第92話 由依ー人を殺せる外道精神操作魔法
ーー時は数分ほど巻き戻り
「化かし合いじゃあ!!」
「化かし合いよぉ!!」
とタエコちゃんと魔王キュウビが戦闘を開始した。
開幕ブッパで俊平ちゃんが指を飛ばしているのを見て、俊平ちゃんの近くでは間違いなく爆発に巻き込まれる。
俊平ちゃんは見た目からは考えられないほど戦闘方法がド派手だ。
なにせ能力が自爆。
大爆発を前提としているから。
しかも、相手は殺戮のマリス。
すべてを切断する能力を持った、五戒魔帝最強の幹部だ。
俊平ちゃんから離れるように移動しつつ俊平ちゃんとタエコちゃんが戦いやすいように雑魚たちを集めて私たちで対処しないといけない。
「みんな、人間を殺したことはある?」
わたしがそう聞くと、縁子も消吾も鉄太も佐之助も首を横に振った。
「おーけー。<狂戦士精神>」
わたしはみんなに、あるデバフを掛けた。
一種の思考誘導の魔法。
わたしが戦場聖女系のシナリオで手に入れたとある精神魔法。
戦士に高揚感を。人を殺した時に起こるストレスの軽減を行う、非人道的な精神操作魔法だ。
戦闘が終わった後、ゲロゲロに吐く地獄の副作用があるけど、それはもう内緒だ。
「邪淫のリビディアのときと一緒だよ。相手は死ぬ気で、殺す気でかかってくる! わたしたちは、相手を殺すことを躊躇したらダメなんだ!!」
わたしは消吾が<次元収納>から取り出した剣を、襲って来た魔人に突き立てる
「殺すことにためらわない事。各自協力しながら魔人を撃破すること!」
「「「 応!! 」」」
「わかったわ!」
男性陣と縁子の返事をうけ各自戦闘を開始していた。
「咲子、貴様はなぜこの世界におる!!」
タエコちゃんの方も分身したタエコちゃんたちが一斉に魔王キュウビに襲い掛かるも
「その問いに答える必要があるかしらぁ!」
しっぽの一振りで、分身のタエコちゃんたちが薙ぎ払われる。
「妙子はなぜこの世界に来たのかしらぁ!」
キュウビははだけた和服の胸元から、三本の竹の筒を取り出してタエコに向けると
「<管狐・刺突槍>」
管から飛び出した3匹の細長い狐が槍へと変化し、タエコちゃんを狙う。
直線移動の三本の槍の投擲に、タエコちゃんは横っ飛びで躱すが
その槍は意志を持ってその軌道を曲げ、、柄を曲げ、タエコちゃんの横っ腹に槍の穂先を突き刺した。
「それは<身代わり地蔵>じゃ。」
しかし、ポン! という軽快な音と共に、タエコちゃんの姿は赤い前掛けをした地蔵に置き換わる
地蔵に体を突き刺した管狐はへたりと動かなくなってしまう。
「ワシらは、つい半年前、この世界に呼び出されたんじゃ。ワシの所属する学び舎のクラスごとな」
そういって、タエコちゃんは腰にぶら下げた瓢箪から酒を口に含むと
「<たぬき火・牛車>!!」
まるで墨汁で描いたかのような、内側がグレーで外側が黒に見えるの炎を毒霧の様に吐き出した。
それが牛を形作り、キュウビに襲い掛かる
「あらぁ、ババァが若作りして学生の真似事かしらぁ。滑稽だわぁ。引率も大変ねえ。<狐火・叢原火>!!」
キュウビは尻尾から炎を纏った巨大な人の生首を出現させ、タエコちゃんのたぬき火を相殺する。
その炎の余波で、5人ほど魔人が焼け死んだ。
タエコちゃんは腰から下げた瓢箪をくるくると回してふたを開けると
「人の事言えんじゃろうが! なんじゃ高校生って! 自分こそ平安時代からのババアだと知れ! 今は令和じゃぞ!
<瓢箪吃驚独楽>!」
「わたしはいつだって美しいからいいのよぉ!」
タエコちゃんは瓢箪の中から巨大な独楽を発射する。
ーーガイン! と、硬質の音。
キュウビは右手の鉄扇でそれを受け止めた
瓢箪から独楽って、駄洒落かよ。【瓢箪から駒】は瓢箪から子馬が現れるくらい冗談で言ったありえん事がマジで起こってしまったやんけっていう、冗談が本当になってしまったことに対する慣用句。
一番近いことわざは【嘘から出た実】だよ。
棚から牡丹餅じゃないからね。
「すっげぇ、マジで妖怪大戦争だな」
わたしは戦闘中だというのに、感心してしまった。
「感心してる場合!? 由依ちゃん! よそ見しないで!」
縁子は炎の精霊、サラマンダーを召喚し、小型のロッドを魔人に向けて3人の魔人をまとめて焼き殺している。
縁子のアビリティは<精霊使い>。精霊を召喚し、意のままに操り、火・水・風・土・光・闇の魔法を操ることが出来る特別な才能。
さらには俊平ちゃんが禁書庫で見つけたという、数百年前の勇者が残した日記に記されていた【通魔活性】。これは行う事で魔法とスキルの操作性を高める技術で、もちろん、それを縁子も使うことができる。
召喚した精霊たちとの意思疎通、リンク、魔力供給などを受け、ほぼ無限に戦い続けることが、今の縁子には可能だ。
もちろん、精神的疲労は考慮しないものとする。
「ごめんごめん。あまりにもあっちの妖狐と化け狸の大喧嘩が気になりすぎちゃって………」
「気持ちはわかるでぇ、佐藤。 さっさとこっちを片付けて鑑賞会と行きたいもんやな!! <武装解除>!」
戦闘中のよそ見を謝ると、消吾は己の半径2m圏内にいる魔人の持っている剣や杖、防具に至るまで一瞬で己のアイテムBOXにナイナイしてしまった。
ずっる!
あとがき
次回予告
【 悪だくみ 】
お楽しみに
読んでみて続きが気になる、気にならないけどとりあえず最後まで読める程度には面白かった
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