表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕の部屋がアイテムボックスな件  作者: ぎあまん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/51

謎バイト01



ーーーーーーーーーーー

 いつもニャンゴト・サービスをご利用いただきありがとうございます。

 さて、本日は尾羽様にお仕事のご依頼がありましてお手紙差し上げさせていただきました。


 仕事内容『指定の物件から指定された物品を持ち帰る』

 報酬『物品一つに付き、最低一万円(物品によっては追加報酬の支払いもあります)

 指定期間『お手紙をお読みの時点から一週間以内』


 お返事はこの手紙の前で口頭にていただくことができます。


ーーーーーーーーーーー




 手紙の内容はこうだった。


「バイトねぇ」


 お好み焼きを食べながら読み終えた僕は首を傾げた。


「怪しさ満点だね」


 さすが異世界の物品でお金を支払う企業だ。

 意味がわからない。


「どう思う?」


 真白に意見を求める。

 小さな口をいっぱいにしてお好み焼きを頬張った真白は、僕に渡された手紙を見て、ちょっと唸った。


「普通のお仕事ではなさそうですね」

「それはそうだろうね」


 いつの間にか玄関に手紙が置かれているのだ。

 玄関に鍵はかけられているのに。

 そんなことをするところが普通のバイトを斡旋してくるはずもない。


「ううん、仕事内容はわかりませんが……ううん……」


 真白はしばらく唸ると、「うん」と頷いた。


「大丈夫ですね。受けても問題ないですよ」

「どういう理由で?」


 唸っている間になにかを調べたんだろうなっていうのはわかるし、真白のことを疑っているわけでもないけど、その理由は知っておきたい。

 真白は少し困ったように首を傾げた。


「ううん、説明は難しいですけど……あっ!」

「?」

「真白は幸運を呼ぶ白蛇ですから」


 と、エヘンと胸を張った。


「説明になっていないような? でも、まぁいいか」


 怪しいけれど一万円というバイト料には興味ある。

 しかも、働き次第で増えるっていうんだから、美味しい。


「問題ないなら……受けます」


 と、指示通りに手紙の前でそう言ってみた。


「あっ、来ましたよ」


 真白がそう言うので再び玄関に見に行ってみると、同じ場所にまた封筒が落ちていた。





ーーーーーーーーーーー


いつもニャンゴト・サービスをご利用いただきありがとうございます。

承諾のお返事ありがとうございます。


さて、指定物件ですが……〇〇〇〇XXXX▲▲▲▲となっております。

物件前に当社スタッフが待機しておりますので、その者の指示に従って該当物件に入り、別項指定の品を可能な限り持ち帰ってください。


注意点として、スタッフに渡さず持ち帰るようなことはしないようにしてください。

また一週間以内にお越しくださるようお願いします。


ーーーーーーーーーーー


 書かれていた住所は市内のものだった。

 確認でマップアプリを使ってみると自転車で三十分ぐらいの場所にある。

 これならすぐ動くことは可能だ。


 便箋の二枚目に指定の品一覧が書かれていた。

 ずらっと並んでる。

 着物とか、鏡とか……箪笥?

 なんか色々あるけれど、人形が多いな……うん?


「使用済み藁人形?」


 いきなり物騒な名前が出てきた。


「ああ、やっぱりそういう依頼ですよね」

「わかるの?」

「いや、そっち系のジャンルだろうなって。むしろ安全な方だと思います」

「ほんとにぃ〜?」

「はい! だって真白がいるのですから!」


 そう言われてみたらそうかもしれない。


 あ、でも他にも聞きたいことが。


「そっち系のジャンルって……他にはどんなの想像していたの?」

「……」

「真白?」

「……」


 なんかニコニコしたまま沈黙した。

 怖い。

 一体どんなのがあるんだろうか?


「大丈夫です! そんなのが来た場合は、真白とお家が全力でお守りします!」

「そうならないように気をつけるよ」


 美味しい話には裏があるってことだよね。

 普通どころじゃない謎企業からのバイトなんだし、それも当たり前か。


 こんな話がまた来たとしても絶対に一人で決めたりはしないようにしよう。


「とにかく、ご飯食べたら行ってみようか?」

「はい! お供します!」


 というわけで、残りのお好み焼きを食べ終わると、僕たちは自転車でそこに向かうことにした。


 自転車を漕いで辿り着いた場所にあったのは、古めかしいアパートのようだった。

 道路に面した部分には壁と窓しかない。

 ボロボロの壁を見るだけで、築年数は余裕の半世紀越えだと思わせるものがある。

 それ以上はわからない。


 入り口は建物に面した脇道にあるのだろうか?

 そう思って覗き込むと、道の中央に一人の人物が立っていた。

 スーツ姿なのにフードをしているという、とても奇妙な格好だ。

 フード付きのコートを着ているとかではなく、おそらく紺色スーツのジャケットにフードが縫い付けられているのだと思う。


「尾羽様ですね」


 僕が驚いて固まっていると、その人物は体ごとこちらを向いた。

 正面を向いたはずなのに、フードの中の顔がよくわからない。

 うわ。

 これはたしかに変なバイトを受けたのかもしれない。


「この度はありがとうございます。早速お仕事の話をしても?」

「え、ええ……お願いします」

「該当物件はこちらのアパートの102号室です。鍵はこちらに」


 そう言って、鍵を渡してきた。


「差し上げたお手紙に該当品目の一覧があったと思いますが、そこに書かれている物以外は持ち出さないようにしてください。また、念押しになりますが、私に渡さない物も持ち出さないようにしてください。あと、追加の注意事項となりますが、部屋に入れるのは一度だけです」

「一度だけ?」

「はい。よろしいですか?」

「わかりました」


 どういう理屈かわからないけれど、決まりなら仕方ない。

 あ、そうだ。


「ええと、確認ですけど」

「はい」

「一回なら何個でも持ち出していいんですか?」

「ええ、もちろん。こちらとしても可能な限り多く確保したいので」

「それなら、こういう袋に入れてもいいんですか?」


 僕は手にしていた紙袋を見せた。

 どこかのブランドのロゴが書かれている。

 母親が服かなにかを買った時に店から貰ったものだろう。

 こういうのが母親の部屋にはいくつも放置されているので、全部僕が畳んで押し入れに放り込んでいたのだ。

 それを一つ、持ってきていた。


「もちろんかまいませんが、袋が破れて溢れるようなことはないようにお願いします」

「わかりました」


 内ポケットにいる蛇の姿の真白が問題ないと言っているので、僕は頷き、受け取った鍵を持ってアパートの入り口に入った。

 脇道から入るとそこは中庭のような雰囲気があり、小さな畑まであった。

 その畑の反対側には、僕にもわかる古いアパートの正面側に似た雰囲気があった。

 静まり返っていて、誰かがいるようには思えない。


『102号室』の部屋番号を見つけると、鍵を使って中に入った。

よろしければ、励みになりますので評価・ブックマークでの応援をお願いします。

下の☆☆☆☆☆での評価が継続の力となります。


カクヨムで先行連載していますので、よろしければそちらの応援もお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ