本当名、映し出される自分
すみませんお待たせしました!
レイヤール達は出発してこれからアーベンヘルツへと向かう便に乗っていた
船のベットが三つ並んだ綺麗な部屋に真ん中にレミウスが寝ていて、その横でエルローラが治癒魔法でレミウスを治療している
エルローラが治癒魔法を終えて「これで良し・・・これで私生活には問題無いと思うけど戦闘は無理」
レイヤールは安堵の息を吐き「全く・・・この中じゃ一番普通な体なんだから無理しちゃ駄目だろ」
レミウスが苦笑いで答える「わ、悪かったってば・・・」
エルローラも安堵の息をついて「私も治療についた時は驚いたわ・・・手足の骨がバキバキになっているんだもの・・・」
レイメストがレミウスを見て「レミウス傷つくの皆、嫌って言ってるぞー」
レミウスが下を向いて「私だって戦士だもの・・・」
レイヤールは溜息を吐いて「戦うのは構わないが前に出過ぎるなって事だよ・・・俺達はもう仲間みたいなもんなんだから・・・正直俺もお前が死んだら俺の中にある闇もどう変化するか分かったもんじゃない」
レミウスがシュンとして「ごめん・・・今度から気をつける」
レイヤールが上を見て「せっかく船旅なんだし、甲板でも出て日の光りでも浴びるか、エルローラ、レミウスはもう歩けるんだろ?」
エルローラが頷いて「うん、でも走ったりするのは駄目」
レイヤールがレミウスの腕を掴んで立たせる「ほら、行くぞ」
―――――――
甲板へと出ると前世と違って、羽が四枚のカモメが空を飛んでいて船にくっついて飛んでいる
空は快晴で気持ちの良い空だ
レイヤールは背伸びして甲板の船のテスリに寄りかかる
エルローラが生みを見て呟く「レイヤール・・・ドラゴニューラ族って・・・何なんだろうね」
レイヤールは空を見上げて「何とも言えねぇな・・・滅ぼしたのはドラゴンで、スー派は実態が見えてきたがまだまだミー派も謎が多い」
エルローラが笑って「ごめんね、変な話して」
「あぁ、気にするなオリヴィエリだったか?あいつの戦いではお前が押してた、戦ったとしても勝てるさ」
エルローラが頷いて笑い「うん、ありがとうレイヤール」
―――――――
時間も過ぎ、三日月が現れる頃・・・
船の客室でぐっすりと皆が寝る中
真夜中にレイヤールは目が覚める
「・・・眠れない・・・」
レイヤールは甲板へと出て、空を見上げると少し雲に隠れているが月が見える
その時、後ろに誰かいた
振り向くと、黒い姿をしている自分
「いい夜だ」そう言い、レイヤールを見て笑った
「いい加減俺から出て行け」面倒そうにレイヤールがそう言うと黒い自分は笑い
「お前の過去と向き合うまで俺は消えない・・・」
レイヤールは溜息を吐いて「俺は決別する、過去とな。過去なんて見ても何も得られない」
黒い自分は笑って答える「ハハ!そうやって蓋を何重にも重ねて自分を偽っていると良い、本当はどす黒い真っ黒な自分から目を背けてな・・・」
レイヤールは海を眺めて無視し始めると黒い自分は横に寄ってきて「過去と決別するって事は・・・アイツの事・・・真由美の事も忘れるという事か?」
レイヤールはビクッと動いて黒い自分を見る
レイヤールは下を向いて「アイツは・・・別世界の人間だ・・・もう関係ない」
黒い自分は悲しい顔で「助けてくれた唯一の人も忘れて楽に生きる・・・真由美も可哀そうにな・・・自分をあれだけ守ってくれたのに、自分は何一つ恩返しもしないまま死んで、おまけに真由美の事も記憶から抹消しようとしている・・・」
レイヤールは海を見て「そうやって自分を守るしか方法が無いだろ・・・お前を・・・闇を倒すしか世界を・・・エルローラを・・・皆を救う方法が無いんだから・・・」
黒い自分は笑って「エルローラか・・・アイツは確かに真由美に通じる所がある・・・だが考えろ、前世のお前の姿だったらエルローラは助けてくれたか?竜神と崇められる村だったからエルローラは優しくしてくれたんじゃないか?・・・エルローラはレイヤールだったから助けてくれたんじゃないか?本当のお前・・・竜崎 真だったらエルローラはお前を助けてくれたのか?」
レイヤールは不機嫌そうな顔をして「その名前で俺を呼ぶな、思い出したくもない名前だ。今の俺はレイヤールだ」
黒い自分は悲しい目で俺を見て来て「この世界で竜崎 真の味方は誰も居ない・・・レイヤールというもう一人の自分を重ねて過去の自分を偽りにしているだけだ。中身は何一つ変わらない、いつまで自分に嘘をついて生きる気だ?」
レイヤールは空を見上げて「俺はレイヤールとして生きると決めた、お前を・・・闇を倒して世界を救い、エルローラと皆と生きていく、竜崎 真は死んだ、もう関係ない」
黒い自分は哀れむ目でレイヤールを見て「そうか・・・だが真実は変らない・・・何一つ・・・レイヤール、お前の光りの力はその状態では真価を発揮しない・・・それだけ教えてやる」
そう言って足から透けて消えて行った
レイヤールは胸に手を当てて「俺はレイヤール・・・もう・・・前世の事とは決別し、もう関係ない」
そう呟いて、客室に戻るとエルローラが気持ち良さそうに眠っている
「エルローラ・・・俺はこれからもお前を守る為だけに戦う・・・」
そう言ってエルローラの手を握ると優しくギュと自分の手を掴んで返してきた
それだけで気持ちか少しだけ紛れた




