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テンプレバスター!ー異世界転生? 悪役令嬢? 聖女召喚? もう慣れた。クラス転移も俺(私)がどうにかして見せます!  作者: たっさそ


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第91話 あおいーテセウスの船


わたしが対峙している殺戮のマリスは、わたしが召喚された数百年前のあの時、私が知る限りすでに最強の魔人だった。


通魔活性の技術はまだなく、勇者と同じ成長をすると言う魔人たちに、幹部どころか普通の魔人に勇者複数人であたらないと勝ち目がなかった


当時拿捕した五悪魔帝と呼ばれる幹部、【邪淫のルードネシア】より、拷問の末その秘術を聞き出し、魔力を限界まで使い、通力のみに意識を通し、魔力と共に通力を混ぜることで、魔法と通力の両方を効率的に操作する能力。


 当時の邪淫は、ルルディア王国内部に変装して潜り込み、その体でもって男性の勇者を、騎士を、近衛兵を篭絡。

 相手の望む姿の幻覚を見せ、肉体関係になったものを無条件で操る<月下美人の誘惑(エピフィラムトラップ)>という、男性の天敵ともいえる能力を備えていた。


 違和感を見つけた咲子が侵入者として摘まみ上げ、拘束したことで王国の崩壊は防げたものの、邪淫のルードネシアがくたばるそのときまで、操られた男性陣が正気を取り戻すことは無かった。


 わたしたちの時代のリーダーである。雷寺明人(らいじあきと)が拷問を行って敵の能力の発動の仕方を学べなかったら、己の肉体でもって人体実験を行っていなかったら、もっと損害が起きていたはずだ。


 戦力の足りないあの時期に、よく情報を取る為の拷問を決断したと思う。

 仲間が正気を失っていて、一刻も早く解放しないといけなかったと言うのに。


 通魔活性を覚え、魔人とも渡り合えるようになっても、五悪魔帝と呼ばれる幹部には程遠く。

 中でも殺戮のマリス。こいつと偸盗のステイルだけは別格だった。


 マリスは魔人ではない、なにか特異の種族。

 ステイルは魔人の中でも四つ腕の巨人族。


 わたしたちの時代の勇者は、この二人の魔王軍にほとんど殺されてしまった。


 むろん、<自己再生(シナズ)>の能力をもつわたしも、幾度となく殺された。


 そして、咲子の寝返りと言う形で戦況は傾き、わたしはクラスメイト達の囮にされ、

 さらにはマリスに封印され、その戦争の行く末を見守ることができなかった。

 

 現在も戦争中であるということは、その間の魔王軍は明人がどうにか押し返してくれたのだろうとは思う。


 それでも、わたしは一度も勝てなかった。


「わたしたちの牙は届くぞ、俊平くん」


 だが、俊平くんの能力と合わされば。

 わたしの<自己再生(シナズ)>と俊平くんの<自爆(ディシンテグレイト)>が合わされば。

 

>そうだね! やろう!!


 きっと、倒せぬものなどないのだ。


「不快である」


マリスはただ一言、そうつぶやいた。



「は?」


次の瞬間、わたしの首が飛んだ。


視界が回る。

 いや、頭部が回転している?


ーーザクッ!! と後頭部側から呆けて開いた口までを剣で貫かれて、視界の揺れが戻るが、そこにあるのは、首から噴水のように血を吹き出す白無垢を血で汚すの首なし人間。


「見るのである。貴様は死んだ。」


 死なないよ。と言おうとしたが、首は肺から離れているし、口を貫かれているため発声はできない。

 だらりと舌が垂れ下がる。

 薄れゆく意識の中で、残された胴体から即座に新たな首が生え、新たな頭部と目が合うのを感じながら、剣で掴まれた頭部を爆破した。



ーードォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!



 至近距離での自分自身で行った爆発を食らってゴロゴロと転がるどころか、腕と内臓が吹き飛んだ。

 エデン湖の砂利で全身が傷だらけだが、それもすぐに再生する。

 頭一個分の爆発だ。

 魔力障壁じゃ防ぎようがない。無傷じゃすまないだろう。


「ゲェッホ! ベッ!! 悪いね。動揺を誘いたいんだろうけどさ。もうとっくにそういう次元は超えているんだ。」


 口にたまった血だまりを捨てる。

 どうせこんなもので死んだりはしないだろう。


 距離を詰めるために背中を爆破。

 推進力を得て大爆発の爆心地へと突っ込む。 


「わたしらのいた世界にはさ、『テセウスの船』だとか『おじいさんの古い斧』だとか、そういう物語がある。古いものをすべて取り換えて、残ったものははたしてもともと持っていたものなんだろうかってね。」


 爆心地には、やはりほぼ無傷のマリス。

 だが、首を突き刺していた剣の方は破壊できたようだ。

 更には剣を持っていた右腕も、重度の火傷を負っている。

 さらにポタポタとこぼれる血も見える。


 魔力障壁、貫いたぞ。


「当たり前だ。全部わたしだ! 何百年その問答をしたと思っている! その問いに対する答えはもはや虚無といっていい!!」


 もはや元のわたしなど一ミクロンも残っていないし、わたし自身再生を続けて、あおい2号か3号か俊平4号目か、俊平との融合もしてしまえば、もはや見当もつかん。

 考えるだけ無駄なんだ。


 マリスは双剣の右片方を捨てると


「ならば、再び封印するまでである。」


 マリスがその焼けただれた右腕をエデン湖に向けると、エデン湖に波紋が浮かび、波紋の中心から蛇のような、触手のような形を描き、水をくみ上げる


 ザバァアア! と音を響かせ、立ち上る水の柱。


 窒息か? 閉じ込めるつもりか!


 指を、拳を、爆破してうねる水の蛇に打ち込み、それを爆破して破壊するも、エデン湖は広大だ! いくらでも水がある! キリなどない!


「無駄である。水にはどんな物理攻撃も聞かないのである」


「なら本体を狙うさ。水の操作、大変だろう!」


 手首を爆破。その拳はまっすぐにマリスへと向かう!

 水の操作に集中している間は、魔力障壁も展開できまい!


「その程度の事は予知(よ)めているのである」


 水の蛇を操り、その拳を受け止め飲み込んで直撃を防ぎ、そのまま津波のようにわたしに向かって水を押し出して来た!!


「ガッ! ゴボゴボ!!」


 その圧倒的な効果範囲に、わたし自身、飲み込まれてしまった!

 しかも、水だと言うのに、その水にすら<切断(イクスキューション)>の効果が載っているのか、全身がバラバラに細かく分解されてしまう!!


 即座に再生をするが、水の流れ、それが斬撃となって体中を切り刻み、肉体原形を保つのが難しい!


「単純な質量攻撃である。」


 確かに。単純な質量、物量で来られたらたまったものではない

 さらにはパキパキと水が凍り付き、


「封印させてもらうのである。」


 全身がバラバラのミンチのまま、わたしは氷漬けにされてしまった。





あとがき


マリス戦終了まであおい視点で一気に書いたけど時系列合わせるためこの地点から視点収束するし由依サイド書きます。

視点コロコロしてスマンの。

6話分ストックしてる利点だな。


次回予告


【 人を殺せる外道精神操作魔法 】


お楽しみに

読んでみて続きが気になる、気にならないけどとりあえず最後まで読める程度には面白かった

と思ってくださる方は

ブクマと

☆☆☆☆☆ → ★★★★☆(謙虚かよ)をお願いします。(できれば星5ほしいよ)

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