デスゲーター
私は朝にさっそく出発する事になった
「ふぅ・・・早くでないと・・・」
レイが火の後始末をした後「エルローラちゃん!準備できるてるかい?」
「えぇ!問題無いわ!」
今日中には滝の箇所を全て回れる計算らしいが、この男が言うとどうにも信用できない
川を上り続けるとやがて滝が見えてくる
「2つ目の滝だ、どうだい?」
やはり雰囲気が違う・・・ん?
私はある物を見つけた
拾ってみると確信したレイヤールの鱗が落ちていた
「レイヤールの鱗だ!」
レイが頷いて「どうやら即席はちゃんと辿れてるみたいだな~これなら案外早く見つけられるかも」
「どうして?」
「痕跡掴めりゃ大体見つけられるからさ」
私はレイヤールと会えると思うと不安と同時にどうやって話しかければいいか考えていた
レイヤールは私と一緒に居る事で私に危害を加えるかもしれないという事に怯えている
私はそんなの全然平気・・・最悪レイヤールに食べられる事になったとしても私はそれでもいい・・・
きっとレイさんは許さないだろうけど・・・私の気持ちだし関係無い
だが私が考えて歩いているとレイが手を出して「ッシ!何か居る・・・ヤバイ奴だエルローラちゃん戦えるよね?」
杖を取り出して構え「人並程度は・・・」
「よし・・・10秒後左にジャンプする・・・いいかい?」
私は息を飲み頷く
「1・2・3・4・5・6・7・8・9」
その瞬間草むらがガサガサ音がした
「今だ!!」
私はジャンプすると何かが通った
「ゴガァァァ!!」
私は着地して立つと「あれは何!?」
「くそ!!よりによってデスゲーター相手か!」
真っ黒の鱗の大型のワニだった背中に黄色い筋の模様があり、とても不気味な感じだ、しかも地面の土と相性が良い色で、見づらい
「あ、あんな魔獣見たこと・・・」
レイは頷いて「そりゃそうさ、あまりに危険な魔獣だから帝国が大部隊を編制して絶滅させた種だからな・・・こいつは本来、タフさ故に10人掛かりで倒す相手なんだ、こいつは命が3つある、魔法を体内でストックしていてそれで大魔法の回復を使って回復するのさ」
「そ、そんな奴2人で倒せるの!?」
「かなり持久戦になるぞこいつぁ・・・」
レイは銀色の剣を抜き鋭い惨劇を放つがワニはダメージを受けても怯みもせずレイへと突っ込んで行く
「な、なんてタフな奴なの!?雷の精霊よ!!鳴り響け!!サンダーインパクト!!」
地面へと電撃が放たれワニは感電する
「ゴギャギャギャギャ!!」
「いいぞエルローラちゃん!!」レイは剣を両手で持ち頭へと目がけて全力のフルスイングを当てると一撃で頭蓋骨が一刀両断にされピクピクと動いている
レイは後退して距離を取ると「エルローラちゃんも気を付けてね、あれだけのダメージでも回復するから」
レイが言った通りワニの体から魔法陣が現れ傷が回復して行く、そして回復した時、姿も変わっていた、より固い鱗と甲殻に守られた姿へと変り防御力が高そうな姿へと変化した
「あいつは相手によって姿を回復の度コロコロ変えるから本来は全部違う職業のメンバー10人での討伐なんだけどねっ!!」
剣を一振りするがガキィィン!と甲殻が弾き返す
「っち!!」
「それなら炙り殺すだけよ!炎の精霊よ集え!!プロミネンスレイ!!」
デスゲーターの上に魔法陣が現れ炎が発射され続ける
「ゴギャァァァァ!!!」
皮膚がジリジリ焼けはじめ移動して逃げようとするが魔法陣が追跡して離れない
レイは驚いて「へぇ・・・属性魔導師なんだエルローラちゃん流石!」
デスゲーターは黒焦げになり力尽きてドサッと倒れる
2回目の回復
姿は変り今度は全身亀のような頑丈か甲殻が全身に現れ鎧のようになっている
「また変化を!?プロミネンスレイ!!」
また炎で焼くと表面の温度が上がった瞬間、甲殻が真っ赤に燃え鉄を熱したような状態になる
レイが慌てて「エルローラちゃん!!魔法を中断しろ!!」
「っえ!?」
その瞬間デスゲーターの甲殻がバシュン!!とパージして熱された甲殻の破片が飛び散る
「キャァァァ!!」
レイが盾で私を守り鉄がドロドロに溶けて行く
「あっちぃな畜生!!」
私は慌てて「み、水の精霊よ!答えて!!オーロラレイン!!」
雨が降り始めて熱された甲殻が急激に冷えて無力化される
「ふぃ~助かったぜ、全くとんでも無い奴だぜ」
危なかった・・・遊びで習得した雨を降らせる魔法が役に立った・・・
レイは距離を取り「さぁて・・・どうするかねぇ・・・」
熱するのも駄目、溺れるのもワニだから活動限界なんて息継ぎが必要になるまでどれだけ時間がかかるか分からない・・・雷も耐性ができちゃってるし・・・凍らせる?でもそれをすれば・・・最後は氷まで耐性を持っちゃう・・・どうしたら・・・
デスゲーターが重たい体なのにも関わらず素早く移動して攻撃してくる
レイは足を取られ「しまっ!!」
駄目・・・出し惜しみしてる場合じゃない!!
「氷の精霊よ!!氷点下の地獄を今ここに!!フローズンバースト!!」
氷の塊を飛翔させてデスゲーターへと直撃させると全身がビキビキと凍って行く
「ナイス援護だよエルローラちゃん!!」
レイが剣で叩き割るとバキャと氷が割れるように砕ける
だがその瞬間最後の回復魔法が発動して蘇る
だがその姿は異形だった
ワニは獣人のように人型へと変化して全身に今までの鎧、それに加え剣のように鋭くなった尻尾
レイが舌打ちして「最終形態になりやがった・・・」
「最終形態!?」
「ああやって俺達の技を全て使わせてその上でそれに最後は相手を殲滅する形態をとるんだ、2回は悪魔で耐えて学習する事・・・これがあいつの一番厄介な特性だ・・・」
デスゲーターの移動速度は異常でレイが反応して剣で尻尾を受け止める
「ぐっ!!」デスゲーターはパンチをレイにかましてレイは吹っ飛んで木に叩きつけられる
「ガハッ!!」
「レイさん!!っく!!」
私が警戒するとすでに目の前に姿は無く高速で後ろへと回り込んでくる
私の背中に一筋に閃光が見えた、
「っあ・・・」
私は死を悟った
だがその瞬間
「グルガァァァァ!!」
聞いた事のある声
デスイーターが殴られてぶっ飛んで行く
「ゴギャ!ッガッガ!ゴッ!!」レイと同じようにぶっ飛んで木に激突する
私は嬉しかった
「レイヤール!」
だがレイヤールの姿は正気では無かった、いつもと違い4足歩行で唸っている
まるで獣のように
私は近づくと警戒して噛みつこうとしてくる
「!!・・・」離れると再びデスゲーターに目を向ける
レイヤール・・・・まさか・・・魔獣の魂に呑まれてしまってもうすでにレイヤールは・・・
レイヤールはデスゲータの喉首に喰らい付きに行き、噛みつくと喉首を引きちぎる
その瞬間、腕を使い鎧の甲殻に拳をぶつけて何度も何度も殴りつける
骨がバキバキ音を立てて折れている
こんなのレイヤールの戦い方じゃない・・・これじゃまるで・・・獣同士の殺し合い・・・
もう止めてレイヤール・・・もう・・・止めて・・・
私の思いは届かずレイヤールはデスゲーターが力尽きるまで殴り続ける
デスゲーターが死に絶えると魂をバクン!!と食べてゴクリと呑みこむ
その瞬間ソウルチャージが発動して拳に炎、翼の炎でバーストモードへと変る
その瞬間私へと狙いを定めて飛びついてくる
「ガァァァァ!!」
レイヤール・・・もうレイヤールじゃないの・・・?
ガキィィィン!!
レイが目の前に剣を振りレイヤールの攻撃を防いだ
「エルローラちゃん!!しっかりしろ!!さっきの雨であの炎をかき消せ!!」
私はハッとして「水の精霊よ!集え!!オーロラレイン!」
雨が降り注いでレイヤールの腕と翼の炎の勢いが弱まる
「でかしたエルローラちゃん!!」
レイはワイヤーのような物を放ちレイヤールを縛って行く
「グギャァァァ!!グガァァ!!ギャァァァァ!!」獣のように暴れ回っている
そうしてワイヤーで縛り終えるとレイは汗を拭い「ふぅ・・・こいつの炎のせいで何℃になってるんだここは?暑いな・・・全く・・・エルローラちゃん俺から見るにもう時間切れのように見えるが?」
私は歩いてレイヤールの側へと行き「レイヤール・・・もう貴方は死んでしまったの?私の知っていたレイヤールはもう魔獣へと化してしまったの・・・?レイヤール・・・元に戻ってよ・・・」
そこで私は思い出す、人間の魂を喰う必要があるという事に
私は持っていたナイフを取り出しすとレイが止める
「止めろ、君の考えている事はレイヤールを不幸に陥れるだけだ、もう理性を失ったのなら・・・このまま放置してやるのが一番だ・・・相手は絶対にしなない化け物・・・割り切るんだ!エルローラ!!」
私は涙を流して「レイヤール・・・」
暴れるレイヤールに抱き着くがレイヤールはワイヤーを引きちぎろうと暴れている
レイは下を向いて「エルローラちゃん・・・ワイヤーにも強度の限界がある、もう3分したら殺すぞ」
私はレイヤールを抱いたまま泣いた
「レイヤール・・・レイヤール・・・」そんな時私はレイを見て「レイさん・・・あなたがここで死ねば・・・きっとレイヤールは元に戻りますよね・・・?」
レイは身構えて「良しなエルローラちゃん・・・それはクズの発想だぜ?俺もここで諦めて帰るっていうなら付き合うけど・・・俺を殺す気なら・・・俺はそれにも応じるつもりだぜ?」
「貴方が死ねば!!レイヤールは助かる!!」
私は震えたナイフをレイに突き付け突撃するが途中で止まりナイフを落す
「でぎない・・・人を殺す事なんて・・・」
レイは溜息を吐いて「君は優しい娘だからな・・・」
そんな時レイヤールが炎がワイヤーを引きちぎり私へと襲いかかる
「エルローラちゃん!!!」
レイヤールが私に飛びついてくる
でもなぜか嬉しかった大好きだった人に殺されるなら・・・私はそれでいい・・・
――――――
30分前・・・
俺は思いついた
「そうだ死ねないなら獣になってしまえばいい」
あの角のついた輪っかを外してその場に置いた
「これでもう・・・発症したら俺は戻れない」
そして俺は片っ端から魔獣を狩り続け魂を喰らい続けた
その結果俺は発症が始まりすぐに理性が消えて行った
「うぐっ!ガァァァァ!!」
もう何も失う物は無い、何も考えなくていい、俺は逃げた
『それが君の弱さだよ』
弱くたっていい・・・どうせ結末はこうなっていたのだから・・・
――――-
だがそんな時俺は一瞬だけ自我が蘇った
朦朧とする意識の中エルローラが見えた
「エルローラ?まさかもう今頃村に・・・」
だが声が聞える「レイ・・・ル!」「レイヤール!!」
俺の自我がはっきりと目覚めてくる
目の前にはエルローラ、だが体はもう完全に本能で動いているどうしようもできない
『もう駄目だ・・・俺は・・・』
エルローラを襲っているワニが居たため俺の体はそいつを殺してエルローラへと狙いを定めた
『やめろ!!やめろぉぉぉぉ!!』
だが俺の体は動かない
俺はワイヤーで縛られ俺は一安心するが俺の体はワイヤーを炎で焼き切ろうとする
『エルローラ!!早く逃げてくれ!!頼む!!俺を見捨てて静かに暮らしてくれ!!』
だが俺の体はジリジリとワイヤーを切って行く
そしてエルローラへと襲いかかる
『やめろぉぉぉぉ!!』
時間が一瞬止まり考える
どうすればこの体を俺の物にできる?
心強くする?どうすれば・・・
そんな時誰かの言葉が記憶に過る
―――――
優しい感じ・・・母さんの記憶だ
俺は昔から工作の才能はあって型紙やテープなどでガチャガチャを作って市区町村の出展していた、賞は確実とまで言われたが結局俺は負けて投げ出してしまった
そんな時俺は自分でぶっ壊したガチャガチャを母が拾い「心を強く持てばきっと次は優勝できるわ!」
「僕は心は弱いよ・・・強くなんかなれっこない・・・どうすれば強くなれるのかすら分からない・・・」
母親は笑って「諦めない事・・・立ち向かう事・・・色々方法はあるわ・・・たとえば好きになった人を守りたい時とか・・・」
好きな人を守りたい・・・
――――――
俺は!!エルローラを守りたい!!
エルローラの首の斬撃が入る瞬間俺はこの体を止め
「これは・・・俺の体だ・・・俺は!!魔獣の魂なんかに負けたりはしないっ!!俺はエルローラが好きだ!!!」
そんな時声が響く
全く知らない声だ、優しい声で母に似ていた「そう、それでいい・・・心を強く持て我が子よ」
その瞬間俺の体に入っていた魔獣の魂が全身から放たれて俺は小っちゃくなる
エルローラが抱き着いてきて「レイヤールなのね・・・良かった・・・良かった・・・」
「ごめんなエルローラ・・・俺はずっと逃げていた・・・だけどエルローラだけは向き合いたかった、失いたくなかった」
後ろに居た騎士が笑い「大したドラゴンだねぇ・・・運命に抗いそれでも愛する人を助けるか・・・決めた・・・レイヤール!俺の名はベルスターズ・レイ・ロナメス!また気が向いたらお前に戦いを挑みに来るわ!エルローラちゃんを奪うためにね」
俺が睨むとエルローラが前に出て「私はレイヤールを信じます、レイヤールは強くなると!」
「それは楽しみだ、それじゃあな!!」
レイは満足そうに背を向けて歩いて行った
俺は拳を固めて「心も体も強くしていく・・・エルローラを守る為に」
――――――
白い空間の中少年は笑った
「へぇ・・・一つの悲劇の運命を避ける事ができた・・・やっぱり僕の見込んだ通りだ・・・レイヤール・・・君は次の運命を乗り越えた時、君はもっともっと強くなる楽しみだよ・・・フフッ」
少年は笑いレイヤールをモニター越しに笑った




