管理をケット・シーに、地下の管理を鬼族に、お願いしたいと考えています」

「南町から入るにゃか、この街に来るのとは分けるにゃか」


殿下が何で~と言う顔で小首をかしげ見つめてくる。く、かわいい。無駄に猫好きの理性が試されている気がする。


「冒険者が出入りすれば治安が悪化する恐れがありますから、ケット・シー王国に入れない方が良いかと思います。人員が足りないようなら、別の手を考えますが」

「ユニットハウスを貸してもらえれば、少数で対応できるにゃ」

「譲渡すると結界がなくなるので、貸し出しということですね、それは問題ないですが、利用には少し制限があります。地下施設にも同様にユニットを配置します。それから鬼族には魔石の買取と、携帯食や便利な道具の販売に宿泊・医療施設の運営もお願いしたい」

「お館様、便利な道具とは店の商品のことですか?」

「ああ、俺の店で販売している、この世界に無い道具を魔石と引き換えに販売しようと思う。殿下、今魔石の価値はどうなっていますか」

「高いには高いにゃけど、買い手が少ないにゃ。売れ無すぎて安く買い叩いて在庫を抱える店も少ないにゃ。だから売れないか、運よく高値で売れるか両極端にゃ」

「俺も聞いたことありますよ、魔石の注文が入って何組かの冒険者が魔石をとりに行って、数が集まりすぎて値崩れした結果、売買が成立しなかったとか。最初に持ってこられた魔石を買おうとしたら、二番手、三番手が続々値引きして、買取側も安く買えるならと、どんどん値下げに乗っかって、結局喧嘩になって取引成立せず。その後に再度依頼しても、今度は誰も魔石を売ろうとしないという、馬鹿なことがあったそうです。以来魔石取引は、必要な時に冒険者に指名依頼する形になったとか。まあそれ以降はそれなりの値段で、安定しているようです」


うんうん。その情報は、俺にしてみれば正に我が意を得たり、なのだよ。


「そこで、俺の店です。魔石を対価に、珍しい道具が買える。自分で使うもよし、外に持っていって売るもよし。或いは魔石を外の通貨で買い取って持ちこんでも良い。もちろん何個あっても事前に提示した値段を、その場で値切って下げるようなことはしない」

「冒険者がつりあげを狙った場合は?」

「買わない。品質によって値段が変わることがあっても、供給量では値段を変えないし、売り手の都合で値段を変えたりもしない。そりゃ、将来的に魔道具が、子供のお小遣いで買えるようになったら、見直す必要あるけど、当分の間は買い取り価格を変えない。そうなれば冒険者も人生設計というか、働けるうちは日々どれだけ稼げるって感じで、ダンジョンに興味を持つだろ、そしてダンジョンに出入りする冒険者で、問題あるやつらを出入り禁止にしたりすれば、冒険の素行も良くなると思わないか」

「なるほど、俺はそれでいいと思う。それで、俺に何かできる事はあるか」

「おう、モーブにはダンジョンの宣伝を頼みたい。ヨルンと・・・(黒足とレオノールは目立つしエルフは尚更だな、となれば・・・)ドワーフで、冒険者向きの者がいたら紹介してくれ」

「何をするんじゃ」

「南町、人間の街で冒険者のふりをしてもらう」

「「「ふり?」」」

「内容は後でもう一度打ち合わせよう。残る役割分担などだが、ドルトンはミスリルの武器を増産してくれ。それとミスリル以外で、もう少し性能が落ちる剣は作れないか」

「性能の落ちる剣?何じゃそれは、何でわざわざそんな物を作らにゃならんのじゃ」

「一般販売用だよ。今使っているミスリルは銀100%に近いが、これを朧銀おぼろぎんと言う銅と銀を75:25の比率で混ぜた銅ベースの、銀合金を使ってミスリルのような剣を打ってくれ。当然ミスリルほど丈夫じゃないだろうが、材料が集めやすくなるし、俺たちにとって脅威で無い程度に良い剣を売って、冒険者を強化したい。ダンジョンは結構厄介な敵もいたから、人死にを少なくするためには必要なんだ。試作品ができたら、地下の動く石像辺りで試す。これは、大衆向けの安価な剣を、ミスリルに近づける挑戦だ」

「ふむ、縛りプレイと言うやつじゃの。限定された難しい条件の下で、誰もが驚く良い物を打てるというのが、一流の鍛治職人たる技の見せ所じゃの」

「むうう・・・く、騙されとる気もするが、乗ってやる。つまらん剣なんぞ打ちたくないと言いたいところじゃが、粗悪な材料で良い物を打てと言う注文なら、それも良かろう。一流として名に恥じぬ剣を打ってやる」


長老、ナイスアシストだ。切れ味や強度などは、ミスリルより明らかに劣るだろうから、以前のドルトンなら嫌がったかもしれない。


「ありがとう。ついでに他の合金の資料も出すから、今後の鍛治に生かしてくれ。それと、トロールを倒したんだが、皮の加工をブライアンに頼みたいので伝えておいてくれ」

「分かった」


次回10月7日っす。


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