表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/684

編入!?

「へぇー」


「あんた呑気ねぇ」


「そんなこと無いっすよ」


「ならもう少し反応ないの?」


「これでも十分驚いてますよ」



 俺は今リズ達と喫茶店にいる。男達の視線がやたら俺に向かってくる。あいつら視線だけで人殺せるんじゃないのかと思う。



 それは、ともかくリズから聞いた話は最近街で魔物が良く出るらしい。俺が以前にこの喫茶店で魔物を倒して以来、頻繁に出現するようになったらしい。



 それ全てに黒いローブの男が関わってるらしく騎士団が全力で捜査をしているらしいが、一向に進展しないとのこと。



 ローブの男の情報は、なに一つと掴めないままなのに魔物は出現するばかりで街の人達は不安のようだ。現にこの喫茶店も前に俺が来た時よりも客が少ない。



「それにしても、最近この街おかしいですよね」


「キアラもそう思う?」


「ええ。何か良からぬ事が起こってるんじゃないでしょうか」


「すいませ~ん。チョコパフェひとつ~」


「ソフィ……あんたも気楽よね」


「何が~?」


「なんでもないわ」



 ソフィさんが注文したチョコパフェが来て、俺は見ていたら欲しくなったので注文することにした。



「美味しい~」


「そういえば魔物もそうですけど、最近学園の生徒が何人か行方不明なんですよ!」


「それ私も聞いたわ! しかも、行方不明の子達は全員魔力が高い生徒ばかりらしいわね」



 チョコパフェまだかな……!



「ショウ聞いてるの?」


「……」


「ショウ!!」


「は、はい!」


「今、なに考えてた?」


「なんで魔力の高い子達ばかり消えるのかと……」


「そう……それよりチョコパフェ遅いわね」


「本当それっすよ! さっきから楽しみで待ってるのにどういうことっすか!」



 カマをかけられた!!


 これは不味い!



「へぇ~真面目に聞いてると思ったらそういうことだったのね……はっ!」


「アビャビャビャビャビャビャ!」



 痺れる!!


 久しぶりに!



 リズに電撃を浴びせられていたら俺のチョコパフェが来た。必死に手を伸ばす俺だが無情にもチョコパフェは奪われてしまう。



「キアラ、一緒に食べましょ」


「えっ、でもそれショウさんのじゃ」


「良いのよ。ショウがくれるって」


「そうなんですか。ショウさん?」


「ダベベベベベベベベベべ」


「じゃあ、貰いますね」



 俺はダメと言ったつもりなんだが電撃を食らってるせいでうまく呂律が回っていなかった。リズさんとキアラさんが食べ始めた頃に電撃が収まった。



「……」



 俺はただ黙ってチョコパフェを見つめているとソフィさんから声を掛けられる。



「ショウちゃん」


「はい?」


「はい、ア~ン」



 キターーーーーーーー!!!!


 美女からのア~ンです!!


 もちろん頂きます!!



「アーーアビャビャビャビャビャビャ」



 再び電撃……!


 痺れる!!


 なんで?



「リズったら~」



 ソフィさんは俺にア~ンしてくれてたチョコパフェをそのまま自分で食べてしまった。



 俺のチョコパフェエエエエエエ!!!



 結局、俺はチョコパフェを食べられず全額奢るハメになった。あまりの理不尽さに叫ばずにはいられなかった。



 なんでじゃ!!??



 その日はそのまま解散した。次の日俺はギルドに行き依頼を受けようとしたらセラさんに呼ばれた。



「なんすー?」


「国から依頼が来てるんですけど、ショウさん以外無理なんですよ」


「突然すね? どんな依頼です?」


「ショウさんは最近学園の生徒が行方不明になってるのはご存知ですか?」


「キアラさんから聞いたっす!」


「えっ! キアラといつ会ってたんですか??」


「昨日、リズさん達と喫茶店で」


「なっ……ズルイ……私だって一緒にお茶したかった……」


「あのセラさん?」


「あっ、すいません。少し取り乱してしまいました。それでですね、ショウさんに依頼なんですけど学園の生徒に変装してもらいたいんです」


「な……ん……だって!」


「はい。これ以上、行方不明者を出す訳には行かないのでショウさんに生徒になってもらって行方不明者を捜してもらいたいんです」


「なんで俺なの?」


「ショウさんまだ十七歳ですよね?」


「はい」


「本来なら学園に通ってる年齢なのでショウさんにピッタリの依頼なんですよ」


「じゃあ、俺は生徒になって囮になるって訳ですか?」


「まあそうなんですけど、そのまま編入という形になります」


「それじゃ平日に依頼が」


「受けれませんね」


「いやっすよ!!」


「こればかりはどうにもならないんです」


「そ、そんな……」



 そんな、じゃあ俺はあの勇者達が通ってる学園に通うことになってしまう。絶対、鉄人もいるに違いない。



 捕まってしまうやんか!!


 それだけは阻止したい!!



「それと騎士団の方から一名派遣されますので、その方と一緒に行方不明者を捜して下さい」



 どうやら決定事項らしい。俺は諦めて依頼を受ける。俺の自由な日々が失われた瞬間だった。



 ああ……儚き夢よ……

改訂済み

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ