第三十一話:無敵のもちもち陣形と、手打ち大麺棒の舞(四国・うどん編②)
香川県・手打ちうどん『ツル丸』の店先。
豊臣メガバンクの地上げ屋が放った巨大な鉄球を、神堂宗次郎は釜玉うどんから得た『黄金のもっちもちオーラ(コシ)』で、トランポリンのようにボイィィンと弾き返した。
「な、なんだあの弾力は!? 俺たちの鉄球が効かねえぞ!」
高級スーツを着たチンピラたちが、信じられないものを見たように後ずさりする。
「お兄さん、すごいんね! うどんの『コシ』をオーラにするなんて、ただ者じゃないきん!」
看板娘の釜玉ツルが、自分よりも大きな『絡繰・大麺棒』をクルクルと回しながら目を輝かせた。
「……ツルさん。あなたのうどんへの愛情が、私に力をくれたんですよ。さあ、一緒にこのお店の笑顔を守りましょう!」
宗次郎がポカポカと笑い、お腹を突き出して構える。
「チィッ! ナメやがって! 鉄球がダメなら、ドリルでそのゴムまりみたいな腹に穴を開けてやる!」
チンピラの一人が、解体機のアームを『絡繰・大回転ドリル』に切り替え、ものすごい轟音と共に突進してきた。
「ひぃぃっ!? ドリルなんてコンプライアンス違反の極みっすよ!!」
タナカが震え上がる。
しかし、宗次郎は一歩も引かない。
「……極上の釜玉うどんの弾力は、ドリルさえも包み込みます!」
ギュルルルルルッ!!
鋭いドリルが宗次郎の黄金オーラに突き刺さる……が、オーラは破れない。逆に、ドリルの回転に合わせてオーラがビヨーンとトルネードのようにねじれ、ドリルの回転力を完全に吸収してしまったのだ。
「ええっ!? ドリルが、もっちもちの光に絡め取られて止まった!?」
「今なんよ、お兄さん! うちも行くきん!」
ツルが大跳躍し、空中で大麺棒を力強く振りかぶった。
「……はい! ごちそうさまでした。黄金・釜玉反発陣!!」
ボイィィィィィィンッ!!!!
宗次郎がねじれたオーラを一気に解放すると、吸収されたドリルのパワーが倍返しになり、解体機は空高く跳ね上げられた。
「とどめなんよ! 必殺・手打ち麺棒乱舞!!」
空中に打ち上げられた解体機とチンピラたちに向かって、ツルの巨大な麺棒が容赦なく叩き込まれる。
バシィッ! ズバァァンッ!
まるでうどんの生地を伸ばすかのように、チンピラたちはペラペラに引き伸ばされ、はるか彼方の瀬戸内海へと飛んでいった。
「あべべべべべぇぇぇぇっ……!!(キラッ☆)」
「やったー! 悪い奴らを、見事にうどんの生地みたいに伸ばしてやったっす!」
「オーホッホッホ! 素晴らしいコンビネーションですわ!」
クリノジとカトリーヌが大歓声を上げる。
「ふう……一丁上がりなんよ! お兄さんたち、本当にありがとう! おかげでお店が助かったきん!」
ツルが額の汗を拭い、満面の笑みで宗次郎に駆け寄る。
「……どういたしまして。うどんは、人を笑顔にする最高の食べ物ですからね」
宗次郎も、いつものポカポカとした笑顔に戻った。
無事に老舗うどん屋を守り抜いたカオス・パーティー。
しかし、豊臣メガバンクが四国にも魔の手を伸ばしているということは、ここに重要な『解除キー(パスワード)』がある証拠でもある。
ツルッとした喉越しと共に、四国での新たな冒険が、今本格的に幕を開けた!!




