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疲れた日の、ささやかな食事  作者: Wataru


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20/20

庭の梅でジャム

夕方。


庭にある梅の木。


今年も実がなった。


黄色くなって、


少し赤く色づいた梅。


木の下へ行くと、


甘い香りがする。


完熟だ。


一つずつ拾う。


落ちたばかりの梅。


傷んでいないものだけ選ぶ。


⸻


家へ戻る。


梅を洗う。


ヘタを取る。


鍋に入れる。


砂糖を入れる。


火にかける。


木べらでゆっくり混ぜる。


だんだん実が崩れていく。


部屋の中まで、


甘酸っぱい香りが広がった。


今年も、この季節が来た。


そう思う。


⸻


粗熱を取って、


瓶に入れる。


鮮やかな琥珀色。


市販のジャムみたいに、


きれいじゃない。


でも、


庭で採れた梅だけで作った。


それだけで十分だった。


⸻


冷蔵庫からヨーグルトを出す。


大きなパックの、


いつものヨーグルト。


器に入れる。


梅ジャムをスプーンで一さじ。


白いヨーグルトの上に落とす。


少しかき混ぜる。


淡い黄色になる。


スプーンですくう。


ヨーグルト。


梅ジャム。


一緒に食べる。


……うま。


甘い。


そのあとに、


梅の酸っぱさが追いかけてくる。


今年の梅も、


ちゃんと梅の味がした。


庭で採れた梅。


自分で作ったジャム。


ヨーグルトにかける。


それだけ。


⸻


手をかけた料理じゃない。


特別な食材でもない。


でも、


季節を食べている気がする。


もう一口。


冷たいヨーグルトと、


甘酸っぱい梅。


今年の夏も、


悪くない。

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