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崩れる二人

私はレイヤールの異変に気付いて声をかける「レイヤール・・・どうしたの?雰囲気がすごく変わって・・・なんか・・・別の人みたいに・・・」


そんな時だった運よく行商人達が来た、すごい人数で武装している


「!!ドラゴン!?」


「こりゃたまげた!」


相手は大きいバックを背負い集団で歩いていてレイヤールは私に「翻訳を頼む」


なんか声のトーンも低いしどうしたんだろ・・・


私はとりあえず頷いてレイヤールの通りにした

「う、うん・・・・」


レイヤールが訪ねる

「目的地はどこだ?」


行商人たちは笑って

「フリース王国だよ!」


そしてレイヤールと淡々と

「道中に村はあるか?」


「あぁ、通るよ!」


その瞬間レイヤールは私の体を掴んで「この人を村まで連れて行ってくれ」


私は困惑した

「っえ!?」


私は理解できずレイヤールに掴みかかり

「ちょっとレイヤール!!どうゆう事なの!?ねぇ!!」


レイヤールは無言のまま私をロープでぐるぐる巻きにしてくる

「ちょ!!レイヤール!!ねぇ!!」


私の声はレイヤールには届かない


行商人達は大慌てして「き、君!?」


私は行商人に突きだされてレイヤールは信じられない言葉をつぶやいた「さよなら・・・エルローラ、もう合う事はないだろう・・・」


そんな・・・レイヤール・・・「待ってレイヤール!!どうして!?どうしていきなりお別れなの!?私には理解できないよ!!レイヤール!!レイヤール!!!」


レイヤールは私に背を向けたまま森に消えて行った・・・


私は行商人たちを睨み「このロープをほどいて!!!」


だが行商人たちは立ったままだ


私は森を見て「もういい!!このまま走るわ!!」


私は焦った、一瞬本当に会えなくなる気がしたから


行商人は引っ張って私を止め「ちょっと待て!そんな状態で行ったら魔獣に食われるだけだぞ!!」


「放して!!だったら解放して放っておいて!!」


「君!!落ち着いて!あのドラゴンには何か意味があって君をそうしたんように見えたぞ!」


「駄目!!急いで向かわないと!!駄目なの!!」


行商人は「君・・・悪いけどあのドラゴンの言う通り村までは連れていくよ」


「いやぁぁ!!放して!!」


――――――


私は行商人の人達に担がれて結局山頂まで来てしまった


レイヤール・・・どうしてなの・・・あの時暴走した時に何かを感じ取ったの?私が嫌っていると勘違いしているの?そんな様子じゃなかった・・・


私はぐちゃぐちゃしている頭を必死に整理しながら考えていると


その瞬間行商人の先頭に居た人が血を噴きだして倒れた


「お、おい!!皆!!戦闘用意!!」全員が剣を抜き構えて警戒すると


「報告にあった人さらいの商人共かな?あんた達運が悪いねぇ・・・よりによって俺に見つかっちゃうんだからー・・・」


行商人達が驚愕して「ベルスターズ・レイ・ロナメス!!わ、我々は人さらいでは無いっ!!ただ人に頼まれて!!」


「アレ?ひょっとしてエルローラちゃんかなぁ?奇遇だね、偶然だねぇ?都合よく人さらいが居て?君が居る・・・いいねぇ!!テンションあがってきたぁ!!」


鋭い白銀の剣が一太刀入る


その瞬間行商人達の最後尾までいつの間にか移動していて

行商人達は喉首を綺麗に切られ、全員死亡する


私は怖くて腰が抜けてしまい倒れると


私はお姫様抱っこされる

「よっ!レディはキャッチしないとねぇ・・・」


私の腕を優しく引いて立たせてくれる


私は手を弾いて「レイヤールを殺すつもりなら私も殺しなさい!!」


「やれやれ・・・困ったねぇ・・・僕の事ベルスターズ・レイ・ロナメスなんて長いからレイとかロナメス!って下の名前で呼んでよ!」


私は歯ぎしりして「誰がっ!!」


レイは頭をかしげて「しかし妙だ・・・君がこうして人さらいに連れられているのにドラゴンの姿が無い・・・」


私は下を向くとレイはその様子をジーっと見てきて「なるほどそうゆう事かぁ!君・・・レイヤールに襲われて喰われそうになったね?」


私は思わず顔に出てしまう

「っ!!」


レイはうんうん頷いて「やっぱりかぁ、まっ、思った通りの結果になったけどね、ギャハハ!」


私はレイがレイヤールの事を何か知っていると思い

「レイヤールの事について何か知っているなら教えて!お願い・・・レイヤールの身に何があったのか・・・」


レイは頷いて「竜巫女様なら知っていると思ったんだけどね・・・まぁいいか。レイヤールってのは魂を喰らい力に変える性質を持つドラゴンだ、過去にもそう言ったドラゴンが現れた事があるって知ってるよね?」


私は頷く


「実は魂って言っても人の魂、獣の魂、色々あるんだけど・・・獣の魂で魔獣の魂を喰らい続けると自分自身の魂に魔獣の魂が乗り移って汚れていくのさ、だから本能的に人に戻ろうと人の魂を喰らおうとするのさ、それで仕来りで竜巫女は身をドラゴンに捧げる事があるんだってよ」


私は顔を手で覆い「だからレイヤールは私の事を・・・!」


レイは私の事をジッと見てきて「うん!いいね~!俺の目的が変わった、あんたらを俺が再会させてやる、それでエルローラちゃんが頑張ってドラゴンを説得できたら、俺はこの件から手を退こう」


私は身構え、睨みつけ

「嘘だわ、だってメリットが無いもの・・・貴方に」


レイは頭をポリポリかいて「エルローラちゃんがまーさか俺の娘のそっくりってのがまた運命なのか神のイタズラって言うのかな・・・っま!そうゆう事が気が変わったから支援するそれじゃ駄目なのか?」


どうしよう・・・嘘なら取り返しがつかないし・・・でもここの魔獣は私1人じゃ切り抜けられない・・・


私は考えた結果、協力してもらう事にした

「お願い・・・します」


レイはヘルメットを取り外すと声や性格からして考えられない程、顔がイケメンのオッサンだった


黒い髪に黒いブツブツのヒゲ、ただのオッサンなのに目は鋭く、どこか優しい顔たち


私も拍子抜けして驚愕していると「ギャハハ!ビックリした!?」


「も、もう・・・」


「ギャハハ!」


――――――


旅をして数分で分かったけどこの人はとてつもない程凄い人だった


魔獣が寄ってきてもレイヤール以上に研ぎ澄まされた感覚で探知して作業するようにどかどか倒して行く、道中あのレイヤールと倒した事があるクマの魔獣も現れたけど一撃で倒してしまった


桁が違い過ぎる


私は唖然としていると「あれれーまさかビビっちゃった?ハハハハ!」


私はプイッと顔を背けると「ギャハハ!本当娘そっくりだぁ~ますます気に入っちゃったよ」


でもこの人と居れば間違いなくレイヤールとは再会できる・・・


私はそう確信した


そしてレイヤールと当初はここに向かうはずだったセルフィア村へとたどり着いた、建物は私の村と同じように建物の作りで、親しみが持てる建物だった


「ここがセルフィア村・・・」


レイが肩を回して「さーってと・・・ドラゴンはきっとここを通過しているとは思えないからね~・・・」


「どうして?」


「だって君に見つかりたくないなら彼はどうする?」


「目撃されるから村なんかには入らない・・・」


「人里を嫌い、より獣らしくなってしまうはずだぜ~その前にあんたが説得してレイヤールを戻す方法を探らないと駄目だとおもうけどなぁ~」


「でも彷徨っているレイヤールをどう探せば・・・」


レイは私の手を掴み「竜巫女はドラゴンの位置を感じ取れるって聞いたぜ?試してみろよぉ~」


私は目を閉じ心の中で『答えて・・・レイヤール!!』


そうすると意識が高速で飛び、森の中を突き進む、まるで霊体にでもなって森を駆け抜ける感覚のように


綺麗な川に・・・側に滝・・・そこに1人で座っているレイヤールの姿が、酷く落ち込んでいて下を向いている、そして呟いた


「俺が幸せになる権利なんて・・・前世からとうに無かったんだ・・・」


レイヤールは悲しい目で自分の手を見て「死ねない体・・・無限地獄・・・今度は自殺すらできそうにないな・・・この体で永遠に贖罪し続けろって事なのか・・・」


レイヤールは泣き出した

「エルローラ・・・寂しいよ・・・悲しいよ・・・苦しいよ・・・もう・・・嫌だよ・・・」

子供のように体を丸くして震えている


私の意識がグワッ!と戻り私は涙を流した


私は涙を裾で拭い

「レイヤールは池に3mほどの滝の池で座っているわ」


レイは苦笑いして「おいおい・・・特徴的な物それだけかよ・・・」


「それしか特徴的な事は無かったわ」


レイは頭をポリポリかいて「仕方ねぇなぁ・・・」レイは地図を広げて川を辿って行く


「滝のあるポイントは・・・4か所・・・徒歩で行くとなると・・・うへぇこりゃ大変だ、こんなに時間かけていたらレイヤールの方が動いて居なくなっちまいそうだぜ・・・」


エルローラは森へとズカズカはいって行き「私は行きます!!レイヤールが・・・泣いてた・・・だから!」


レイはヤレヤレと首を振り「強情な所も娘そっくりだぜ・・・」


そうして歩き続けているとすぐに一つ目の滝にたどり着いた

「ここかい?」


だが全然雰囲気が違う、川もこんなに広くなくてもっと狭くて沢のような感じだった


「違うわ・・・」


レイが空を見て夕暮れが見え「エルローラちゃん、ここで野営するぞ」


「どうして!?まだ私は行ける!!」


レイは私の口に人差し指を当てて「焦ると夜の森は死ぬぞ~?」


私も夜の森が危険な事は分かっている

「・・・・・・分かったわ」


レイは手慣れたように火を起こしてたき火する

「火を絶やさないように燃えそうな物集めといてな~夜食取ってくる~」


私はユラユラと燃える火を見てレイヤールを思い出す


あの炎の拳に大きく手あったかいあの炎の翼・・・


顔を膝にうずめて「レイヤール・・・私も寂しいよ・・・」


そこへレイが戻ってきた

「いやー大漁大漁・・・」

魚を入れ物いっぱいに持ってくる


そして魚を串刺しにして焼き始める

私の真横に座ってきて私は距離を取ると


「大した嫌われようだな・・・」


「あんたを信用したわけじゃない」


ガックシして「娘にも同じような事言われている・・・まぁいいや聞いてくれ、俺の娘は丁度君ぐらいの時に死んじまったよ」


「!?」


「俺は実際気が付いてやれれば守る事ができる範囲に娘が居たのさ・・・なんでも俺にプレゼントを渡す為に俺が魔獣狩りしている現場へやってきていたのさ・・・俺は魔獣を狩る時は楽しくて周りなんて見えてねぇ・・・だから娘が魔獣に襲われ・・・死んだ」


私は言葉を失いレイを見る

「・・・・・・」


「そんな複雑な顔すんなって・・・俺が回りを見えてない事はこれで痛い程よく分かった・・・そんで嫁さんにも見捨てられてな・・・その先の人生真っ暗さ・・・資料で見ただけだからエルローラちゃんがどんな娘か分かって無かったが・・・見て確信したよ、お前は俺の娘の生まれ変わりだとな」


エルローラは下を向いて「重ねないでください・・・その娘さんもきっと悲しみますよ・・・私を愛しても、レイさんの心の中の娘さんじゃないんですから・・・私は」


レイは星空を見上げて「そんな事は分かってるさ、罪滅ぼし一つもできないとな・・・」


私はそろそろ魚が焼けてきたと思い食べると激マズだった

「うえっ!」


レイが大笑いして「ギャハハ!それは背びれが苦いからこうやってちぎって食うのさ」


魚のマズイ部分をもぎ取って食べている


「もう・・・最初から教えてよ!」


「ギャハハ!!」


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