表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死神が僕にくれた幸福な運命  作者: 風乃あむり
64/104

11

 去年までの涼乃は、どこかへ消えてしまったらしい。

 かつて彼女を覆っていた固くて刺々しいものは、僕が離れていた間にやわらかでまあるいものに変化していた。


 相変わらず女子の輪に入っていくのは苦手のようだったけど、今年はモモちゃん――桃谷さん。去年、文化祭をきっかけに仲良くなった子リスみたいな女の子――と同じクラスだったので、“ぼっち”になることはなかった。


 桜の葉が青々と茂るころには、クラスの男子たちも涼乃に話しかけるようになっていた。そして涼乃もそれにちゃんと応じている。


 いったい何があったんだろう?


 彼女の変化に驚いて目を回したまま、中三の四月が過ぎていった。

 僕は今さら涼乃に話しかけられず、もちろん朝の公園にも足を向けられず、ただくるくる回って時を刻むだけの時計みたいに生きている。


 すごく嬉しいことだ。涼乃に友だちができて、男子とも話せるようになって。クラス一のイケメンが涼乃に「告りたい」と言っていたのも聞いた。そうだ、告ればいい。涼乃に新しい恋人ができて、お互い好き同士になって――僕が彼女のために死んだ後も、そうならなくても、お二人さんで幸せに暮らしてくれればいい。


 それは、かつて僕が望んだ未来だ。


 そのはずなのに。


 僕はなんでこんなにイライラしているんだろう?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ