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死神が僕にくれた幸福な運命  作者: 風乃あむり
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「おい!」


 僕は痛みをこらえながら男たちを脅す。


「もうすぐここに暴走トラックが突っ込んでくる。轢かれて死ぬのは僕だけじゃない。お前と、お前と、」


 僕は男たちを順々に指し示す。涼乃にナイフを突きつける男と、運転席の髭面と、そして美大生風。


「死にたくなかったら二人を置いてとっとと離れろ! 僕と一緒に死ぬなんてごめんだろ!?」


 ほんの一瞬黙ったものの、男たちはすぐにギャハハと腹を抱えた。美大生風が肩をすくめる。


「なんだこいつ、本当に未来人を気取ってやがる」


「おい、はやくしろって! もう“すずちゃん”だけでいいからよ!」


 髭の男が怒鳴り、モモちゃんが解放され、涼乃だけが僕の目の前でミニバンへと押されて行く。


 まずい、前回と同じだ。彼女はナイフをつきつけられ、恐怖におびえて、僕に視線ですがって。


 運命の強烈な引力を感じた。


 こんなに頑張っているのに。己の全てをかけて戦っているのに。


 運命は僕をなんとしてでも死の底へと追いやりたいらしい。


 だめなのか? 結局、僕には生き残る選択肢なんてないのか? 


 死神が、僕を二度も蘇らせてくれたのに――僕は、涼乃とともに生きるって決めたのに。


「ふざけんな、二人から手を離せ!」


 立ち上がる。すかさず頭に蹴りをくらった。続いて顔面に。膝が地面について、ぽたぽたと血溜まりができて、意識が今にもぶっ飛びそうだ。


 かすむ視界の中で涼乃がミニバンに連れ込まれようとする。

 ダメなんだ。このままじゃ僕じゃなくて涼乃が死んでしまう。


それだけは、絶対にダメなんだ――!!


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