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こちらチート探偵団  作者: 田丸 彬禰


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探偵同好会 最初の事件 ②

「……三日前に紛失したビデオカメラが見つけてくれ?」

「そうだ。むろん誰にも知られずに。依頼者の秘密を守るというのは探偵としての裁定条件なのだろうが、とりあえず念を押しておく」

「そこまで言ったからには、依頼料は払ってもらいますよ。先生」

「ああ。では、これで」


そう言って依頼者である漆野俊樹が差し出したのは千円札一枚。


「なんですか?これは」

「もちろん依頼料。もし、見つけられなかったら返してもらうぞ」

「なるほど」


麻里奈は女子生徒に人気があるというその男性教師をじっとりした目で眺める。

そして、その直後どす黒い笑みを浮かべ直す。


「他人には義務と押し付けて、自分の義務は果たさないとはさすが教師というところでしょうか。これが依頼料ということであればお断りします」


むろん、慌てたのは俊樹だった。


「ま、待て。では、いくら払えばいいのだ」

「最低一万。その内容によってはさらに高くなります」

「高い」

「そう思うのなら他を当たればいいでしょう。ですが、同業者がこれ以上安いとは思えませんが。どうします?」

「か、考える。ちょっと待て」


それから五分あまり、盛大に唸りながら悩む俊樹。

そして……。


「わかった」


「だが、一万円は俺にとっても大金だ。見つけられなかったら返してもらうからな」

「いいですよ。それで、そのなくなったビデオカメラですが、具体的には……」


そして、それから五分後。

俊樹の話を聞いたふたりはいたいけな少女とは対極的な表情を浮かべていた。


学校の備品を私的に利用したところで紛失した。


それはたしかに教師的には問題だ。

だが、それでも警察に届けることはできるだろう。

つまり、それができない事情があるということだ。


まあ、それが何かは想像できる。


私的に利用。

そして、それで撮影されたものは警察に見られてはまずいもの。


「先生。ちなみにスマホは?」

「私はガラケー派だ」

「なるほど。私はノー携帯派」


決まりだな。


ふたり分の心の声が響く。


「わかりました。では、その依頼料は大幅値引きで十万円としておきましょうか。むろん先払いで」

「手持ちはない」


「では、お急ぎください。銀行のATMが終わりますから」


そう言って教師から十万円をせしめ、客を追い出すと、ふたりは仕事に取り掛かる。


そして……。


「やりますね」

「このエロ教師に惚れるとはこの学校の女子のレベルは相当低いな」

「どうします?校長に知らせますか?それとも、教育委員会ですか?」

「いや。いいだろう。とりあえず金は払ったのだから客だ」


「それよりもまずビデオカメラを奪還しよう。中身を消されたらエロ教師が泣くだろう」

「そうですね」


翌々日。


俊樹の前にブツが置かれていた。


「相手はどんな奴だ?」

「それは言えません。ですが、クギは刺しておきました。他人のものを奪ったと警察に連絡されたくなかったら、すべてを忘れろと」

「もしかして……」

「むろん、確認しましたよ。結構な趣味ですね。まあ、警察ではなく私たちのもとにやってきた時点で想像はつきましたが」


「今の仕事と地位と名誉を失いたくなければ、その趣味は私たちの目の届かないところでやることを推奨します」

「そうですね。知り合いの近くを歩かれたら思わず、ここで見たことをくちにしてしまうかもしれませんから」


「そういうことでまた何かありましたらどうぞ」



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