旅立った矢先で
「ふんふふ~ん」
適当に鼻歌を歌いながらバイクで荒野を走る。風が気持ちい。今、俺は風になっているのだ。
それにしてもここどこだろうなぁ~
俺は愉快にバイクの旅を満喫していたら、岩が多くなって来る。その中には明らかに俺のバイクよりも数倍は大きい岩も沢山あった。
なんか西部劇とかで見たことある風景に似てる!!
そう思いながらバイクで走っていると、岩の影から人が現れた。
こんな場所に人が?
俺はバイクで近づく。こんな熱いのになんでローブなんか着てるのかと疑問に思った。だが、そんな疑問もすぐに吹き飛ぶ。
そのローブから美しい女性が見えたのだ。
うひょっ!!!
めっちゃ美人さんやああああ!!!!
よく見るとスタイルめっちゃ良い!!
もうね、アレは武器だね!!
人殺せるよ、あのおっぱいは!!
そして、強風が吹きローブが飛んでいった。そんな簡単に飛ぶものなのかと思ったが女性の姿はみすぼらしい格好でヘソ出しでした。
大興奮だ。もうガン見である。肌をあまり隠してないから素肌が丸見え。
やばい、このままだと鼻血が出てしまう。
「あ、あの大丈夫っすか?」
動揺を見せないようにしたが、童貞丸出しの喋りになってしまった。
なんて言うかエロい。
エロいんです。先程からと息を切らしていて胸が揺れている。必死に視線を逸らして紳士らしさをアピールする。
「あー、よかった。旅の方ですか?」
女性が俺に尋ねて来る。女性は手を膝に付けて屈んでいるため上目遣いだ。童貞な俺にはクリーンヒットである。
「そうですよ」
「よかったぁ! 私、昨日盗賊に襲われて身包みを剥がされてしまい、昨日から何も食べてなくて……それで水も飲んで無いんです」
つまり、俺に分けろと?
飛び出してきたせいで、そこまで余裕無い。しかし、こんな美人が上目遣いでお願いされると弱い。
「いいっすよ!! これお水です!!」
すいません。
誘惑には負けます。
いや、やっぱり女の身体は武器って本当だよね。あんなスタイル良くて綺麗な人に迫られたらホモ以外はやられてしまうね。
二つ返事で俺は女性に水を渡す。
「ありがとうございます」
水を渡すと女性は頭を下げて礼を言って来る。そして、すぐさま水をゴクゴクと一気に飲んで行く。
ああ……そんなに一気に……
俺の気も知らないで飲んで行く。何も言えるはずもなく、全部飲み干されてしまった。残ったのは空っぽの水筒だけだ。
遠慮という言葉を知らないのか?
「ぷはぁっ!! 助かりました!」
「あ、ああ……どういたしまして」
少し不貞腐れ気味で言う。水筒を返してもらい、これ以上関わりたくないと思いその場を去ろうとする。
「あの、よろしければ街まで乗せてくれませんか?」
何故そこまでしなきゃいけない!!
とは言えないのでやんわり断ろうとする。
「いや、これ一人乗りなんで」
「お願いです! なんでもしますから!!」
「だからね、これは」
「なんならこの身体を自由にしていいですから!!」
なん……だと……!
それは真か!!!
もし、本当だったらあんなことやこんなことなんかもと妄想する。
でへへへへ……
はっ!!!
しまった!!!
ついニヤけてしまった。
だけど童貞卒業……
ゴクリと生唾を飲み込む。こんな美人とエッチが出来る。もしかしたら一生無いかもしれない。
よし、そうと決まれば!!
「どうぞこちらに!!」
キリッと決め顔で後部座席に座るように促す。
「本当にありがとうございます!! 街までは私が案内しますね!! それと代金の方は街についたら……」
女性はそこまで言うと赤くなる。思わず、歓喜のあまり叫びたくなるが、ぎりぎり衝動を抑え込む。あくまで紳士的に行かねばならない。
「では、行きますよ。しっかり捕まっててくださいね」
「はい!」
女性は俺の腰に手を回して来て抱きしめるようにしてきた。背中には、かつてないほどの幸福がありました。
これがおっぱいか……
幾多の妄想をしてきたか……
今それが現実に!!!
俺はバイクをアクセル全開で荒野を走る。女性に指示された方へとハンドルを切る。
そして、ふと疑問に思ってしまった。なんでこの人は盗賊に襲われてこの程度なんだと。もし、盗賊に襲われたなら、こんな美人を盗賊が放っておくわけがない。
そんな疑問が頭に浮かんでしまい、おっぱいの感触など忘れて疑問が頭を埋め尽くす。
「あそこに入って下さい! あの洞窟を抜ければ街に着きます!!」
そう言われたので、一旦思考を止めて洞窟へとバイクを走らす。洞窟に入ると薄暗く視界が悪かったのでヘッドライトをつける。
そうして走っていると行き止まりにぶつかる。ブレーキを掛けて止まり、後ろにいる女性に話しかける。
「あの行き止まりなんですけど?」
「……」
「あの?」
すると、先程まで暗かった洞窟が明るくなり始める。そして周りを見渡すと男達が武器を構えていた。
「ひゃっはー! まんまと騙されやがったぜ!」
「げへへへ!! さすが頭だぜ!!」
「ひっひっひ!! どう料理してやろうか!!」
「内臓食わせろ!!」
「ぐへへへへ!!」
なんかやばいのがいるんですけど?
それより頭?
まさか、そんなことって無いですよね?
俺は女性へと振り返ると、腰にあった手がいつの間にか離れており、腕を掴まれてしまった。
「チョロいもんだねぇ!! まっ、アタイにかかればこの程度朝飯前よ!」
後ろにいた女性が豹変した。どうやら俺の疑問は正解だったらしい。
あー、どうしてこう俺はついてないのかね…
「ホラよ!!」
俺は頭と呼ばれる女性によりバイクから投げられる。尻餅をついて地面に座る。
「驚いて声も出ねぇか?」
男達は俺を見て笑う。下品な笑い声が洞窟内に反響している。
「はっ! それにしてもアタイがお前みたいなブサイクで冴えない奴に身体を許すかってんだ!! それに決め顔もダサかったし!」
頭と呼ばれる女性に罵られる。まるで、俺が汚かったかのように手を拭いていた。それを見た男達がさらに笑い声を上げる。
「ぎゃっはははは!! だせぇ!!」
面白すぎて腹を抱える奴もいた。わざとらしく転がり回っている。
その光景を見た俺は静かに切れた。
「おい」
「あん?」
「なんだ??」
「お前達は罪を犯した」
俺がそう言うと盗賊達はさらに笑い出す。
「頭イかれてんのか、てめぇは!! 俺達は盗賊だぞ!? 罪なんて犯しまくりだ!! 女も犯しまくったけどな」
さらに盗賊達は笑い声を上げる。もう、こいつらに情けはない。俺は、怒りの感情を爆発させた。
「てめえらは俺の純情を弄んだ! そして!!! 俺を、怒らせたっ!!! よって貴様らは全員死刑じゃああああああ!!!」
感情のままに暴れ回り、俺を笑った盗賊たちをボコボコにした。一瞬の出来事だったので頭である女が困惑した顔をしている。
「へっ。あれ?」
頭と呼ばれた女性はまだ理解出来てないようだ。自分の置かれた状況に。
「喜べ。貴様は最後にしてやったんだ」
「ひっ……助けて……」
「覚悟しろ!!」
「お、お願い!! 殺さないで!! 私なら好きにしていいから!!」
「てめえみたいな性格ブス野郎なんざお断りだ!! どれだけ顔が良かろうが、どれだけスタイルが良かろうが、てめえみたいな女は死ねええええ!!!」
「ひぃ……ああああああああああ!!!」
俺の純情を弄んだ罪は重い。異空間からグングニールを取り出す。そして、女が立っている眼前にグングニールを突き刺す。
殺されると思っていた女はグングニールを見て、そのまま失神した。倒れた女は失禁までしていた。
「ふん……汚え野郎だ」
男達は俺を笑った罰としてアソコに錠をしてやった。外すことは俺以外不可能であり、もちろん排泄しかできない。
これに懲りたら悪事はやめるんだな!
盗賊たちを置いて俺はバイクに跨り、再び当てもない旅を続けた。
改訂済み




