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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第二章

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誘拐

 最近、やたらとローラが絡んでくる。そのせいで俺がローラを無理矢理脅して連れ回しているという噂が流れてる。



 いや、俺なんもしてないからね。


 むしろ、被害者だからね?



「ねえ?」


「……」


「ちょっと、無視しないでよ」


「なんだよ」


「私の話聞いてた?」


「聞いてた」


「じゃあ、言ってみてよ」


「ホラ、アレ、だろ? その……えっと」


「やっぱり聞いて無い!」


「すいません」


「だから、行方不明者は、皆放課後に学園に残ってる生徒なのよ!」


「そうだっだんだ」


「だから……その……ね……?」



 突然、身体をくねらせてモジモジとしているローラに首を傾げる。そして、察しの良い俺は気が付いた。



「お花を摘みに行きたいのか?」


「は?」


「えっ? トイレだろ?」


「……」


「あれ違った?」



 今度はプルプル震えてる。もしかして我慢の限界なのかと思っていたら顎に強烈な一撃を貰ってしまう。



「このボケええええ!」


「ごあっっ!」



 ローラは俺の顎に膝蹴りを喰らわしたら、そのまま何処かへといった。プンプン怒りながら過ぎ去っていく背中を見詰める。



 俺なんかした??



 そんな疑問だけが残るばかりであった。こうして放課後になり俺は帰ろうとしたら、またもやローラに捕まった。



「何、帰ろうとしてんのよ」


「えっ? 下校時刻じゃん?」


「これから私と居残りなさい! 行方不明者をこれ以上出さない為にも!」


「え!! やだよ! お前と居たら行方不明どころか遺体で発見されそうじゃん!」


「な、何よ私が貴方を殺すとでも?」


「ちげえよ!! お前の周りの連中にだよ!」


「いくら貴方が犯人扱いされてるからって殺されはしないわよ! それに貴方を殺すなんて相当な実力者じゃなきゃ無理でしょ!」


「それはそうだけど……」


「はい。じゃあ決定! さあ行きましょ」


「どこに行くんだよ?」


「……」


「決まってないのかよ!」


「仕方ないでしょ!! 行方不明者は学園内で出てるんだから! とりあえず学園を徘徊するわよ!」



 なんなのこいつ?



 結局、俺はローラに連れられて放課後の学園を巡回することになった。



「それにしてもさ、外には騎士が巡回していて中では先生が見回りしてんのに、どうやって行方不明者なんか出るんだ?」


「それはそうだけど……」


「これさ、行方不明じゃなく誘拐でもされてんじゃねえの?」


「……」


「ん?」


「そうか……」


「へ?」


「そうよ! 誘拐よ! おかしいはずだわ!! 未だに行方不明者は見つかる所か増える一方なのは誘拐されていたのよ」


「お、おう」


「そうと決まれば犯人捜しよ!」


「お、おう」



 こうして俺とローラは誘拐犯を探すという方


 向に決まった。俺とローラは学園内を歩いていた。もしかしたら、誘拐犯が俺達を次の標的にするかもしれないという理由で。



 ん?


 なんだ?


 なんか変な感じだな?



 学園内を歩き回っていたら妙な感覚に襲われる。気になったのでローラに声を掛ける事にした。



「なあ」



 ローラに話し掛けるがローラは俺を無視して先に進む。



「おい!」



 先程よりも大きい声でローラに話し掛けるがローラは俺を無視して先に進もうとする。



「おい、ローラ!!」



 流石に何度も無視されると辛い。なので、肩を掴んで呼んだらようやく気づいた。



「あれ? 私……」


「さっきから、何無視してたんだよ」


「えっ? 私が?」


「さっきから呼んでもボーっとしてたぞ?」


「嘘……」


「嘘じゃねえよ」



 ローラは酷く動揺していた。肩が震えて何かに怯えているようにも見える。



「私、声が聞こえて……」


「声?」


「うん。なんだか呼ばれてるみたいに」



 ローラ曰く女性の声が頭に響いてきて誘われるようにその声に従っていたらしい。



 なんじゃそりゃ?


 全くわけわからん。



「もしかして……セイレーンかも……!」


「セイレーン?」


「ええ。セイレーンはね、敵の精神を操ることが出来るの」


「どうやって?」


「声よ。声で敵の精神を操り自由にすることが出来るの」


「マジか!?」


「マジよ」


「でも、俺は何ともなかったぞ?」


「多分貴方の方が、セイレーンよりレベルが高いからよ」


「へえ~」



 その時、ローラと会話していたら綺麗な歌声が聞こえて来た。

改訂済み

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