表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
95/102

第92話:深淵の入り口――神の「プレミアム更新」と、高鳴るテイマーの鼓動

### 第92話:深淵の入り口――神の「プレミアム更新」と、高鳴るテイマーの鼓動

銀河の端、光すらも歪んで吸い込まれる虚無の領域――**『深淵の特異点アビス・シンギュラリティ』**。

白銀の『アストラル・クルーザー・マキナ』は、第二艦隊とのリンクを確立し、ついに世界の「設計図」が剥き出しになった最終領域へとその機首を向けた。

艦橋のメインモニターに映し出されるのは、星空ではなく、万華鏡のように揺らめく次元の断層。そこは、物理法則が崩壊し、魔法の理すら書き換えられる「神話のゴミ捨て場」であり、「可能性の揺り籠」でもあった。

#### 1. 神からの「超絶」アップデート

「マスター。深淵の境界線イベント・ホライゾンを通過。……直後、全知の図鑑のデータベースに、神界からの直接的な『割り込み更新(強制プッシュ)』を検知しました」

メテオの電子音声が響くと同時に、作戦室の円卓にアルトワール神とアイゼル神が、ホログラムではなく実体に近い濃度で降臨した。

『カッカッカッ! リオンよ、ついに来たな! ここから先は「普通」の魔物など一匹もおらん。神の書庫にさえ名前がない、超絶レアな奴らのオンパレードだぞ!』

アルトワールが、まるで新作ゲームの発売を祝う子供のように目を輝かせて、リオンの図鑑にデータを流し込む。

『アルトワール、はしゃぎすぎですわ。……ですがリオン、彼の言う通り、ここにいるのは世界のシステムから零れ落ちた「原始の力」そのもの。手懐けるのは至難ですが、もし仲間にできれば……貴方の箱庭は文字通り「世界の縮図」となるでしょう』

#### 2. 深淵のAランク以上:未知の生態系リスト

アイゼルが指を鳴らすと、円卓の上に浮かぶホログラムが、見たこともない禍々しくも美しい三体のシルエットを映し出した。

| ランク | 種族名 | 特徴・ディテール | 転生者たちの反応 |

|---|---|---|---|

| **A+** | ** 刻を啜る粘体(クロノ・スライム)** | 透明な体内に無数の「時計の歯車」が浮遊するスライム。周囲数メートルの**時間の流れを自由に変える**能力を持つ。 |

| **S** | ** 虚無を泳ぐ星喰大蛇ヴォイド・ヨルムンガンド** | 鱗の一枚一枚が「ブラックホール」で構成された漆黒の大蛇。宇宙の**負のエネルギー(バグ)を主食**とする深淵の清掃屋。 |

| **SS** | ** 原初の機巧女神(プロト・ソフィア)** | 機械の翼と光の輪を持つ、少女の姿をした古代の防衛システム。**宇宙の物理法則を一時的に「書き換える」**権能を持つ。 |

#### 3. 掻き立てられる「獲得意欲」

リオンは、モニターに映る【原初の機巧女神】の寂しげな表情をじっと見つめていた。

「この子……ずっと一人で、壊れちゃった世界の設定ルールを守り続けてるんだね。きっと、誰も遊びに来てくれなくて、すっごく寂しいんだと思う」

リオンの琥珀色の瞳が、黄金に輝き始める。それは、強大な敵に対する敵意ではなく、新しい「お友達」を見つけた時の、純粋で無垢な情熱だった。

「みんな! スライムさんに、ヘビさんに、女神さま……。みんな俺たちの『箱庭』に来たら、きっと楽しいよ! ノヴァやリヴァイとも仲良くなれるし、美味しいものもいっぱい食べさせてあげたい!」

「フッ、決まりだな。リオン君、君がそう言うなら、我々のやるべきことは一つだ」

ジンが軍配を握り直し、不敵な笑みを浮かべる。

「お師匠様! 私、すでにクロノ・スライム用の『時間流安定ポーション』の調合に入ります! 絶対に捕獲……いえ、スカウトしてみせますわ!」

シズルもまた、師匠のリオンに感化され、テイマーとしての「欲(慈愛)」を爆発させていた。

#### 4. 深淵の物理学:歪む理の中へ

カイトは、迫り来る特異点の重力場を計算し、白衣を翻してキーボードを叩く。

> **【特異点内部・時空歪曲方程式】**

>

>

> ※通常のシュヴァルツシルト解に加え、瘴気バグのポテンシャル \Phi が干渉。リオンの慈愛波動がこの \Phi を打ち消すことで、船内の時間を維持する。

>

「リオン君、君の『愛』がこの不安定な世界の唯一のアンカー(錨)だ。我々は君を信じて、この狂った物理の迷宮へ突入する!」

「うん、行こう! ――メテオ、全速前進! 宇宙の真ん中で泣いてる新しい家族を、みんなでお迎えに行くよ!」

『リョウカイ、マスター。……深淵の心臓部へ、最大加速。……未知の生体反応、多数捕捉。……テイムの準備ヲ推奨シマス』

白銀の戦艦は、周囲の空間を光の粒子へと変えながら、漆黒の深淵へとダイブした。

そこは、恐怖が支配する地獄ではなく――リオンにとっては、まだ見ぬお友達が待つ「宇宙最大の宝箱」に他ならなかった。

**【深淵の神話編・第一幕:開演】**

最初のターゲットは、時間を操る透明な影――**クロノ・スライム**。

果たしてリオンたちは、歪む時空の中で、この「最高のキッチン助手」を仲間にできるのか!?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ