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ドラゴン様です

温かいと同時に苦しさを感じた、


もがくとバキバキと割れる、なるほど羽化するのか、そうと分かれば!」


「んがぁぁぁぁぁ!!」


バキャ!!


「ふぅ・・・やっと出れた・・・っと・・・!?」


俺の目の前にはまるで神社のお祭り行事などで着る坊さんの服の白いバージョンの服に

狼の獣人やら、猫やらトラやらの獣人が居て、人間も居る

全員俺を見て驚愕している


俺が何か喋ろうと、どうもと言おうとすると

口が上手く動かず「ウ、ウガ・・・」とドラゴンらしい声を出すと


「竜神様が孵ったぞぉぉぉぉぉ!!祭りだ!!祭りを挙げろ!!」


・・・・・はい?


俺は人に話かけようにも「ガウッ!」だったり「フガッ!!」だったりドラゴン声だ

そのため誰とも話せないのが辛い・・・故に全く状況が掴めない


俺はどうやら神社に祭られていた卵だって事は分かった


俺の体だが竜人のような体だ、身長は130前後と言った所だろうか、竜人と行っても人型よりでは無く、西洋の竜を2足歩行にした感じが強い、足が逆関節だし爪も竜人にしては長くドラゴンの風格が強い、鱗は黒い、それと全身鱗では無く、体の大部分がスベスベフニフニの黒い肌だ、それと顎から首、そしてお腹から尻尾まで白い色


角は後ろに向かって上に2本下に2本とかなりドラゴンにしては上位種のような感じだ


唯一鱗がある腕だが、鱗が覆われてガントレットのようになっている、これなら殴ってもある程度は痛くないし防御に使えそうだ


それにしてもなんで一瞬戦いを想像したんだ俺・・・絶対戦いたくないのに


それと俺が生まれた村は、中世後期の建築物だ、赤いレンガと木が上手くかみ合って建物が仕上がっている、あのサンタクロースが入れそうな煙突も一家に一つある


本当にファンタジー世界なんだなぁと感心する




村が落ち着いてくると、店と思われる、野菜や道具を売っていた店の前に色々と物品が並べられ、肉屋と思われる店はデカイ豚と似たような生き物を丸々一体ボーンと店の前に出され、丸焼きにする準備をしていた


そうやって外の様子を窓からピョッコリと顔だけ出して様子をうかがっていると

目の前をばったりと女の子が前に出てきて目が合う

美しい銀髪の髪の少女で、幼く目が丸く可愛い顔つきだ

「っあ」


少女は慌てて「あわわわ!!竜神様!!目の前で大変失礼いたしました!!」と走り去ってしまおうとしたので


俺が誤解を解こうと「あ!ちょっと待って!」『ガウッガッ!!』と声を掛けると

少女は驚いて振り向き


そうだった・・・俺の声はガウガウしか喋れないんだった・・・


「あ、あの私・・・」


オドオドした顔でいる。


俺は振り向いて「悪い事をしたな!」『ガウウ!』


そう言うと神社の奥の方へと行く


少女は不思議とたたずみ、呟く

「今・・・竜神様・・・喋ってた?・・・気のせいね、生まれた時もガウガウしか言ってなかったものね」



------


日が暮れはじめる頃にようやく、お祭りが“形”として整った


俺が卵に乗ってた台座に乗せられたまま担がれ、人前にさらさられる


やめて、これ辛い、なんだか自殺した身だからかもしれないけど、これすごく辛い


人々がキラキラと目を輝かせてみている、


うわぁ・・・嫌だよ~、お祭りなら楽しみたいよ~、担がれるなんて嫌だよ~


とただひたすら頭の中でゴネル


俺は嘘とかはつけないタイプなので、顔にものすごく恥ずかしそうな顔と嫌だって言う顔が現れ、それを『不快』と勘違いした神社の人達は


「竜神様!どうされましたか?このような場は不快でしたか?」


俺は恥ずかしそうな顔でコクリと頷いた


「然様ですか・・・それじゃあ楽器を鳴らせい!!」


逆ですかっ!?


そうして派手なカラフルな羽や装飾品を纏った神社の人達が楽器を鳴らす

全て打楽器でまるでアフリカの民族みたいでかなり調子が狂う


俺は何か意志表示しないと収まらない事を確信し

担がれた台から飛び降りて、店へと駆け込む


ちょっと軽く走ったつもりだが凄まじいスピードで駆け抜ける事ができ、相手からは消えたように見えたらしく

「竜神様が逃げられたぞ!?」「私達の歓迎の仕方が駄目だったのか!?」

「竜神様~お戻りぉぉぉ!!」



俺は店のおばさんの所に逃げ込み


「アラアラ!まぁあれだけ派手に担がれたら流石にねぇ・・・」


どうやら真面な考えの人らしい


俺は涙目で助けを求めると「フフッ可愛い顔、こっちにおいで!」


店の奥へと案内され、中へと入ると、昼にばったり会ったあの子が居た


「っあ」


女の子は慌てて「か、か、母さん!?どうして竜神様を!?」


「あれだけ担がれて嫌になっちゃったのよ」


女の子は納得して「あぁ~」とか頷いている


俺はお腹が空いてグルグルお腹を鳴らすと

「アラアラ!本当素直で可愛いドラゴンさんね!」


そうして肉屋の前で出されていた豚と思われる肉が出された

俺がおばさんにペコリとお辞儀して感謝して食べると


豚の角煮のような味がした、美味い


思わず「美味い~」『ガゥ~!』と上機嫌な声を出してしまい

おばさんは嬉しそうに笑う


だが女の子だけは驚いていて


俺が頭をかしげると女の子はプイッと違う方面を向いてしまった


「?どうしたんだろ・・・まぁ、崇めている対象が向こうから来たら混乱するよな」


俺はしばらくその角煮をウマウマと食べ続け、お腹いっぱいになる頃に

だいぶ外が慌ただしく「竜神様を森まで探しに行くぞ!!」

なんだかヤバイ雰囲気になり始めたのでトボトボと歩いて出る


「竜神様が居たぞ!!」


神社の人達は「不快な思いをさせてすみませんでした!!」


俺はもう相手するのも馬鹿らしくなってきたので適当に村をブラブラと探索する


できればこの世界について情報が色々欲しいなぁ・・・

そう思って本屋が無いか探した


「あぁ・・・やっぱり本は無いか・・・」『ギャウゥ・・・』

と言うと例の少女が「はい!」

渡されたのは本だった


「っえ!?」『ギャウ!?』

次話更新日 8月9日 22時頃

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