2-1 -少女-
ずいぶん間が空きましたが投稿できました。
「で、あの黒服はなんなんだい?」
セシルは窓を開けてタバコをふかしながら聞く、白い煙がゆっくりと窓の外に流れていくのをシルは眺めていた。
「・・・多分この私が持っている鍵のせいだと思います。」
「カギ?」
アイリ以外の3人の頭上に?マークが浮かぶ。
「なんの鍵なのぉ?」
相変わらず語尾を少し延ばしながらリシアがもう二人の疑問を代弁した。
「それは・・・分かりません」
「分からない?じゃあどうしてその鍵を・・・?」
当然の疑問、しかし、その疑問が晴れることは無かった。
アイリはうつむき、それぞれの顔を上目遣いで確認してから小さな声で「すいません、言えません」といった。
二人の教師の表情が少し険しくなったのが分かる。
セシルがスパッとタバコの煙を吐きながら言った。
「じゃあ質問を変えるわ、あの黒いローブの集団はなんなんだい?」
「黒の派閥の一派です」
その言葉と同時に終業の鐘が鳴る。鐘が鳴り止んでからシルが口を開いた。
「黒の・・・派閥・・・ってなんだっけ?」
セシルに目で説明を促した、が、声は逆の方から聞こえてきた。
「黒の派閥、主に荒事を専門とし、白の派閥、銀の派閥、朱≪あか≫の派閥と並んで四大勢力と呼ばれていたが、多くの問題行動で今は権力の大部分を剥奪され、収まるところに収まってる。・・・ですよね、先生」
「ラウルか・・・そんなところまで守備範囲内とはな、恐れ入るな。」
ラウルはシルに向けて、よっと手を上げた。
ラウルの後ろにもう一つの影が見えた、ラウルの横からひょいと顔を出してきたのは、ラウルやシルと同じクラスのレイ、2人の数少ない女友達であり、幼馴染でもある彼女は、栗色の髪を肩にかかるか掛からないかのところまで下ろし、前髪は左側をピンで留めている。
「レイも来たのか」
シルが抑揚のない微妙な声を出す。
「なによ」と、自分はお呼びでないというようなシルの反応に少し腹を立てたようにぷくっと頬を膨らました。
「まったく、心配して来てあげたのに」
そういってリシアとは逆に未発達な胸の前でうでを組んだ、レイは腕組みがしやすそうだな、などと考えていると、セシルが逸れていた話を元に戻した。
「で、なんのはなしだっけ?」
「黒の派閥がどうの・・・ですよ」
ラウルがすかさずフォローを入れる、セシルもそうだったそうだったなんていいながら、再びアイリに向き直った。
そこで、セシルがふとあることに気付いた。
「あ、自己紹介してないな」
皆もその言葉でようやく気付いたらしい、セシルは言葉を続ける。
「あんたも名前も聞いてない人にホイホイ素性話すんじゃないよ。」
なぜか逆切れのようにいうセシルに、アイリは戸惑いつつ「す、すみません!」と勢いよく謝った。
そして、シルから順に名前だけの簡単な自己紹介をしていった。
なんとも中途半端なタイミングの自己紹介は終了し、話は再び派閥の話に戻っていた。




