18
「うおおおお!!」
僕は再び突っ込んだ。
涼乃のもとへ。
彼女を救うために。
訪れる結末は、同じかもしれない。
僕は死ぬんだ。
でも、それでも。
涼乃だけは救いたいから――!
けたたましいクラクションの音が鳴り響く。
あぁ、あの暴走トラックだ。
結局、僕の命は――……
「おいっ!! お前たち!!」
騒音を蹴破る勢いで、想定外の声がした。
――まさか、この声は……!
通りを振り返る。視界に飛び込んできたのは、トラックじゃない。
見慣れた姿だった。その顔を見ただけで、思わず泣きそうになる。
「うちの息子に何をしてるんだ!!」
――お父さん……!!
駐車場の入り口を、山丘家の車が塞いでいた。その運転席から飛び降りて、肩をいからせたお父さんが、こちらに向かってくるところだった。
手に握っているのはゴルフのパター。怒りに顔を赤くさせ、男たちをにらみつける。
そして、その後ろに――、
「お前たちの顔、しっかり写真に残したぞ」
スマホを掲げた賢都がいた。
こらえていたものが瞳からあふれ出す。
――助けに来てくれた。
お父さんと、あの、賢都が――。
男たちの目の前で、賢都はスマホを耳に当てる。
「もしもし、警察ですか? 先ほど電話した山丘です。暴漢の居場所が分かりました。場所は駒沢公園の……」
「おい、やべぇよ」
小太りが真っ先に焦り出し、ミニバンに向かって走り出す。ところが、運転席の髭の男が飛び出してきた。
「出口を塞がれてる! 車を出せねぇ!」
その声を合図に、男たちは散り散りに逃げ出した。何人かは公園方面へ。他は駒沢通りへ。美大生風も盛大に舌打ちをして、公園の闇の中に紛れ込んだ。
「バカめ! 車が残ってたら、警察が身元特定できるぜ」
賢都が鼻で笑ってガッツポーズをする。
その場に放り出された涼乃とモモちゃんは、へなへなと座り込んだ。
「た、助かった……」
涼乃がつぶやく。
その声に僕はハッとした。
違う、僕らはまだ助かってない――!
けたたましいクラクションが鳴り響く。
あの暴走トラックだ!! あいつから、みんなを助けないと――!




