↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アルヴァン民族記  作者: 佐藤湊
1/11

プロローグ

アルヴァン民族には、国がなかった。


アルヴァンの民は広大な森に暮らし、三つの大部族と三十五の小部族が互いに支え合いながら生きていた。


六万人を超える民。


豊かな森。


狩猟によって成り立つ生活。


彼らは、自分たちの暮らしがいつまでも続くと思っていた。


――その日が来るまでは。


大森林の東。


無数の軍勢が、ゆっくりと森へ進み始めていた。


________________________________________


「首長!ダルリア族の本拠地であるダルリア砦が陥落!既に帝国軍はカレド族の支配領域に侵入しました!」


静まり返った木造の毛皮や剥製によって装飾が施された広間で、伝令のその悲痛な叫びが響いた。


「もはやこれまでか....」


その静まり返った広間でアルヴァン族首長ブライアン・カレドの言葉がポツリと水たまりを揺らすように響く。

そしてブライアンは命を下す。


「フィオナとリースにブレナンとドーナルをつけて逃がせ!」


そして彼は大族長コルマックに視線を向けまた口を開く。


「コルマック。お前の軍を好きなだけリースにつけるといい。お前の息子だ。うまくやってくれるだろう。」


「っは」


コルマックが答える。そしてブライアンはほかの族長たちに向かって叫んだ。


「者ども!アルヴァンの意地を見せてやるぞ!迎撃準備だ!」


その命令と共に広間にいた者たちは動き出す。


誰もいなくなった広間に1人ブライアンが残り、彼は切実な願いをこぼす。


「リース。フィオナとアルヴァンを頼んだぞ」


その声はどこにも行くでもなく、


ただただ空気に溶けていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。