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Ⅰ章 その4 パーティー結成/初めての依頼 前編

いやー、遅くなってすみません(毎度恒例)

 カーン カーン カーン

 これが八時を知らせる鐘か。

 うーん、頭が痛い。これが世間でいうところの二日酔いというものか。

 人生で初めての二日酔いを経験しながら、頭の片隅にもやもやとしたものを感じる。

 はて、何かあったような気がする。

 そう、重要な、約束が・・・

「ファッ! やばい、やばい、今日は」

 急いで起き上がると、ベッドから飛び出る。

 時間の余裕は一切ない、挙動の一つ一つを無駄なく行うには・・・先生(ウィンドウ)の力貸してください、お願いします(オナシャス)! オラに力を貸してくれ~(泣)!

 その後、ウィンドウは「はぁ」とため息をつきながら俺の準備に付き合ってくれた。

 ウィンドウはなんやかんや言って付き合ってくれる良い奴なのだ。この街に来る途中も俺に気を使ってくれた。もしかしたら、俺の人生という名の物語のヒロインなのかもしれない。

 ちなみに、この準備中、今言ったことと同じことを言うと「フン」と鼻で笑われた。

 ウィンドウの的確な指示により俺は準備を終えた。

 この短時間での的確な計算能力、某デジタル・アシスタントを思わせるような機械的な声、実はウィンドウの正体はAIなのではないかと思っていたり、思っていなかったり。

 まあ正直、正体なんてどうでもいい。

 ウィンドウはウィンドウなのだから。

 俺は玄関のドアノブを握り言う

「行ってきます、初仕事に!」



 ウォートラル・ギルド本部の近くまで来た俺は筋骨隆々とした人影を見つける。

 だんだんと近づくにつれその人物の全貌が明らかになる。

 やはりリュウだ。

 俺のパーティーメンバーで前衛として活躍してくれる男であり、その実力は先輩冒険者のジン兄さんが太鼓判を押すほどである。

「やあ、リュウ。おはよう」

「おう! おはよう、ハヤト。調子はどうだ?」

「まあ、ここまで走ってきたからのと二日酔いで少しきついけど、仕事に支障が出るほどではないよ」

「がっはは! なるほどな。酒にやられちまったか! 酒を飲んでも飲まれるな、ってな」

「もう。ところでオスカーは?」

 そう、俺のパーティーメンバーは計三人。しかし、ここにいるのは二人。一人足りないのだ。

 そして、足りないメンバーこそ、オスカー・ケルネス。俺たちの頭脳(ブレイン)である。

「ああ、あいつなら。ポーションの買い出しに行ってるよ」

「おーい、二人とも―」

 そう言って市場の方向から駆けてきたのがオスカー・ケルネス。通称、オスカーだ。

「おおう、噂をすればなんとやらだな」

 本当にその通りだな、と俺も同感する。

 こうしてそろった俺たちはギルドの中へと入っていった。



 ギルドの中に入ると一斉に視線が俺の方へと向いた。

 それもそのはず。自分で言うのもなんだがベテランの先輩冒険者を冒険者なりたての若造が倒したのだ。それはそれは話題の的となるだろう。

 また、その視線も、その後の反応も様々だ。

 期待の目、好奇の目、嫉妬の目。

 挨拶をしてくる人、ただチラチラとこちらを見てくるだけの人、こちらを睨み舌打ちする人。

 まさに十人十色である。

 そんな反応を受けつつ、カウンターがある方向へと向かう。

 正確には“対魔物用スキル保持者カウンター”“対人間用スキル保持者カウンター”の俺たちから見て右脇の引っ込んだところにある“パーティー用カウンター”に、である。

 カウンターには金髪のお姉さんがいた。

 昨日も述べた通り、かの有名な都市伝説は本当である。

 つまり、このお姉さんもカワイイ。

 まあそういうことはおいといて、カウンターに着くとお姉さんはにこやかな笑顔を浮かべ挨拶をする。

「こんにちは、こちらはパーティーカウンターになります。パーティーについての様々なご用件を承るカウンターです。ご用件は・・・パーティーの結成ですよね?」

 正解だ。

 なぜ知っているのだろうかと思いつつも、「はい」と俺は答えた。

 すると、オスカーが唐突に耳打ちをしてきた。

「なんせ貴方はここウォートラル・ギルドでは有名人ですからね。しかも、昨日のパーティー結成の宣言もウォートラル()・ギルド本部()でやりましたしね。しかし、ハヤトさん、正直なのは良いことですが、気を付けてください。出やすいようなので、顔に」

「なぜ分かったのか」と顔に出ていたらしい。

 気を付けなければ。

 戦いは基本心理戦も多いが対人戦では特に重要視される。

 人間は考える力が魔物よりもある。

 そのため、次はどのように動くのか、相手はどのような心理状況なのかを深く判断できる。

 自分の行動、状況を悟られないようにするために感情が顔に出たりすることは日常から特訓として避けなければいけないのだ。

 まあ、今はそれよりも話を聞こう。

「それでは、パーティーについて説明いたします。パーティーは二人から結成できます。パーティーを結成するとパーティーごとにランクが付きます。初結成の場合はどれだけ高ランクの冒険者が集まったとしてもEランクからのスタートになります」

 次に受付のお姉さんは右斜め後ろを見ると威圧のある顔で

「如何にギルドマスターの権限があったとしてもですよ」

 と言った。

 その方向には、気配を隠した(バレてはいるが)白髪の伸びたダンディーな細身のおじいさんが居た。

 そう、ウォートラル・ギルド本部ギルドマスター デミス・ローレン その人である。

 デミスは「お、おう」と狼狽えると、脱兎のごとき素早さで二階へと上がっていった。

「さて、邪魔が入りましたが、話の続きをしましょう」

 おいおい、ギルドマスターが“邪魔”なんて言われる状況大丈夫か? まあ、皆の関係が近いのは良いことだが。こう、ギルドマスターの威厳的な?ものはどうなのだろうか。

 まぁ、俺が心配することではないか。そんなことを考えていると続きが始まった。

「まず、パーティーを組むとパーティーのみが受けられる依頼が受注可能になります。また、パーティーで依頼に成功するとパーティーポイントが加算されます。パーティーポイントによって受けられる依頼の種類が変わりますのでご注意ください。パーティーポイントが一定数まで貯まると、上のランクに昇格です! でも、逆に失敗した場合は減点されます。パーティーポイントが0ポイントを下回ると、そのパーティーは強制的に解散させられます。また、しばらくの間、パーティーを組めず仕事も街中の雑用のみになりますのでお忘れなく」

 なるほど、パーティーポイントか。珍しい要素だな。俺の読んでいた小説や漫画にはなかった要素だ。

 だが、0ポイントになった時の代償があまりにも大きすぎるのではないだろうか。

「あの、0ポイントになっただけで今までやってきた仲間と解散させられるってなんか酷じゃありませんか?」

「ハヤトさんの言う通りです。でも逆に『そのパーティーは失敗が多い』ってことですよね。では、そのパーティーが護衛の任務中に野盗に出くわしたとしましょう。そこでもいつものように失敗したとします。護衛対象の命も、そして自分の命も落とす可能性が高いですよね。命に代えられるものなんてありません。なのでそのようなことが起きないよう、パーティーポイントという制度を定め、条件にそぐわない方々は受けられないようにし、命を守ります。0になった場合はそのパーティー自体に問題があるということで、解散させ、命を守ります。どれだけ残酷でも、命を守るためには仕方のないことです」

 するとオスカーが話を受け継ぎ話始めた。

「パーティーを解散させられた後、仕事も街中の雑用のみなるのは雑用をこなすことで心を鍛え、仕事の合間に体を鍛える時間を持たせるためなんだよ」

 へぇ、そうだったのか。少し手厳しいと思ったけどちゃんと考えられているんだな。感心と共にそう思った。

「あと、皆さんのパーティーには初回ポイントで100ポイントが配られます。なので安心してください、初めての依頼で失敗してすぐ解散なんてことはありませんよ」

 その後にも様々な諸注意を聞いた。

 そして、パーティー結成の一大イベント。パーティー名決めの時間がやってきたのだった。




みなさんどうでしたでしょうか、今回は長くなりそうだったので2部または3部制ですーーー!

続きをお楽しみに!

あと、どうか評価や感想をよろしくお願いします!

それじゃあ、また会える日まで!

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