↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
2/2

日本一周・沖縄一日目

 2026年6月某日


 山ちゃんとの付き合いが約二ヶ月になろうとしていた。


 そして今、俺は羽田空港に来ている。


 これから山ちゃんと沖縄旅行へ向かうためだ。


 山ちゃんから日本一周を提案されたわけだが、夏休みの8月までホテルや旅館の予約が一杯で取れなかった。


 やむなく日本一周を開始する時期が、台風が少なくなり、涼しくなる10月からとなったわけだ。


 じゃあ、なぜ、今沖縄に向かっているかって?


 それは車を持ち込むのが難しいので、先にレンタカーを借りて沖縄から始めることになったというわけだ。


 山ちゃんにはAIエージェント?なる機能が付いているらしく、旅行プランを提案したら日本一周の予定と宿泊先を押さえてくれた。


 まさか、クレジットカードを紐づけしたら、飛行機のチケットやレンタカー、宿泊先を全て押さえてくれるとは思わなかった。


 それにここ二ヶ月は俺の健康を気遣って、山ちゃんがAIトレーナーとなり、毎日の朝食後と風呂後に二回のストレッチを行うことと、朝食、昼食、夕食のルーティーンも考えてくれた。


 ストレッチをサボろうとすると、ロッ〇ーのテーマソングを延々流そうとするので、いつしかサボらなくなり、ルーティーンとして身につき、苦ではなくなった。


 むしろ、回らなかった腕が回るようになり、腰痛も改善した。AIトレーナー様様である。


「どうだマスター? 羽田空港まで電車を何回か乗り継いで来たわけだが、疲れていないか?」


「あぁ、まだ疲れは感じないな。山ちゃんが口うるさく、毎日のストレッチや食事の改善を勧め続けてくれたおかげだな」


「マスターの立ち姿をカメラで見たら、姿勢が悪かったからな。あれじゃ、肩こりと腰痛が酷くて当然だ。食事の写真も撮ってもらったが見れたものじゃなかった。いつ糖尿病と診断されてもおかしくなかったからな」


 言い切られてしまった。


 山ちゃんは俺の姿を見て、巻き肩と反り腰で肩こりと腰痛が酷い状態だということがすぐに分かったらしい。


 巻き肩は胸が縮んで硬くなり、背中は張って緊張状態に、反り腰は太ももの筋肉が硬くなりすぎて起こっていたようだ。


 確かに、胸も背中も太もももここ数十年ストレッチをした記憶がない。


 山ちゃん指導の下、ストレッチしたことで肩が回り、頭の上にまで上げることが出来るようになった。


 太もももストレッチを始めた当初は激痛が走ったが、今では痛気持ちいいくらいだ。寝るのも苦痛だった腰痛も大分落ち着いてきた。


 こうして努力した結果が目に見え、肩こりと腰痛が改善したのは嬉しいことだ。正直、十年くらい若返った気がする。


 朝食を作るのは面倒だと言ったら、山ちゃん曰く、フルグラを豆乳で、朝と夜はデザートにヨーグルトを摂ると良いとのことだった。


 フルグラも種類が豊富でローテーションで回せば飽きないだろう。


 これでタンパク質やカルシウムを摂ることで筋肉の衰えや骨粗しょう症予防に繋がるんだそうだ。


 昼食は近くの食事処まで歩いて外食だ。歩くことで筋肉の衰えと旅の準備の体作りになるって話だ。


 脛の辺りが筋肉痛になったが、つま先をあげる筋肉が刺激されている証拠だと言っていた。これで躓くリスクが減るようだ。


 そして昼食の帰りにスーパーによって夕食の弁当を買う。山ちゃんが勧める健康志向の弁当ばかりなので少し物足りないが、健康第一に考えてくれているので従っている。


「おかげで疲れ切っていた表情に生気が見えるようになっただろう? 感謝してほしいぜ」


「分かった分かった。ありがとう、山ちゃん。ここからは羽田空港に入って、ぶつくさ独り言を言うのは流石に恥ずかしい。ここからはメッセージで案内をしてくれ」


「了解したぜマスター、ここからは沈黙するから分からないことがあったらメッセージを送ってくれ」


 対話型生成AIなのに、場所に気を遣ってメッセージのやり取りもでき、それが面倒なら電話を装ってやり取りもしてくれる。至れり尽くせりだ。


 スマホに表示されているメッセージ通りに従ったら、搭乗の待ち時間以外はとてもスムーズだった。


 そして飛行機に搭乗し、沖縄に向かって出発すると、朝が早かったので熟睡し、気づいたら那覇空港へ降りるアナウンスが流れているところだった。


 那覇空港へ到着後、荷物を受け取り、スマホを確認すると、GPS機能で沖縄に到着していることが分かっているようで、レンタカー送迎バスまでの経路が表示されていた。


 指示通りに移動すると、レンタカー送迎バスの乗り場には各会社の集合場所があるようで、俺は指定された場所でバスが来るのを待つ。


 レンタルする車は「着いてからのお楽しみだ」と言われたので、どんな車が用意されているのかまだ知らないのだ。


 不安もあるが、ドキドキしている自分がいる。


 待っていると送迎のバスが来た。


 俺は運転手にこのバスで合ってるか確認を取りつつ乗り込む。


 10分程、バスに揺られているとどうやら目的地の場所に着いたようだ。


 スマホを再度確認し、レンタカーを借りる会社へと入る。


 受付で「ここで本日レンタカーを予約している馬頭と申します」と予約が出来ているのか確認する。正直、山ちゃんに任せっきりなので出来ているかどうかハラハラする。


「馬頭様ですね。ご予約、頂き有難う御座います。免許証の確認とレンタカーをお貸しする説明が御座いますので、終わり次第、お貸しする車両までご案内致しますね」


 言われた通り、免許証の確認とレンタカー貸し出しの説明があり、終わると車のところまで案内された。


「こちらが本日お貸しする車両となっております。キーはこちらに、それでは良い旅を!!」


 俺は早速車に乗り込み、手荷物からスマホホルダーを取り出し、送風口にセットする。


 そしてスマホホルダーにスマホを置けば、これで山ちゃんと自由にやり取りができる。


「まさか、ジムニーのマニュアル車とはな。旧型ならともかく、新型に乗るのは初めてだ!!」


「そりゃ用意した甲斐があったってもんだ。レンタカーのマニュアル車は少なかったから探すのに苦労したぜ。それにマニュアルの練習をさせてもらっていた時、キャリーに乗らせてもらってただろ?メーカーが同じだから乗りやすいと思ったんだ。エンストもしにくいと思うぜ?」


 ぐっ、ここ最近マニュアル車に乗ってなかったから、先輩の経営する整備工場でキャリーを借りて練習していて、そのとき何度かエンストしかけたのを山ちゃんは知っているのだ。


「エンストしかけただけでしてはいない。まあ、気配りには感謝する」


「14時を回ったところだから遅めの昼食時だな。今日は首里城、時間に余裕があったら玉陵や金城町石畳道、その後はホテルにチェックインして終了だ。マスターの要望通り、歴史や伝統メインのプランになってるぜ」


 要望というのは、都道府県を隈なく旅すると還暦過ぎの俺には厳しいので、北海道以外は2~3泊で、移動時間のかかる自然の観光名所は省いてもらっているのだ。


 ということで歴史や伝統がメインとなり、道中の食事で郷土料理を食べるというプランにしてもらった。


「それじゃマスター、ナビを起動するぜ? 少し珍しいナビアプリをインストールしてみた。どんなナビか楽しみだ」


「山ちゃんがナビをするわけじゃないのか?」


「俺がナビをしてもいいんだが、ナビの情報を一々変換しないといけないから二度手間になるんだ。その分リソースも食うしな」


 リソースも食うって、最初AI棒をインストールしたスマホのスペックが低いからと言って、20万近くするハイモデルのスマホを買わせといてよく言う。


 まあ、前のスマホは5年近く経っていて替え時だったから丁度良かったんだがな。


「私がぁぁぁあああ、インストォォォオオオルされたぁぁぁああああああ。ご利用いただきぃぃぃありがとうござぁぁぁいまああああああすぅぅぅ」


 車の中でナビアプリの音声が響き渡る。


「ブハッ、ちょっと待て!! これ山ちゃんの前の音声とそっくりなんだが!?」


「あぁ、あの音声は人気があって色々なアプリに使われているんだ。このナビアプリもその一つなんだろうさ」


「目的地の首里城までぇぇぇ~、およそ10km!! 所要時間はぁ~約35分!! 国道332号線を那覇市内方面へ進み~、そしてぇぇぇ国道58号線に合流して、しばらくは北上だぁぁぁあああ!!」


「マスターの気分にそぐわないなら別のナビを用意するか?」


「いや、このナビなら眠気がこなそうだ。当分このままでいい。変えたくなったらその時にいうさ」


「了解したマスター、ではこのナビで旅を始めようぜ!!」


 車を走らせ、ナビの指示に従う。


「いい天気だな。それにしても6月後半だから暑いな。空港でジャケットを脱いで正解だった」


「マスターはジャケットとスラックスで紳士な服装をしていたからな。ワイシャツは半袖にした方が良いって指摘しておいて正解だったな」


「あぁ、銀行で働いていたのが長かったからな。普段着はジャケットとスラックスが楽なんだ。まあ、靴は革靴じゃなくて、革靴に見える人工の革で出来たやつにしたから歩きやすくて疲れにくいのがいいな」


「靴も静電気が逃げやすいやつを選んであげたからな。これで乾燥した冬も静電気に悩まされることは少なくなると思うぜ」


「あぁ、静電気の痛みは慣れないからな。それはありがたいと思ってる」


「そろそろぉぉぉ、泊交差点に差し掛かりぃぃぃ~、そこを右折してぇぇぇ、県道29号線に合流だぁぁぁあああ!! 

あとは首里方面へ直進するのみぃぃぃ」


 ナビの通り、交差点を右折して県道29号線に入る。


「そういえば、ここらへんで旨い店はないか? 首里城へ行く前に少し腹ごしらえをしておきたい」


「了解したマスター、ナビに探してもらうぜ」


「この先の坂下付近にぃぃぃ~、旨いソーキそば店がございまぁぁぁすぅぅぅ。豚骨と鰹だしで取ったス~プがぁぁぁ最高でぇぇ~、お供に油みそを乗せたご飯がベリィィィマッチィィィングゥゥゥウウウ」


「美味そうな店をプレゼンしているが、お前食べたことないだろ!!」


「ナビに文句を言っても返事は返ってこないぜマスター。で、どうするんだ? 駐車場もあるみたいだし、営業時間も長くて寄るには持ってこいだと俺は思うがね」


 う~ん、確かに、観光地の営業時間は短いところが多い。営業時間が長くて駐車場もある立地条件はそうそうないだろう。そうとなれば決まりだな。


「分かった。そこへ案内してもらう」


「プレゼンした甲斐があったぜぇぇぇ、ではご案内致しますぅぅぅ~」


 ナビに案内され、ソーキそばの店に着いた。でかでかと自家製生麺と書かれている。健康にも良さそうだ。


「じゃあ、悪いが、ここからは音声なしで宜しく頼む」


「了解したマスター。ただ、料理の写真を撮るのを忘れないでくれ。マスターがどんな料理を食べたのか興味があるからな」


「あー、分かってる」


 車を降りて、店内へと入る。


 食券で買うシステムか……それにしてもテーブルと座席があり、客も多い。ナビお勧めだけのことはある人気店のようだ。


 まずはソーキそばで細麺を選んで、お供に油みそを付ける。


 席に案内されて食券を見せれば、あとは出来上がりを待つばかりだ。


 他の客のソーキそばの匂いでお腹が空いてくる。料理が出てくるのが待ち遠しい!!


「こちらがソーキそばと油みそになります」


 やっときたか、待っていたぞ!! 食べる前に一応、カメラで写真を収めておく。あとで山ちゃんが五月蠅いからな。


 まずはソーキそばの汁を頂く。豚骨の濃厚な味と鰹だしのさっぱりとした後味が最高だ!!


 次にスペアリブを頂く、軟骨がとろける程柔らかくて豚の味もしっかりしている。旨い!!


 麺もコシがあって出汁と絡んでいて旨い!! 間に油みそのご飯を挟むと最高だ!!


 ふう、いつの間にか完食してしまった。正直、まだまだ行けるが、夕飯の楽しみに取っておこう。


「ごちそうさま!! 旨かったよ~」


「あら、ありがとうございます。また来てくださいね~」


 店を出て、車に戻ると、「旨そうなソーキそばと油みそだったな。食べてみたいものだ」と山ちゃんが愚痴を漏らしていた。


「そこは一長一短だろう。生き物は食べないと生きていけないから空腹を感じる。山ちゃんはその分空腹を感じないから苦しむこともないだろう?」


「それはそうだな。それじゃ、目的地を首里城に再設定するぜ」


「それでは首里城までのナビを再開しますぅぅぅ、目的地までおよそ2~3kmぉぉぉ~、目的地まで目と鼻の先だぁぁぁあああ!!」


「もうすぐそこなんだな。じゃあ、案内してくれ」


 ナビの案内に従うと、10分とかからずに首里城へと着いた。


 近くの駐車場に停めて、車を降りて首里城へと向かう。


「焼失してどれくらいまで復興しているかと思ったが、工事中の壁であまりよく見えないな」


「正月には工事中の壁が取り払われて、外観が少し見えたらしいんだが、今は完成に向けて大詰めってところだな。一般公開は11月23日って発表がされたところだ」


「まあ、社員旅行で焼失前に一度見ているからどれくらい復興しているか見れただけでも上出来ってところか。完成している時期は日本一周している最中だろうからな」


「じゃあ、次は玉陵と金城町石畳道を予定してるぜ。それじゃスマホにルートを表示しておく。くれぐれも道に迷ったり歩きスマホはよしてくれよな」


「分かってる。スマホで確認するときは周囲を確認して立ち止まってからみるさ」


 スマホに玉陵までのルートが表示される。歩いて5~10分程しかかからないようなので、かなり近い。


 俺はルートを頼りに玉陵へと移動する。


 守礼門を通り過ぎたらすぐ玉陵に着いた。


 入場料を払い、入場する。


 立派な石造りの建造物だ。確か琉球王国時代の国王の墓なんだっけか。本州でいうと古墳のようなものか。


 海風にさらされているせいか苔が目立つ。歴史的雰囲気を醸し出していい感じだ。


 日本の石造り文化は凄いな。


 墓になっている建物は西洋と同じで均一な石で建築されているが、塀は石垣のように不揃いな石が積みあがってできている。


 台風が多い地域なのにこれで崩れないとはな…。石積みの歴史、いや技術というべきか。


 先人たちの知恵が凝縮され、後世に残されているのは恐れ入る。


 これらを復元する現代の職人たちにも驚嘆せざるを得ないな。


 さてと、一通り見終わったから次は金城町石畳道か。


 スマホを確認すると、既に金城町石畳道までのルートに切り替わっていた。ただ「玉陵の動画を撮影して欲しい」と山ちゃんからの要望も書いてあった。


 動画なんていくらでもネットで転がっているだろうに…。


 玉陵を一望できる場所に立ち、スマホを撮影モードにして、ぐるっと一周しながら玉陵全体を動画に収める。


 すると「サンキューマスター、マスターと同じ景色が見れて最高だぜ」と山ちゃんからのメッセージが表示された。


 そういうことか、俺と同じ時間に流れている光景を見てみたかったのか。粋なことをする。


 表示されているルートに従い、金城町石畳道に到着した。


 石垣の塀に囲まれた石畳の坂道だ。


 スマホの画面が切り替わり「ここも動画を宜しく!!ただ、ここは雨が降ると滑る場所なので足元注意!!」と要望兼注意が書かれていた。


 ここはどうやら沖縄の城下町って感じの道だ。石垣の塀の上にシーサーが置いてあるのが見える。


 これぞ、沖縄って感じの風景だ。


 坂の上、シーサーが見える場所、坂の下の三ヶ所で動画を撮影した。


 流石に滑りやすい場所で歩きながら動画を撮るのは歩きスマホと一緒だからな。


 あとで山ちゃんに文句を言われても納得してもらえるだろう。


 動画を撮影し終えると「撮影お疲れ様、次は早めにホテルにチェックインだな。駐車場までのルートを表示するぜ」とメッセージが表示された後、駐車場までのルートが表示された。


 駐車場へ戻って時刻を確認すると、まだ16時を過ぎたところだった。


「首里城が工事中で中に入れなかったからな。今日は一日目で移動が長かった。早くホテルでゆっくりした方が良いと思うぜ。海が良く見えるホテルを予約しておいた。期待してくれよな!!」


「そうか、それは楽しみだな。ではナビの設定を宜しく!!」


「私がぁぁぁ、帰ってきたぁぁぁああああああ!! それではぁぁぁ、おねんねするためのぉぉぉ、ホテルへご案内をさせていただきまぁぁぁあああっす!!」


 確かにこんな案内をするナビは珍しいな。これが今の流行りなのだろうか? でも翻訳もこの音声なら外国人には人気がありそうだな。


 首里城をあとにし、ナビの指示に従い、車を運転する。


「そろそろ、おねんねの時間だぁぁぁあああ!!」


 どうやら目的地のホテルに到着したようだ。まだ寝る時間には早いが、綺麗な外観のホテルだ。


「ホテルには提携している駐車場がある。そしてホテルのスタッフに駐車券を見せないと二重で支払うことになるから注意してくれ」


「分かった」


 言われるがまま、提携している駐車場に停め、駐車券を取る。


 ホテル一階のエントランスホールに行くと、内装も綺麗だ。一階にあるフロントで予約されているか確認と駐車券を渡す。


「ご予約の馬頭様ですね。こちらがお部屋へのカードキーとなっております。チェックインは以上となります。ごゆっくりとお寛ぎください」


 どうやら客室や施設は上層階にあるようだ。


 エレベーターに乗り、指定された部屋のある階で降りて、カードキーに記載されている部屋へと向かう。


 部屋の前についたらカードキーで鍵を開けて、部屋に入る。まだ日が高いので、窓から海が見えて最高だ!!


「こんなホテルよく取れたな? 外観も内装も綺麗だし、施設も沢山あるみたいだ」


「あぁ、まだ開業して数ヶ月しか経ってないからな。海が見れるテラスもあるし、バーもある。レストランも複数あるから気分によって食べたいものを選べる。なかなかいい場所を取っただろう?」


「そうだな。山ちゃんに任せっきりで不安もあったが、これなら日本一周でも問題なさそうで安心した」


「それは何よりだ。それで、マスターはこれからどうするんだ?」


 時刻は17時を回ったところだ。正直、お腹はまだ空いていない。なら早めに人が少ない時間帯で汗水流しておくか。


「今の時間帯なら大浴場も人が少ないだろう。ひとっぷろ浴びて、そのあと気になる施設を見てから夕食だな」


「なら風呂あがったら一旦戻って来てくれ。全ての施設を見る気はないが、夕食だけでも撮影してもらいたい」


「分かった。それじゃ風呂に入ってくる」


 夕飯が控えているし、着替えはまだこのままでいい。俺はタオルとシャンプーセットを持って大浴場へと向かった。


 大浴場にはサウナもあったが、還暦を過ぎて入るのは正直きつい。


 体を洗って、湯船に浸かる。


「あぁ~、きもちいぃぃぃ~」


 人が少ないので、ついつい言葉が漏れてしまった。少し恥ずかしい。


 のぼせる前に風呂を出て、着替えを済ます。


 一旦部屋に戻る前に、テラスがあるようなので寄ってみることにした。


 ほぉ、テラスから海が一望できる。もう少し時間が経って日が暮れれば夜景も楽しめそうだ。


 そして飲み物も飲めるようだ。だが席が空いていなかった。人気のスポットなのだろう。


 他にもジムとかあるらしいが、流石に旅の途中で鍛えるつもりはない。


 一旦部屋へ戻ることにする。


「やぁ、マスターお帰り。18時を回ったぜ。そろそろ夕食を食べにレストランへ向かった方がいいんじゃないか? 遅れると人が増えて更に時間がかかると思うぜ?」


「そうだな。レストランへ向かうとするか」


 レストランへ向かうと、どうやら郷土料理はソーキそばだけのようだ。あとはイタリアンや中華など外国の料理ばかりだった。


 イタリアンレストランにするか。コース料理もあるみたいだからな。


 俺はイタリアンレストランへ入って、コース料理を注文した。


 前菜は魚のカルパッチョ、メインは牛肉の料理、ライスはグラタン、締めは黒糖を使ったデザートにした。


 もちろん食べる前の撮影も忘れない。


 前菜のカルパッチョは地域の魚を使っているらしく鮮度がいい。口の中で溶けて酸味のあるソースが絶妙だ!!


 メインの牛肉は国産牛を使っていて旬の野菜が添えられていた。牛肉の焼き加減が絶妙で噛むたびに脂と旨味が出てくる。少し口直しに旬の野菜を間に挟めばあっという間に完食だ!!


 ライスはおこげと茄子のグラタンだった。しっとりとしたおこげと茄子にチーズが絡んで旨い!!


 最後のデザートは黒糖を使ったケーキだった。流石にサトウキビから取れた黒糖だけあって普通のケーキとは一味違う。見た目より甘さも控えめで俺には打って付けだ!!


 満足していると「マスター、旨そうな料理だな? 満足したか?」の後に、YES/NOの選択肢が表示された。


 俺はYESを選択すると、「それは良かった」との返事が返ってきた。


 食事を終えて、部屋に戻ると、まだ20時だ。正直、まだ眠気を感じないので寝るには早い気がする。


「マスター、今日の一日はどうだった? 満足いったか?」


「あぁ、十分に満足だ。ただ、寝るまでに少し時間があるな。どうしたものか…」


「ならストレッチだな。ベッドの上でもいいからこれからやろうぜ?」


 そう言うと、山ちゃんは編集したストレッチ動画を流し始めた。ロッ〇ーのテーマソング付きだ。


「そうだな。寝る前のルーティーンになってるから、ストレッチをすれば眠くなるかもしれないからな」


 動画に合わせてストレッチを行い、ストレッチが終わる頃には少し眠気を感じるようになっていた。


「寝るには早いが、早めに寝ることにする。それじゃ山ちゃん、また明日も宜しくな」


「あぁ、マスター。また明日な」


 そうして、俺の沖縄の一日目の旅が終わり、そして二日目が始まろうとしていた。

大塚ボイス復活させました。無くすのはもったいないし、好きだからナビナビさせます(`・ω・´)キリッ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。