旅の終わり。〜その2〜
「放心してたね」
「まぁ仕方ない。アレは放っておこう」
アレ扱い!!
「スプリア、また違う季節に行こう?今回行けなくなっちゃったしな」
「うん、それはそれで楽しみ増えるね!」
なでなで。
「もう少し、シャルルと2人だけで居たかったなぁ」
「わたしの方が時間に余裕があるかもね。月一の納品だから、納品したら薬草採取位だもの。あ、聖域はジークと一緒にだよね」
「そう、それは一緒に行く。後は祭りの時は休む」
「うんうん魔法花見ようね!それで、いつ帰るの?」
「あーー帰りたくねぇぇぇ!!」
ぎゅうぎゅうぎゅぅぅぅ
「ぐるじぃ!!」
ちゅ
「明日か明後日かな。もう一度ギルドに顔出して、帰る報告しておくのと、シャルルとまったりするのと、シャルルとデートするのと、シャルルとイチャイチャするのと……」
ぶふぉぉ!!
「仕事、ギルドだけじゃん!」
「まぁ、そんなもんだ」
「そっか。なら残りのお休みは楽しまないとね!」
「そうだな、なら昼メシ食いに出るか!」
「屋台がいい!」
「OK、任せろ」
◇◇◇
初日に行った屋台の並びじゃない所で食べまくった!
お醤油じゃない、ナンプラー?魚醤?みたいのはあったね。
さすが海の街。
今日の海はクラーケンも暴れてなく、穏やかな海だった。
サンダルを脱いで、足だけ海に入った。
ジークも靴を脱いで、ばしゃばしゃしてたよ。
足だけとは言え、びっちょりになっても、クリーンもドライもあるもんね。
自分が海で、キャッキャウフフする時が来るとは思ってなかったなー。
自分がやってると気にならないよねー。
見てるとイタイかもだけど。いいのだ。
泳ぐのはマーマン来るからダメなんだって。
漁師さんは、魔獣避けを使うから魚が捕れる。
海の魔獣、魔魚はハンターが捕るらしい。
東の海だからと言うのもあるけど、夕日は山に沈む。
サンセットビーチは西の海に行くまでお預けだね。
「海でも遊べたから満足!」
「討伐で海に入った事はあったけど、こうやって遊んだ事はなかったな。いい経験!」
「楽しかった?」
「そりゃシャルルと一緒だし、楽しいに決まってる」
ははっ
「わたしも楽しかった!また連れてきてね」
「そうだな、また来よう」
ジークと一緒にハンターギルドに行って、ジークは帰る報告をした。
わたしは中で待ってる間に、ヘルベスさんに帰る事をメッセージした。
”楽しかったか?帰ってくるの待ってるな。気をつけて帰っておいで。マイク・ヘルベス”
「お待たせ、帰ろうか。何か買って帰る?」
「お昼も屋台だったけど、この街のもの食べておこう!何があるかな?」
「ジークさん!」
わぁぉ。わたしが居てもなんのその!
パワフルな受付嬢ね!でも、ダメ。
ジークの腕に抱きついちゃう。ぎゅー
そうしたら、今度は”ぎゃーー!””うそだろ!!””羨ましい!”とか野太い声が聞こえるけど無視だ。
「なに」
「今度食事でも一緒に行きませんか?もう3度も断るんだもの、1回位いいでしょ?」
じろり
にーらーんーでーるー!怖ぇ。
「行かないし、俺の彼女の前で止めてくれる?」
頭のてっぺんに、ちゅ
”ぎゃーー!””ジークさんに彼女!””えええ!””ちゅって!今ちゅって!””俺、板に書き込んでくる!”
なんか変なの聞こえたけど無視だ!!!
「なっ!!特定は作らないって言ったじゃない!」
「いつの話し?好きな子が居なければそう言うでしょ。もういい?今後も誘ったりされるのは迷惑だから」
おぉ!塩対応ってこういう事か!
キッ!と睨まれたけど、無視だ!!!!
「ジーク」
シャツつんつん
「うん、帰ろう」
とろけるような笑みで言う。
ジーク、それ狙ってるでしょ。
シャルルさん、ギルドの受付嬢には嫌われる:((; ‘ᾥ’ ;)):
あ、この後19:00に閑話が入ります。読まなくても本編に影響ありません。




