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仕事終わりのシナモンロール

仕事終わり。


スーパーのパンコーナー。


値引きシールが貼られたシナモンロールが並んでいた。


一個だけ残っている。


なんとなく手に取る。


かごに入れた。



帰宅。


電気ケトルのスイッチを入れる。


安売りで買ったティーバッグをマグカップへ入れる。


お湯を注ぐ。


シナモンロールを皿に置く。


少し潰れていた。


でも気にしない。


どうせ食べれば同じだ。



ひと口。


甘い。


シナモンの香りがふわっと広がる。


思ったよりちゃんと甘かった。


「……うま」


小さく呟く。



今日は朝から忙しかった。


品出しをして。


値札を貼って。


売場を何度も往復した。


別に嫌なことがあった訳じゃない。


でも。


疲れない日なんてない。



紅茶をひと口飲む。


安いティーバッグの紅茶。


何の茶葉かも分からない。


それでも。


シナモンロールには十分だった。



定価なら買わなかったと思う。


特価品だったから買った。


たまたま残っていたから買った。


それでも。


今日の自分には十分だった。



「……まあ、いいか」


シナモンの香りが、


まだ少しだけ残っている。


今日も、


なんとか終わった。

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