表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最後の人類、最初の生命  作者: コゲコゲ
小さい敵が意外と強かったりします
10/56

嫌な奴ほど内心は優しかったり仲良くなれたりします。

「…………きて…かず…お…て」


(何だろう?何か聞こえるような…)


「一樹……て!」


(?何を言っているんだ?)


「一樹!起きてってば!!」


「うわっ!?」


いきなり耳元で叫ばれた僕は驚いて飛び起きた。


「お、おはよう桜…」


「もぅ…今何時だと思ってるのですか…?」


 そう言いながら桜が差し出していた時計を見ると…

『10:59』

 僕は目を疑った。だってお昼だよ?


「ハハ、どうやらちょっと寝坊しちゃったらしいね」


「これのどこがちょっとなのですか…」


 あはは、たまにはそういうこともあるさ。

 それにしても………


「何か外が騒がしくない?」


「はい。さっきから市役所前に人だかりが出来てますよ」


「なんで?」


 人だかりができる理由か…市長が何かしでかしたのかな?


「それを確かめに行きたいからあなたを起こしていたんですよ…」


「本当にすいませんでした」


 やだなぁもう。次からは寝坊しないようにしなくては…


「早く用意してください、気になってもう仕方がありません」


「はいっ!只今!!」


 これ以上桜を待たせるわけにはいかない、怒らせてご飯抜きになることだけは避けたい!


「出来ました!!」


「ん?随分と早いですね」


「もちのろんですとも!」


「ふふっ、それでは行きましょうか」


 こうしてじいさんのいない長い1日が始まったのであった。



 ー市役所前にてー

 ガヤガヤ…ワイワイ…


『えー、皆さんこんにちは。市長の高橋です。いきなりですが、今日集まってもらったのは、深刻な発表があるからです』


 それを聞いて周りの人達が騒ぎ始める。

 でも、僕はその内容が大体分かっていた。


『実は先日の生物についてなのですが…』


 だから生物が接近していて家に居ろと言ったのに集めた。


『その生物の種類が判明したと伝令がありました』


 だから生物への対策を話すために集めた。


『生物の名は【エレキハネトカゲ】です』


 その瞬間、広場が静まり返った。どうしたんだ皆は?

 でもって、その生物への対策とは…


『対策として、私はこの街を捨てて逃げる事を決断しました』


 人を集めてそいつを狩る。

 ってえぇ!?逃げる?なんで!?


『反対意見や質問のある方は挙手をお願いします』


「はい!」


 僕が思いっきり手を挙げると、なんだなんだ?と周りの視線が集まる。


『…どうぞ』


「そいつを狩る事は出来ないんですか?」


『!?………すいません、もう一度お願いします…』


 周りにも、ざわめきが聞こえはじめる。


「だから、そいつを狩ってしまえば良いんじゃないですか?」


『あなた、本気で言っているのですか?』


 なんだなんだ?なぜ僕の頭を心配されるんだ?


『エレキハネトカゲは危険度Aの生物ですよ!?戦うという選択肢がまずおかしいのです』


「だからって逃げるのか?僕は反対ですよ」


 市長は僕を怪訝な目で見ている。


「私も反対です」


「桜!?」


 〔…子供達の為です〕

 そう、桜が僕にだけ聞こえるような声で囁いてくる。

 改めて周りを見ると確かに子供達が、親に「引っ越しは嫌だよ」と泣きついていた。

 そこまで確認すると僕の中で何かが弾けた。


「市長、でしたら僕と桜でそいつを狩ってきましょうか?」


 そう言った後で一応、桜に答えの分かりきった質問をしておく。


「(桜、大丈夫?)」


「(もちろんです)」


 僕の提案を聞くと市長はしばらく考えた後に、


『分かりました。もし失敗したら逃げるという事で構いませんね?』


 と言ってきた。

 当然僕達はその言葉に即答した。


「「はい。大丈夫です」」



 僕と桜は夕食を食べた後、奴を倒す計画を立てていた。


「奴の大きさは約2メートル。特徴は名前の通り、体内で電気を作ることと空を飛ぶこと。基本的に単体で行動するらしい。他にも熱を好み、動くものを狙うという習性がある」


「分かりました。それでは作戦を考えましょうか」


「了解!」


 作戦の決行は明日の昼ごろ、街から徒歩10分くらいの森の中だ。

 市長から前もって武器になりそうな物が送られてきた。

 やっぱり市長もあんなことを言っていたけど、街を捨てることは内心では嫌だったらしい。


「よし、作戦も決まったし、明日に備えて寝るか!」


「そうですね。おやすみなさい、一樹」


「おやすみ、桜」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ