混ざる黄色と紫色
暖かな黄色に染まった場所に、怪しい紫色が注がれました。
もう和むばかりじゃないの。
安心して埋もれられたあの花畑は、もう消えてしまったのでしょう。
そう思ったのに、どうしてでしょう。
暖かさは暖かさとしてキャンパスは黄色くあり続け、紫色の下で黄色はまだあり続けているのです。
塗り替えられることなどありませんでした。
黄色だって、せっかくキャンパスを染めたのです。
消えてしまうのは、些かもったいないという心もありましたが、やはりそれは無知な愚かさなのです。
無知の花畑だって、少年にとっては必要なもの、確かに存在したものなのです。
注がれた紫色は、思っていた以上に、残酷なものでした。
執着を和らげるどころか、そそるようなものだったのです。
穏やかな色は怪しげな色に染まり、怪しさは呑気な色に染まり、色と色とは染め合って色を責め合うのでした。
傷付け合った色は、お互いを落とし合いました。
染まって落ちていきました。
染め合うことは打ち消し合うことで、色の混ざってしまうことは、お互いの色を駄目にしてしまうことと同じでした。
駄目になってしまうのでした。
染まり合った色は混ざり合って、濁ってしまっていました。
いつの間にか、濁ってしまっていました。
濁りきってしまっていました