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吸血姫  作者: 氷水悠斗
2章
14/19

14 殲滅

勉強の息抜きにやってる感じなので、不定期…みたいな設定で言い訳したかったです。

吸血姫という存在に遭って吸血姫になった。


人の名を忘れ、吸血姫の名、ルベリー・ヴァンピィを手に入れた。


「…して…」


そのような過去にあったことが頭の中でメリーゴウランドのようにぐるぐるとまわ


「しっかりして!ベリー!!」

「はっ…」


何をしてるんだ私はっ


あぁ、思い出した。



リン姉に骨が悲鳴をあげるほどの抱擁をされつつ、首がもげると心配してしまうほどの頬擦りをされて思考停止になっていたのだった…



いや!どんな状況よ!!


でも…怪我はない…回復力かしら…かしっ…うう…



そんな私の精神整理の暇も与えず、気が狂ったのか先程散った2機の仲間で、退避していた2機のうち1機が、旧軍戦闘機にピッタリとも言える特攻を仕掛けてくる。





『悪魔が!物の怪が!化物がぁ!!根絶やしにしてくれるわぁぁぁぁ!!!』





「うるさい…」「あっ、良かったぁ…正気に戻ったのね…」


そう安心したように微笑むレット姉は、大音声でのたまう彼に対し、示した反応は左人差し指をくいと曲げるのみであった。



すると、先程レット姉が放った魔弾が、突撃することしか脳がない男へと磁力があるかの如く、吸い込まれていった。


そのまま、背後からの会心の一撃――――




とはいかなかった。




突如現れたもう1機が彼を庇うかのように、高高度から垂直降下してきた。



『間に合えぇぇぇぇぇぇぇぇっっっっっっ』




さて、この後起こると想像できるパターンは2つあるだろう。


1つ、間に合わず着弾。


2つ、間に合い彼以外に着弾。


少なくとも、私はそうであった。



しかし、この腐った世界、吸血姫は違った。



()()()()()()()()()()()()()()



そして、邪魔が去った後、横断歩道の小学生宜しく、堂々と進み始めた。


友の声に気付き、不幸にも振り向いてしまっていた彼にとっては、地獄そのものだ。


"テツ"と似た恐怖を味わい、彼は鬼籍へと名を刻むこととなる。



私とリン姉はじとっとした目でレット姉を見る。


「「それはないよ、お姉ちゃん(レット姉)。」」

「ごめんなさい!」


妹たちの軽蔑の眼差しが効いたのか、レット姉は涙目で謝ってくる。



私はもう微塵の違和感もなく姉妹に馴染んでいる自分に溜息をつきつつ、右手に力を込める。


見様見真似で出来るか心配していたが、案外楽に作り出せたようだ。


実際にやってみて分かったのだが、これは相当頭と気力を使う作業のようだ。


私はそれを右手に持ったまま、()()を見下ろす。


それはなんとか体勢を立て直し、フルスロットルで逃げている。


私は翼を羽ばたかせ、接近を試みる。


おお、苦もなく追いつけたようね。


急接近した私に怯え、彼は更なる加速を試みるも、プロペラの速度は逆に落ちていく。


彼は旧型テレビジョンが如く、泣きっ面でメーターをばしばし叩く。


私はせめて早く楽にしてあげようと思い、メジャー選手が鼻で笑う程度のフォームで右手から放つ。




ガチャッガチャガチャッ

『動け!動けよ!!くそっくそぉっ!!』

あいつも死んだ。こいつも死んだ。みんな死んだ。殺された。最後は俺か。


そう思った瞬間、立ち向かう勇気を失った。

逃げられる。そう思ってた。


あぁ、光だ。何色とも言えぬ光だ。


来る。近付いてくる。終わりか…


テツ、タロー…お前もこんな気持ちで逝ったのか…

ははは、ケイとカイが羨ましいな…


操縦桿から手を離し、後ろの鬼を見る。

どこか悲しそうな顔をしている彼女が美しく見えた。


俺は高笑いする。人間の脆弱さ、醜さに。吸血姫の美しさに。光に包まれ浄土に行くまでかんらかんらと笑って散った。





最後の爆音が響く。あぁ、終わった。終わったのね。


人間から吸血姫になり、吸血姫から人殺しとなったこの日を私は二度と忘れはしないだろう。

一区切りここでつきます。


ぶっちゃけ続編考えられてないっす。


スミレのモチベが逆にあがってつらつら書いでます…


吸血姫も頑張らなきゃっ

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