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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第三章

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オルランドへ!

 俺は街を全力で駆け抜けている。今、街は最悪な状態だった。エルフ領、獣人領、人間領と三つに分かれていた。



 いつ暴動が起こってもおかしくない状況だ。俺は街の出口まで着くまでにある話しを聞いた。それは明日の正午に三つ巴の戦争があることを。



 明日の正午まで、もうあまり時間が無い。今は夕方で晩飯を食っているような時間なのだから。



 なんとか急いでララちゃんの所に行かねばいけない。しかし、行った所で戦争を止めることも出来ない。



 人間の王子とエルフの姫君が無事だったとしても、この戦争を回避することなど出来はしない。



 街を出るとすぐにバイクを取り出しアクセル全開で荒野へと目指す。



 ララちゃん待ってろよ!


 今行くから!!



 荒野へと辿り着き隠れ家を探すためバイクから降りた。どこにあるかはわからないが、ソニアさんの事だからララちゃんはきっと無事だろう。



 必死に探すが、一向にそれらしき隠れ家が見つからない。



 何か見落としてるのか?



 何度も同じ所を見て回っても見つからない。焦り始めた俺は荒野を駆け回る。



 そうこうしてる内に日が沈み始める。これ以上は無理かと思い、近くの大きな岩に背中を預けようとしたらそのまま後ろに転んでしまう。



「いてっ!」


 なんで岩がすり抜けたのだろうかと振り返る。すると、そこには一軒の小屋があった。まさか、あれがソニアさんの言ってた隠れ家だろうか。



 きっとソニアさんの事だから、誰にも見つからないようにしていたに違いないと思い小屋へと走り扉を開けた。



 小屋の中にいたのはララちゃんだった。



「ショ、ショウ!!!」



 ララちゃんは俺を見るなり飛びついて来る。沢山、泣いたのだろう。目が真っ赤になっている。



「ショウ、ショウ!! ソニアがソニアが!!」


「わかってる……ソニアさんはもう……」


「そんな……ソニア……」


「悲しんでる暇はない。今すぐにオルランドへ向かう」


「なんでオルランドに?」


「ララちゃんを預かってもらう。明日の正午には戦争が始まるから」


「戦争って……そんな!!」


「なんとしてでも止める。ソニアさんと約束したんだ。この国を守ると」


「ソニアと……」


「だから、ララちゃん今すぐにここを出てオルランドへ行こう!」


「うん、わかった!」



 俺はララちゃんと小屋を出てバイクに乗る。しかし、初めて見るバイクにララちゃんが興味を示した。



「ショウ。これ何?」


「これは俺専用の乗り物さ。馬より速いんだ」



 簡単に説明をしてオルランドへとバイクを走らす。バイクを走らせているとララちゃんが急に話しかけて来た。



「ショウ、止まって!」


「な、なに? どうしたの?」


「何か聞こえる…」



 そう言うララちゃんの耳はピンと立っており忙しなく動いていた。何かを聞き取ったのかだろうとララちゃんを待つ。



「ショウ、あっちに向かって!」



 ララちゃんが指を差した方向はオルランドとは外れた場所だった。



 ララちゃんの言うことを信じよう。



 俺はその方向にハンドルを向けて走る。そこには絶壁が立ってあった。



「ここは……」


「ショウ、あそこ!! あの洞窟に入って!」



 ララちゃんが叫んだ方向へ目を向けると洞窟があった。俺達は洞窟へと向かう。俺は気配感知によって中に誰かいることを確認する。



 俺はバイクを止めて歩いて行くことにした。



「ララちゃん。一緒に行こう」


「うん」



 ララちゃんと二人で洞窟の奥へと進む。洞窟の奥へと進むと、何故か明かりがついていた。人が住んでいる証に違いない。



 やはり、誰かいる。



 そう思い俺は武器を取り出す。



「ララちゃん。せーので行くよ」


「わかった」


「せーの!!」



 掛け声と共に一気に駆け込む。そこにいたのは虚ろな目をした騎士達だった。騎士達は俺達に気付き攻撃をしかけてくる。



 俺は最初の騎士を蹴飛ばして突っ込む。体勢が崩れた騎士達を一気にグングニールを使って薙ぎ倒した。



 なんでこんな所に騎士達が?



 そんな疑問はすぐに無くなった。騎士達がいた場所の奥には牢屋があり、そこに捕らわれていたのは少年とエルフの少女だった。



 ララちゃんが牢屋へと駆け寄る。



「リーベル! ニーナ!!」


「ララさん!」


「ララちゃん!」



 どうやら少年の名前はリーベルで少女の方はニーナと言うようだ。三人は知り合いなようで、ララちゃんと仲が良さそうだ。



「よかった! 無事だったんだね!」


「うん。僕達ここに連れて来られたんだ!」



 連れて来られた?


 まさか、この子達が誘拐された王子と姫様か!


 そうか……



 この子達をここに監禁していたのか。でも何故この騎士達が監禁してたんだ?


 待てよ。



 確かララちゃんを誘拐した犯人も意識が無かったって聞いている。そんな芸当が出来るのは、恐らく黒のローブを着ている奴等に違いない。



 奴らの好きにさせてたまるか!



「ララちゃん! それとリーベル君とニーナちゃん! 君達にお願いがあるんだ」



 俺は三人にあるお願いをする。三人はそれを承諾してくれた。これで、こちらの準備は出来た。



「よし、急いでオルランドへ向かう!!」



 三人をバイクに乗せようとしたが、もう今は夜だ。今からバイクで全速力を出そうと間に合わない可能性が高い。



 それならと思い俺は魔力化を施す。



「煌輝迅雷!!!」



 光属性と雷属性を纏う。俺が想像する最速の形である。



「三人とも少し我慢してくれよ。今から限界のスピードでオルランドへと向かう!」



 三人は頷く。俺はリーベルとニーナを脇に抱えてララちゃんを背中に担ぐ。ララちゃんには鎖で痛くないように縛って落ちないように固定する。



「あ、あの……」



 なんかニーナちゃんが言ってくるが関係ない!



 俺は限界まで足に力を込めて一気に爆発させる。トップスピードに乗り俺はオルランドへと向かう。



 もちろん、今の俺の速さは音速を余裕で越えている為常人だと耐えられない。だから俺は魔力で結界を作り三人を保護している。これなら俺が全速力で走っても問題ない。



 一刻も早くオルランドへ!!!!!

改訂済み

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