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魔力値1で生まれた令嬢は――死んでたまるか!  作者: eggy


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1/8

プロローグ

やや久しぶりに、新連載を開始します。

ご愛読いただければ幸いです


 闇夜の底を突き上げて。

 ドドドドド、という音響が、伝いはしる。

 邸内のあらゆるものが、我先にとふるえ出している。

 始まりは、ガガガ、という何かの崩壊音だった。

 屋敷の東端部屋の使用人が、その音に跳び起きたという。

 部屋を駆け出すと、廊下の突き当たる壁がぽっかり崩落していた。

 驚きに大声で呼ばわり、まだ目覚めていなかった家人もほとんどが呼び起こされていた。

 その直後。ドドドドド、という音響とともに、建物すべてが顫え始めたのだ。


「何だあ?」

「危ない、逃げろ!」

「屋敷が崩れるぞ!」


 貴族屋敷に住まう三十名ほどの人間が夜衣よぎ姿のまま、主従問わず重なり合うように転びつまろびつ屋敷から飛び出した。


「みんな、揃っているか? 無事か?」

「おお!」


 ひと呼吸後。

 庭まで駆け出しへたり込む人々の眼前に、信じられない光景が展開した。

 ドドドドド――。

 石と木の組み合わせで築かれた大きな二階建ての屋敷、そのまず一階部分が崩れ出している。

 ガシャシャシャシャ――。

 続けて二階部分がかしぎ、落ち、大きな力で圧せられたかのように潰れる。

 ガラガラガラガラ――……。

 轟音が絶え、静寂が戻り。土埃の舞い落ち沈むあとに。

 屋敷のあった場所は瓦礫がれきの山と化していた。


「な、何だこれは――」

「何が起こった?」

「何で、何で、お屋敷が――」


 呆然と、口々に呻きが漏れる。

 いつも傲岸な主人さえ呆けた表情で、明瞭な声を発せないでいる。

 その隣で、夫人が失神したかのようにおもてを氷結させている。

 ガサガサ、と数人の使用人がにじり下がって。

 震える声が、囁き交わされた。


たたり――」

「祟りじゃねえのか、これは――」

「この家は、呪われたんだ――」


 静まりきった晩夏の夜、屋敷背後の深い森に、やがて虫の声が戻ってきていた。



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