そして知る一つの真実
俺達は馬車に揺られ、始まりの村へと帰ってきた
俺は馬車から降りて「帰ってきたな・・・エルローラ・・・」
エルローラが嬉しそうに頷いて「うん!」
村も俺の予想した通りだいぶ発展していた、建物のほとんどが改築されて見た事ない建物に変わり、肉屋はレストランを横に増設していて、エルローラの母親が経営する小売りの店は二階建てになっている。そして神社もより一層キレイに改築され、村の中心にはトロッコも用意されている
そこに俺が鉱山管理を任せていた若い管理士が来て「レイヤールさん!お久しぶりです!見ての通り立派な鉱山村になりました!この調子でガンガン掘って街にしますよ!ここを!」
俺のやった事がこうやって実ってくれている事が嬉しかった
エルローラも店に走って行って「お母さん~!!」と戻っていった
この時間ぐらいは自由にしないとな・・・積もる話もあるだろうし・・・
俺はレイメストと手をつないで歩いて神社へと向かう
レミウスも後からついて来て「ここがレイヤールの生まれた村?」
「あぁ・・・俺の始まりである場所だ・・・」俺は神社のドアを開けると大主様が笑って迎える
「よくぞ戻ってこられました・・・『レイヤール殿』」
印象がガラリと変わっていた、頑固ジジイではなく優しいイメージだった
レミウスに頼んで翻訳してもらう
「だいぶ雰囲気が変わりましたね」
大主様は笑って「フォッフォッ!村が活気づいて物の考え方という物が変わったんじゃろうな、それよりレイヤール!紹介したい人がおる」
「?」奥からエルローラと同じ服装の人が歩いてくる、白銀の長い髪に、青い瞳でおしとやかな雰囲気で耳がとがったエルフのような雰囲気の女性だ
俺は頭を下げるとその女性はマフラーを手に笑っていう「本当によく似ているわ・・・初めまして・・・こうして”生まれて”顔を見るのは初めてですね」
俺が困惑しているとメルは気が付いて「あら!ごめんなさい!自己紹介がまだでしたね・・・ここの神社の責任者のメル・フロウラーと申します・・・貴方に分かりやすく言うなら・・・エルローラのお祖母ちゃん・・・ですかね?」
俺も深々と頭を下げて「ど、どうも・・・」
メルは嬉しそうに笑い「フフッ!とても律儀で良い子ですね・・・『私の時』とは大違い・・・」
俺が頭をかしげていると「レイヤール・・・ちょっと背中を向いてください」
「?」俺が言われた通りクルリと背を向けると
「ハァッ!!」おしとやかな女性から出るような声ではなく、強烈な声が上がった瞬間俺の背中が強打される
「ゲホッ!!ゲボッ!!ゴブ!オォォォォォェェェ!!」
口から黒い何かかドハドバと吐き出される
そして黒い液体は俺にゆっくりとズズズ・・・と寄ってくる
俺が気持ち悪がっているとメルが前に立って「闇よ・・・消え去れ!」
メルの手から光が放たれて闇が消えていく
俺の中で燻っていた何かが少し取れて気分が軽くなった気がした
メルが言う「あなたの中の成長した闇を追い出しました・・・ですが核心の部分はやはり難しいですね・・・」
俺は首を振り頭を下げて「ありがとうございます、おかげで気分が少し晴れました!」
レミウスが翻訳して伝えるとメルし嬉しそうに笑い「あら!そうですか良かった・・・私の技が効いて・・・」
メルは歩いて「今日はゆっくりとしてくださいレイヤール様・・・」
そういって外に出て歩いてお店の方へと向かっていった、きっとエルローラに会いに行ったんだろうか。
そして去った後レイメストがジーッと見つめて呟く「あの人・・・人じゃない・・・」
俺が驚いて「えっ!?」
レイメストが呟く「私達と同じ・・・ドラゴン?」
あの人がドラゴンなわけないだろう
俺はレイメストを連れて「さぁ、レミウスも神社の宿舎で今日は休むぞ」
レミウスが歩いて「おう!今日は疲れたからなぁ・・・」
そして俺が宿舎に入って布団に入ると、レミウスが笑い「レイヤールが前のレイヤールに戻った気がするよ、気難しい顔ばかりしてたからさ」
「そうか?でもまだ内で燻ってる気がするよ・・・俺が闇に飲まれたらどうなるんだろって」
レミウスが笑い「そん時は私がレイヤールの懐に飛び込んで助けてやるよ、エルローラちゃんみたいに魔法も何も使えないからさ」
俺は少しだけ笑い「その言葉に救われるよ・・・」
そうするとエルローラが戻ってきて「いやぁ久々に皆と話せて楽しかったよ!」
俺はエルローラにメルの事を聞いてみた、「なぁレイメストがメルをドラゴンだっていうんだが・・・それと思われる事あったか?」
エルローラは考えて「どうだろう・・・普通の人の気がするけど・・・今になると分かるけど・・・すっごい魔力隠してるオーラはあった」
俺が考えて「もしかしてメルさんは本当にドラゴン・・・?」
レイメストが頷いて「うん!しかもパパにすごく似てた!」
「はい!?」
エルローラが考えて「確かにその説はあり得るかもしれないわ!だってメルさんこの村にずーっと居るって言うし、姿も全く変わらないし歳とってなさそうだし!ちょっと調べてみよレイヤール!」
「あぁ・・・うん」もし本当にドラゴンだったら複雑な心境だわ・・・
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そして全員が寝静まった夜に話題のメルが入ってきた「レイヤール・・・起きて・・・」
俺は起き上がり「メルさんか・・・どうしてこんな時間に?」
メルが歩いて「こっちに来て」
俺はついて行くと誰も居ない森の湖に出る
エルローラが歌っていた場所だ
メルは衣服を突然脱ぎ始めて「レイヤール・・・私はあなたの・・・」
そういうとズルズルと姿が変わって行き、俺と同じ不死竜の姿へと変わる
俺は唖然としていると「驚くのも無理はないですよね・・・私はこの村を守り・・・貴方も守っていた・・・エルローラという良いパートナーを見つけましたねレイヤール・・・」
俺は唖然としながら一言呟いた「どうして母親なのに俺に会いに来てくれなかった?」
そういうとメルは悲しい顔で「それは・・・闇を探る為でした・・・」
「・・・・・」俺は無言で母親の顔を見る
複雑な気持ちだ、全く見ず知らずの人が母親だったなんて・・・この世界では母親という物が居なかった・・・前世の母親のイメージが強く残っていてそこまで根には持ってない・・・それ故にこのドラゴンの母親とどう接していいか分からなかった
メルは笑って「本当にたくましくなりましたね・・・貴方に保護という言葉はもう無用ですね・・・」
そういうとメルは厳しい顔で言う「レイヤール・・・ドラゴニューラ族がどうして滅んだのかを知りたいですか?」
俺は生唾を飲んでメルを見るとメルは応える「ドラゴンが・・・ドラゴン達がドラゴニューラ族を滅ぼしました・・・そして・・・私は・・・エルローラの母親を・・・殺しました・・・」
カララン!!
俺は振り向くと木の陰にエルローラが居て「嘘・・・だよね?お祖母ちゃん・・・お祖母ちゃんがドラゴンだった事も・・・私を拾ってくれたのがお祖母ちゃんだった事も・・・私のお母さんが居ない事も・・・」
俺はエルローラに駆け寄ろうとするとエルローラは一歩引いて走って行ってしまう
「エルローラ!・・・」俺は追う事はできなかった
俺は振り向いて「メルさん・・・事実なんですか?」
「えぇ・・・そうするしかありませんでした・・・ドラゴニューラ族同士で血で血を塗り合う内戦・・・その度に人と竜が命を費やして行く・・・無駄な争い・・・そしてドラゴニューラ族の戦争は世界をも巻き込み・・・すべてを滅ぼす寸前まで追い込みました・・・なのでドラゴン達だけで集まり・・・かつてともに笑い合った仲間達を殺しました・・・この手で・・・」
「母さん・・・」そしてメルが自分の手を見て言う「私の手は罪で汚れすぎている・・・エルローラを育てたのも・・・罪滅ぼしのつもりでした・・・これが全部ですレイヤール・・・今も私と同じようにドラゴンの姿を隠し、人に化けて、数多くのドラゴン達が隠れています・・・来るべき戦いに備えて・・・」
俺が首を傾げ「きたるべき戦い?」
メルが頷いて「光と闇の大戦です」
俺が驚くとメルが言う「レイヤールも知っての通り、闇の手先がすでに何人か送り込まれています・・・目的はあなたの闇化して引き込む事・・・私は死なない体ですが・・・死んで強化される力はない・・・デスイーターの能力はあなただけの能力なのです・・・だから光と闇はあなたを奪い合う・・・」
俺はメルを見て「それじゃ、光の者も俺を引き込みに?」
メルが頷いて「えぇ・・・闇と光りの戦いは・・・この大陸ですでに始まっている・・・」
そう話すと後ろからカシャリカシャリと歩いてくる音
「お早いご説明どうもメルさん」
メルが驚いて「カーシャ!!貴方は引っ込んでなさいとあれほど!!」
カーシャと言われた男は全身に鎧をつけていて、鎧のデザインは白銀の鎧に金色の装飾が施され光の印象がある者だった、顔はヘルメットに隠れて見えない、声からして男のようだ
「これはレイヤール殿、失礼を・・・私は光の戦士・・・カーシュと申します・・・以後お見知りおきを・・・さてメルさんが話された通り、我々は戦力を欲している・・・レイヤールさんも平和の為・・・調和の為に協力してくれますか?」
態度も大きくて気に障る言い方だった
「俺は闇にもつく気はないし光も今の感じで考えが変わった・・・まだ光りの者がよく見れてない」
カーシュは納得した様子で「なるほど・・・闇に就く気がないなら安心です・・・それじゃごゆっくりお考えください・・・貴方が闇に堕ちない限り・・・私はいつまでも味方です」
そういって消えて行った
メルがずっと最初から最後まで睨んでいて「気をつけなさいレイヤール・・・アイツは貴方の力を封印して取り込み、デスイーターの能力を得ようとしている者です・・・」
俺はメルを見て「闇も光も快い味方じゃないって事なのか?」
メルは頷いて「えぇ・・・でも私だけはあなたの味方です・・・何があっても・・・闇の者にも手を出させないし・・・光の者達の道具にさせる気もありませんから・・・」
その言葉で少し安堵したが・・・そんな事よりもエルローラが心配だ、お祖母ちゃんが母親殺しだったなんて・・・急がないと




