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太陽を背負った渡り鳥

太陽探偵サマロヒ 主題歌「銀河を拓け!太陽探偵」


(イントロ:重厚なデジタル・ドラムとピコピコとしたシンセサイザーの警告音。「SEARCHING... DETECTED...」という電子音声の後、激しいディストーション・ギターが唸りを上げる!)


(1番)

サーチせよ! 漆黒のエリアを

悪の鼓動が ゆがみを呼んでいる

見逃さないぜ 闇に浮かぶ 怒りの眼

勇気という名の 回路チップを焼き付け 叫ぶんだ!

銀河の果てまで 誰かが見ているさ

君を護るため 俺ははがねになる

(ブリッジ)

傷つくこと 恐れていたら

真実は 闇の中へ消えるだけ

(コール:DETECTIVE! DETECTIVE!)

(サビ)

転生リバース! 転生リバース! 命が光る プラズマの渦

転生リバース! 転生リバース! 怒りが爆発する

太陽探偵 サマロヒ!

悪を照らし出し 正義の光で焼き尽くせ

サマロヒ! 太陽の探偵!

 

 初夏の湿り気を帯びた山道に、二人の少年の規則正しい足音が響いていた。木々の隙間から差し込む陽光は、まだ昼間だというのに、どこか頼りなく地面に斑模様を描いている。 


「ねえ、なんか聞こえない?」


 先頭を歩いていた雄太が、ビクッと足を止めた。背後にいた直樹は、勢い余って彼にぶつかりそうになる。


「また変なこと言って。虫の声だろ? この辺りに、妖怪が出るなんて話聞いたことないし」


 直樹は苦笑しながら、しわくちゃになった地図を広げ直す。だが、その直後だった。


 草木が鬱蒼と茂る森の深淵から、湿った土の匂いと共に、低い「うめき声」が風に乗って運ばれてきた。

 それは枯れ枝が折れる音とも、獣の鳴き声とも違う。確かに、人間が喉の奥で押し殺したような苦悶の響きだった。


「今の?」


 雄太の顔色から、一瞬にして血の気が引いていく。森の奥から吹き抜けてきた風が、不自然に冷たい。


「気のせいだって。なあ、近道は諦めて戻ろうぜ。この先、ちょっと不気味すぎるよ」


 直樹は雄太の腕を強く引き、逃げるように背を向けた。

 だが、雄太は直樹の力に抗うように足を止め、まるで磁石に引き寄せられる方位磁石の針のように、森の奥深くをじっと見つめていた。その瞳には恐怖だけでなく、見てはいけないものを見てしまったというような、奇妙な衝動が宿っている。


「でも、放っておけないよ。もし本当に人が倒れてたら・・・俺たち、一生後悔する気がするんだ」


 雄太の声は震えていたが、不思議と決意が混じっていた。直樹は溜息をつき、周囲を警戒するように見回す。辺りは急に静まり返り、鳥の声すら途絶えていた。

 二人は顔を見合わせ、引き返せない運命に足を踏み入れるかのように、茂みの中へと分け入っていくことに。


 森の開けた場所に出た途端、二人は息を飲んだ。

 地面に横たわっていたのは、明らかに浮いた格好の男だった。

 黒革のジャケットに、真っ黒なパンツ。

 そして頭には、まるで西部劇から飛び出してきたようなテンガローハット。

 どう考えても山歩きには不向きな、現代ではあまりに見かけないいでたちだ。


「コスプレかな?」


 直樹が小声で呟きながら、恐る恐る男の肩を揺さぶる。


「大丈夫ですか?」


 返事はない。直樹は意を決して、男の背中に手を回し、そのまま力任せに上半身を引き起こした。


 ずっしりとした重み。男の体は驚くほど硬く、筋肉の鎧を纏っているような感触がした。


「重いよ! 雄太、手伝って!」


「う、うん!」


 二人がかりで男を支え、木の幹に背中を預けさせる。男の顔は土埃で汚れていたが、彫りの深い整った顔立ちをしていた。


 その瞬間、男の瞼がピクリと動いた。

 二人は息を止めて見守る。

 男はゆっくりと重い瞼を開いた。その瞳は、獲物を狙う鷹のように鋭く、だがどこか焦点の定まらない浮世離れした光を湛えていた。

 彼はかすかに唇を動かし、絞り出すような声で言った。


「腹が・・・腹が・・・減った・・・」


 その言葉は、まるで命を賭した戦いの最中に発するように響いた。

 あまりの拍子抜けした内容に、直樹と雄太は呆然とするしかなかった。


 直後、男は糸が切れた操り人形のようにガクンと首を垂れ、再び意識を失ってしまった。


「な、なんだよそれ」


 直樹が呆れ顔で腰を下ろすと、雄太は男の懐に何か不自然な膨らみがあることに気づいた。


 雄太が指先で慎重にそれを取り出すと、それは太陽の紋章が刻まれた古ぼけた銀色のレンズだった。レンズは鈍い銀色に輝き、微かな熱を放っていた。まるで心臓のように、小さく脈動しているようにも見える。


 二人がその奇妙な遺物に目を奪われていると、突然、森のあちこちから、先ほどとは比較にならないほどの不気味な獣の咆哮が響き渡った。


「まずいぞ、雄太。逃げよう」


「でも、この人は・・・」


 直樹が引きずるように立ち上がったその時、男が再びうめき声を漏らした。

 二人の少年の穏やかな夏休みは、この瞬間、取り返しのつかない非日常へと堕ちていったのだ。


次回予告

窮地に陥った二人の少年。彼らを助けられるのは、未だに名無しの男だけだ。早く目を覚ませ!

次回 合言葉は転生!

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