1/13
女子高校生探偵は学校の片隅に住まうものなり
日本のどこにでもある変わったところなどなにひとつない公立高校。
その学校の最果ての場所となる第二校舎の三階西端にその部屋がある。
放課後限定で扉に張り出される「探偵同好会」の札。
そして、その中で学校の備品とは思えぬ一見して高価とわかる調度品に囲まれて紅茶を飲むのは……。
長身で長い黒髪を靡かせる高校一年生とは思えぬ大人びた表情を見せる少女。
そして、それとは対照的に小柄で地味顔の眼鏡少女。
雪見坂麻里奈。
それが長身の美形少女の名。
そして、もうひとりの地味顔眼鏡少女の名は冬博子という。
つまり、そこは部室。
正確には同好会室となる。
ただし、この「探偵同好会」はよくある高校の泡沫クラブなどではなかった。
ここは放課後限定で営業し、その時間を待って毎日のように依頼者がやってくる探偵事務所。
そして、今日もやってくる。
難事件を抱えた依頼者が。




