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五年前。死に向かう空色の電車の中で、アフロ頭の死神は僕に告げた。
「あなたは、“運命の女の子”に出会います。あなたの特別で、大好きになって、好きでいることで幸せになれるような、素敵な女の子に」
さすが死神だ。予言は完全に的中した。
夏原さんと出会って――彼女に恋をして――それだけで、生まれたときからずっと抱えていた大きな空白に色が添えられた気がする。
それは明るい花の色だった。
うずもれて生きることだけを考えて歩んできた僕の道に、突然陽が射しこんで。
ねぇ、僕知らなかったんだ。陽の当たる道を行くのがこんなに気持ちいいんだって。
いつまでも笑って歩いて行けそうな気がした。
この道がぷっつりと途切れるまで。
僕の命を、君にささげるその日まで。




